- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140814048
作品紹介・あらすじ
なぜ、一番人気のあるコンテンツを有料にしてはいけないのか?なぜ、ビット経済では95パーセントをタダにしてもビジネスが可能なのか?あなたがどの業界にいようとも、"無料"との競争が待っている。それは可能性の問題ではなく、時間の問題だ。そのときあなたは、創造的にも破壊的にもなり得るこのフリーという過激な価格を味方につけることができるだろうか。
感想・レビュー・書評
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グーグルはおそろしいです。既存の市場に破壊的に参入しようと思えば、タダは強力すぎる武器になります。当然ですが、タダに人々は飛びついてきます。グーグルはさまざまなものでタダを実現しています。インターネットのようなデジタルな世界は、複製に費用がかからないし、劣化もしません。そういう世界ではタダをばらまくことができます。
昔は「タダほど高い物はない」といわれ、詐欺・マルチまがいの商法がありましたが、グーグルなどのインターネットの世界では、本当にタダが存在します。基本的に利用する側は無料で、広告費で儲けるというテレビと同じスタイルのビジネスです。(しかし、OSのアンドロイドはどのようにして収益を上げるのだろう?宣伝効果のみ?)
これからは物を売って直接お金を得るのではなく、間接的に儲けるビジネスを考える必要があります。「消費者側には無料で使用できている感覚をあたえて、間接的にお金を払っていただく」といったビジネスです。
考えはじめると無料で人を集めて、その他で利益を上げることがいろいろできそうです。しかも集められた人々は無料で利用している感覚しかない。何かできそうです。 -
さっき読み終わりました。
乱文失礼致します。
すごい、興味深いこと書いてありました。テクノロジーは、限界費用をゼロに限りなく
近づける力を持っていることは、前から知っていましたが……
改めて、ロングテールの提唱者から言われると、うーん(シミジミ)
ビジネスと絡めた話は、日記で改めて書こうかとは思いますが、
広告業界の方は必読では…そうじゃない方も、是非
まだ、ビットの世界も成熟しきっていないですね。中身を見る限り。
有名なコンテンツを作っているアメリカの企業も、マネタイズ出来ていない企業も
多数
有名な、フェイスブックや、ツイッターのコンテンツも、広告収入に苦しんでいる事実も。
ユーチューブだって、知名度の割には、儲かっていない
テクノロジーが進みすぎて、価格が下がりきってしまった今、ネットのコンテンツだけで、収入を見込むことは非常に難しいだろう。(成功している企業もいくつかあるが・・・)
実際に、無料ネットコンテンツから、どのように収益化しているかの事例も丁寧に 紹介されている。
フリーの歴史や、発展の仕方まで、広告・マーケティングの観点から細かく書かれて いる売れるわけだ !!
久々に読み応えがある本に出会いました! -
読みたい時期をすぎてしまった。
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ネットを中心とした無料(フリー)のビジネスについて書いた本でなかなかおもしろく説得力のある内容でした。
帯には「2010年代を生き抜くのに欠かせない一冊だ」とあります。そんな本を2010年代の最後に読んでいる自分はどうかと思いますが、後から読んだからこそ、この本で言われていることが概ね当たっていることも分かります。 -
IT関係の仕事に従事していて読書習慣がある人は全て読んでいるんじゃないかというくらい周囲でもベストセラー。
たしかに本書で述べられているような"フリー―〈無料〉"という戦略は避けて通れないものになってきている。
参考書として「予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」」の併読も推奨。 -
書いてある事例は比較的平易でわかりやすいのだが、全体を通して読むと、何が書いてあったのか考え込んでしまった。この本を読むと、19世紀からフリーを導入することにより成功した事例が存在していることが分かる。そして、現在ネットの普及に伴って、より激しく変化・進化を遂げている最中であり、Googleなどの限られた例を除いて成功している企業も少なく、まだ評価や分析が十分になされていないことから、成功事例を羅列したという趣きがある。読みながら取ったメモに、「フリーの意義は、間口を広く低くすることにより、これまで知られていなかった潜在的ニーズ(ロングテールに属する顧客層等)を掘り起こすということか?」とあるが、常識の枠に縛られている気がする。
ところで、この本では、知的財産は'物事がフリーになろうとする動きを押しとどめる方向に作用する'と本質を喝破している。「ビジネスにおいては企業は知的財産権法を利用して、人為的にアイデア不足を生みだすことでお金を儲ける。それが特許や著作権や企業秘密だ。つまり、アイデアは多くの人に伝わるのが自然だが、その流れをしばらくせき止めて利益を上げようとしているのだ。(中略)だが、最後には特許が切れて、秘密は外に出る。アイデアを永久に止めておくことはできない。(111ページ)」となると、特許屋の仕事って・・。フリーになろうとするアイデアを堰き止めて、エネルギー差を人為的に作り出そうとするダムのような仕事だろうか、などと考え込んでしまった。ただ、このあたりは自然に逆らうことなので、うまくやらないと面倒なことになる。ブラジルで欧米の医薬品メーカーが持っているHIVウィルスの薬の特許に対して、国が強制実施権の発動をほのめかせて、薬価を大幅に値引きさせた事例も書かれていた。いずれにしてもパラダイムシフトを考える上で大変参考になる面白い本だと言える。 -
<まとめ>
★フリーとは?
・カミソリのプレゼント
→替え刃を購入してもらうため
・プリンターも同じ
→インク代で儲けること
・スマホゲームもそう
→課金ガチャへの誘導
♦︎無料からいかに「マネタイズできるか」を常に考える
★第3の価格
→有料/無料/マイナスの価格
→マイナスの価格のこと
・クレカ作ったらキャッシュバックするなど
→消費者が財布を必ず開くから
・会員費だけを払うユーザもターゲット
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2009年の本にも関わらず、メタバースの話や書籍の無料化の話など今のビジネスのマーケっぽい話しがかなり書いてある。2009年7月でデジタル書籍を無料化、30万ダウンロード、有料書籍もベストセラー入りなど、この時から今っぽいマーケ手法を使って結果が出ているのがすごい。
https://docs.google.com/presentation/d/1cS13Ni2UIg1i31FbNr9l_GgDQo47ngWFbNj-AMhFh-A/edit#slide=id.p
・無料のものと有料のものを見極め、常に無料にできるものを探す
・お金を支払うには様々な理由がある(時間節約、リスク、好き)
周辺でお金を稼ぐ方法はある
・コストがゼロに向かっていくならば、最初から無料にする -
10年前〈2010年)に読了。
当時としては、無料のサービスは理解できなかった。
ネットに関わるECを含めて固定費無料が定常化になりつつある。 -
現社会におけるフリーサービスについての仕組みを解説している。あらゆるものが無料で便利になっていく中、その収益モデルと成り立ち、またその対抗策を述べている。
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無料やフリーの存在って
もう当たり前の存在ですよね?
無料登録、無料アプリ、無料期間、、、
色々あるんですけど、あらゆるサービスが無料化していっています。
たぶん今の時代ほとんどのものが無料で使えます。
じゃあなんで無料のサービスなんてするの?ってことですよね。
僕もブログで無料で誰でも努力すれば3ヶ月で月利11万円を稼ぐことができて、
その後も資産化されるコンテンツを公開しています。
無料メルマガに登録すれば、
マニュアルも無料で配布しています。
「それも有料化すればええやん?」ってよく言われますが、
僕はギブの精神でやっていて
来るものは拒まず、去るものは追わないスタイルでやってます。
そこから個別指導をして欲しいとなると仲間になって、全力でサポートするし、
努力に助力するようなことはします。
あくまで、個人の独立を尊重しているので、
全部やってあげる、全部教えるような指導はしません。
無料でサービスは提供するのが当たり前の時代の中で大事なのが、
パーソナリティですよね。
誰から教えてもらいたいか、
誰から情報を得たいか、
無料だからいいとか悪いとかそういう問題ではなく、
無料社会だからこそできることはなんなのかをぜひ、この本を読んで考えて欲しいです。
まぁでもなかなかのボリュームです。
自分がサービスを提供する側になるのであれば、読んでおいて損はない本ですよ(^^) -
この連休を利用して読み切った!
10年ほど前に出た本なので古さを感じる箇所もあるが、豊富なエピソードは読み応えがあった。また様々な人のコメントに対する反論が、そこまで話してきたことに対するまとめにもなっているのは、良い構成と思った。 -
日垣隆氏が強くお勧めしていたので読んでみる。
本書が書かれたのが2009年。そんなに昔ではないけれど、インターネットを取り巻く環境は大きく変化していて、既に古くなっている部分もあるが、本質は今でも変わらない。今まではお金になっていたビジネス(デジタル)も、いずれは無料化されてしまう。
無料化されてしまうものに拘るのではなく、それを手子にして新たな価値の創出出来るか否かが今(現代)のビジネスに問われている。
過去のビジネス展開における成功例・失敗例については詳細に触れられているが、価値創出の具体的手段迄は、まだ著者も試行中のご様子。読者の工夫に委ねられている。 -
おもしろかった。
世界はこのような場所に向かっているのだと、
私も思う。
内容としては「2011年新聞・テレビ消滅」とかぶっていて、おかしかったけれど。 -
フリーミアム戦略の基礎が記載されている
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350ページのハードカバー単行本。
通勤電車で読むにはちょっと辛いので、海外出張の機内で一気読み。
明快な論理と説得力十分の書きっぷりに舌を巻いた。
本書を手に取るまでは、今の時流にのったあまり良くない意味での”ノリノリ”の一冊だろうという勝手な印象をもっていたが、実はフリーという形態を活かしたビジ
ネスの歴史は長いということを丁寧に書いているところから始まる。
ここでまず好感度アップ。
そこから、テクノロジー(情報処理能力、記憶容量、通信帯域幅)の限界費用がどんどん下がっているネットと、フリーの関係へと展開する。
説得力十分でお見事。
途中引用する様々な例え話や、フレーズも興味深いものばかり。
米や小麦と違って、育てやすくタンパク質が豊富なトウモロコシを主食とする文化は、近隣の部族を頻繁に攻撃していたという「トウモロコシ経済」を例にした説明は至極明快。
さらに、その明快な例え話の中に「無料の本当の魅力は恐れと結びついている」なんていうフレーズが出てくるなど、読者のハートをがっちりつかむ術にも長けて
いる。この著者は本当に筆が立つ。
このフリーを活かして成功している企業の一つにグーグルがあるが、ヘタなグーグル本を読むより本書を読む方がグーグルのすごさがよく分かる。特に「注目経済」と「評判経済」から成る「非貨幣経済」について触れた第12章が象徴的。
それにしても、こういう本はやっぱりアメリカ発なんだな。 -
===引用ここから==
二一世紀の無料(フリー)は二〇世紀のそれとは違う。アトム(原子)からビット(情報)に移行するどこかで、私たちが理解していたはずの現象も変質したのだ。「フリー」は言葉の意味そのままに「無料で自由」であることとなった。
===引用ここまで===
「アトム(原子)からビット(情報)に移行」。このくだりが大好きなのです。
本著では、IT技術の飛躍的な革新により、モノの価値を図る概念の変化が起きた結果、経済活動(”稀少な資源をめぐる選択“と呼べる)の在り方を変える必要性を説きます。
巻末付録では、フリービジネスを以下の3つに大別し、50個の例を挙げています。
フリーその1。直接的内部相互補助(例えば、製品は無料・サービスは有料。その逆も然り。サンプル配布、駐車無料など)
フリーその2。三者間市場あるいは市場の“二面性”(ある顧客グループが別の顧客グループの費用を補う)
フリーその3。フリーミアム(一部の有料顧客が他の顧客の無料分を負担する)
また「無料のルール」として、以下10個の原則にまとめています。
1. デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる
2. アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない
3. フリーは止まらない
4. フリーからもお金儲けはできる
5. 市場を再評価する
6. ゼロにする
7. 遅かれ早かれフリーと競いあうことになる
8. ムダを受け入れよう
9. フリーは別のものの価値を高める
10. 稀少なものではなく、潤沢なものを管理しよう
顧客からお金や時間を確保するために、古典的な広告収入やキックバック、無料サンプル、アイテム課金などあらゆるビジネススキームが開発され、我々の生活に浸透している事実を再認識しました。
一つ一つのビジネスがどう成り立っているか図式化すると、なるほどこんな方法で儲けることができるのか、と驚くものが多くあります。柔軟で、目先のキャッシュにとらわれない思考が求められますね。豊富な資源によりリスクが低下されている現実を再認識し、まず挑戦してみて早めに失敗してみることが重要ですね。 -
音楽の世界では不正コピーが蔓延しています。楽曲がPCにより複製可能であり、データ配信により無尽蔵に配信できる以上(合法違法を問わず)、いつかはタダ同然になる日が来るでしょう。
そんな時、アーティストたちはどのようにして収入を上げるのか?「コンサートを開いたり、企業のプロモータにになって稼ぐ」そうです。 つまり、その人がその瞬間にしか表現できないものについてのみ収入とするわけです。
また、不正コピーには、自分を不特定多数の人に知ってもらえるというメリットもあります。つまり、不正コピーは最高のマーケティング担当者にもなるわけです。
本書も期間限定でしたが無料で配信されていました。ただし、著者から直接言本書に関する話を聞くためには、講演などに行って、「有料」で対応する必要があります。本書についての一番の語り手は著者であり、著者は唯一無二の存在であるから稀少価値が発生し、「お金を払ってでも直接話を聞きたい」となるわけです。「講演も配信にすればよい」との意見に対しては、「現地に行って同じ講演に来ている様々な人たちと生で意見交換ができるし、講演者に直接意見をぶつけることもできる」との主張により、その稀少性が一層増すように思います。
知財も一種のサービス業です。「明細書の作成はシステマチックになり、人が介在すべき箇所はクレームのみになる」と誰か(プログラマー出身の弁理士さんだったと思います)おっしゃていました。そうなれば私の仕事は減りますが、それに伴い食い扶持も圧倒的に減少します。
また、国外の代理人とコミュニケーションを取る際は国内の代理人を介して行っていますが、いずれそれもなくなるでしょう。企業側の人間が国外の知財法に関する知識を身に付け、英語等でのコミュニケーションを行えれば、国内代理人を通すメリットは薄まるからです。
自分が他人に提供できる価値は何でしょうか。現状での解の一つは「知識」です。相手がわからないことを知識をフルに使って遂行する。無形資産を扱う身としては、これが全てと言ってもいいのではないでしょうか。
もう一つのアイテムとして考えられるのが「人」です。情報の多様化によりニーズの多様化が劇的に進んでいます。そこで重要となるのが、各人にカスタマイズされたサービスです。画一的なものでなく、各人に適したサービスを提供することにより、自分の稀少価値が増し、「お金を払ってでもその人からサービスを受けたい」となるのではないでしょうか。
大きな組織にいると「個別的なサービス」という意識が薄らぎがちです。しかし、「株式会社自分」くらいの意気込みで望むべきだと思いました。 -
劇的に世の中を変えてきたWEBの世界を「タダ」というキーワードで切り取った本。著者はWIREDの有名な編集長だけあって、読み応えあります。
クリス・アンダーソンの一連のシリーズは、日本語訳が出るたびに、同じテーマの和書がフォロワーのように発行されるので影響力の強さは感じていたのですが、著者の本を読むのはこれが初めて。
現在進行形で発展しているフリーの世界を描くにあたり、歴史と背景の解説がとても丁寧で面白いこともすごいのですが、相当な批判が来ることも覚悟の上で発行されることに、アメリカ出版産業の底力を感じます。