カント 世界の限界を経験することは可能か (シリーズ・哲学のエッセンス)
- NHK出版 (2002年11月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140093030
作品紹介・あらすじ
ひとはなぜ世界の始まりや果てについて考えてしまうのか。「不可能なもの」をめぐる経験とはなにか。カントの哲学的思考を鮮やかにとらえる。
感想・レビュー・書評
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短いので、おさらい・復習としては良いかもしれないがエッセンスが詰まりすぎて初学者向けではないように思う。頁数100pちょっとなので、ちょっとした時間に読めるのは良いかもしれませんが。
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カント哲学を手がかりに、世界の限界についての思索を紡いでいる。この著者らしい知性のきらめきは随所に感じられるが、なにぶん短すぎて議論が十分に展開されていない。著者による、このテーマについてのもう少し本格的な議論が読んでみたい。
著者は『純粋理性批判』のアンチノミー論を、思考の臨界をめぐる思索として読みなおすというステップを踏まえて、同様の趣旨で『判断力批判』の崇高論の現代的な解釈へとつないでゆく。構想力の働きにとって捉えることのできない「法外」なものが、直観に対して「呈示されないものの呈示」、リオタールのいう「非‐呈示」というしかたでもたらされる。このような「法外」なもののことを、著者はリオタールにならって「深淵」と呼ぶ。構想力にとって、深淵を覗き込むことは恐ろしいことである。だが同時に、構想力はそれに魅入られずにはいられない。ここに崇高の感情が生まれることになる。
知と非‐知の境界線上に身を置きながら思考の可能性を問う、すぐれて現代的な思想として、カント哲学を捉えなおしている。 -
神の存在を否定したカント。
人文科学のみならず、自然科学を含めあらゆる科学に多大な影響を与えた『純粋理性批判』の解説書。
ここ数年の憲法学の発展に喰らいついていくには、哲学的教養が不可欠だと思い読みました。
ある学者が、「一生のうちに純粋理性批判を原書で3回まわせれば凄い」といったとかという逸話があります。
要するに、読んだつもりではなく、「本当に読んだ」という意味で本を読むという行為には、
それくらいの労力を惜しむ必要があるってことでしょう。
この本は、私のように社会科学を専門とする人文科学の門外漢でも、『純粋理性批判』をわかったつもりになれる良書です。
まぁ本当のところは全然わかってないんですが、わかったつもりと自覚しているだけ私はマトモなんでしょう・・・。 -
なんとか哲学を理解しようとして読み始めたがさっぱりわからない。
わかないながらも、字面追いかけるだけでも積み重ねていけば、ぼんやりと理解できるようになるかもしれない。 -
これまでには触れたことがない考え方にふれて、新しい視野が広がった気分です。
また機会があれば他の哲学者の本を読みたいと思います。 -
自分が生まれたことを、私は覚えていない。私が死んだあとのことを、自分で確認することはできない。人はそれでも、自分がどこからきたのか、自分がどこへたどり着いてゆくのかを、ふと考える。
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比較的平易な文章で初心者にも読みやすい。答えなど見つからないと分かっているのに考えずにはいられない人間の性は深淵。
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純粋理性批判を読む前に読みました。
理解できない部分が多かったですが、全体像をつかむには良かったです。 -
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読みました。