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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784140884515
みんなの感想まとめ
歴史の深い理解を促す本書は、さまざまな歴史学者や民俗学者の主張を結びつけ、国際社会における紛争や経済、宗教の問題を解明します。特に、ヒストリエとゲシヒトという二つの視点を通じて、国家形成やナショナリズ...
感想・レビュー・書評
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歴史にはヒストリエ(年代記)とゲシヒト(民族の物語)がある。日本の教科書には後者がなく有事に対応できず外交で競り負ける主因である。《知の3巨人》、ベネディクト・アンダーソンは公定ナショナリズムにより国家は形成され(ただし君主自身も批判にさらされるリスクを負う)。アーネスト・ゲルナーは「ナショナリズムの運動があって、ナ‥の思想が生じる」と説いた(弾圧があってこそ独自国家希求)それはデラシネの民の発生した産業社会以降‥。アントニーDスミスは民族とは想像された共同体で「エトニ」過去にさかのぼって見出されるとする
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元外務省でロシアを担当していたので反米的な主張はまぁ仕方ないのかなと思いますが、中国をスルーしているあたりに著者の思想的なものが入りすぎてる印象を受けました。その点がちょっと残念な本だなという感想です。
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著名な歴史学者、民俗学者らの主張をつなぎ合わせるかたちで国際社会の紛争や経済、宗教上の問題・課題を読み解く一冊。世界史で学んだ過去やニュースで取り上げられる表層の事象が本書の解きほぐす土台、骨組みの上で起こっていると理解できる。
国際情勢の専門家として信頼する佐藤優さんが15年の出版当時、クリミア編入したロシアと、米国に現在も脈々と続く合理主義信奉のパワーバランスが第一次世界大戦直前に酷似していると本書で指摘(92%辺り)しているのが印象に残った。20年現在も米中間の対立が紛争に発展する可能性について警笛を鳴らしている。 -
世界史の概説本ではなく、現代の情勢を眺めるために過去の歴史を学ぶ必要性を訴えた本。筆者の主張は世界の歴史をアナロジカル(類似的)に見ることが重要ということ。それによればグローバル主義の行きついた現在は、アメリカの覇権が揺らぎ新たに台頭した国々が力をむき出しにする新帝国主義時代と言え、第一次世界大戦前夜と似たような空気感と評せるとのこと。確かにこの考察は面白いと思った。また、近代ナショナリズムは自然発生的なものではなく、上からの作用もありつつ、集団に共通する過去の物語が見いだされることで形成されるという論説の紹介や、原罪を持つキリスト教と違い、イスラム教は神を信じたとたんにすべてが正当化されるというのも興味深かった。
個々の現状評価には個人的には多少疑問を持つところもあるし、困難を回避するためにプレモダン(形而上学的価値と言っても良いか)を強調するところもどうかなと思わなくもないが、現状とこれからを考えていくのに刺激になる一冊だと思う。 -
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『知の巨人が選んだ世界の名著200』★3 -
【本の目標】歴史を過去との類比によって捉える力を磨く。最終目標は「戦争を回避する」こと。
(学校の勉強としての世界史の極意ではありません)
【結論】現在は「新帝国主義」であり、第1次世界大戦の前状況に近づいている。
私たちは「複数の歴史」があることを認識し、「見えない世界」へのセンスを磨く必要がある。
【概要】
① (過去)
資本主義が進むと国家と結び付き、金融資本が牛耳るようになる。蓄えられた金融資本は外国へ投資され、多国籍企業が生まれる。こうして経済的な強国が弱国を植民地的支配をしていく。帝国主義が生まれる。
帝国主義間の対立は世界大戦へ帰結する。
①'(現在)
ソ連(共産主義)崩壊により資本主義のブレーキがなくなった。資本主義が加速し、格差も拡大している中で新帝国主義が生まれている。
中国やアメリカなどの国際的強者の対立が始まっている。
②(過去)
百年戦争などにより中央集権が進む中で宗教改革が起こり、宗教より国家への帰属意識が強くなった。さらに、フランス革命とナポレオンによりナショナリズムによって強くなったフランスを各国が目の当たりにした。
国民国家は帝国主義下で国家の強化や格差で生まれた精神的な空白を埋めるためにナショナリズムを利用した。
ナショナリズムによる民族的対立が第1次世界大戦のバルカン半島の火種や昨今のウクライナ問題などへ繋がっている。
②'新帝国主義の基でアメリカが持つ合理主義が台頭している。そのため、格差の中で精神的な空白が生まれ、スコットランドやアイルランド、ウクライナ、沖縄など民族意識が高揚に端を発する問題が増えている。
一方でISなどイスラム過激派は精神的な空白を宗教的に乗り越えようとして原理主義のばらまきを行っている。
これらの問題はバルカン半島のように火種として各地で燻ることになる。
【どうしていく?】
日本としてはイギリスのように世界は多視点から見る必要があり、世界史は複数あることを徹底的に教えていく必要がある。
【その他】
恐慌が起こるサイクル(著者的に有力な説)
①モノが売れる ②労働力が求められる ③賃金が上昇 ④人件費が利益を圧迫 ⑤恐慌が起きる ⑥イノベーションで回復する
イスラム過激派の正体
①イスラム教は大きくスンニ派とシーア派がある
②スンニ派の中にハンバリー学派がある
③ハンバリー学派の中にワッハーブ派がある
④イスラム過激派は全てワッハーブ派である
つまり、イスラム過激派は極一部の小さな派閥にすぎない。それをイスラムやスンニ派のような大きなくくりで危険であるかのように扱ってはいけない。
マルクスの考える資本主義では賃金は三つの要素から決まると考える。
①労働者が生活する費用 ②労働者が家族を養う費用 ③労働者が自分を教育する費用
会社の利益に対して①~③以上の物は払う必要性がない。
サラリーマンの給料はなかなかあがらず、資本家が利益の分配を受けてさらに儲かる。
投資家が資本主義のルールの中ではどうしても強くなる。
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世界史はひとつではない。勝者から描いた歴史。敗者から描かれた歴史。そこにある事実をどのように捉えるか。相手の立場に立って考えるという想像力があれば最後の手段の戦争もなくすことが出来たのかもしれない。
宗教的な結び付きよりも民族的な繋がりが言われる時代。イギリスのブレグジットでヨーロッパが分断されていく時代。中国が経済的にも政治的にも巨大な力を得る時代。何だかんだで大変な世の中になってきたと思うけど、大きな歴史の流れで見たら決して楽な時代はないのだと思いました。 -
民族やナショナリズムの発生過程について、これまでの見方を覆す斬新な視点が提供されていて勉強になった。
民族は自然発生的に生じるものではないが、かと言って人工的に作られるものでもない。そこにはエトニが必要で、エトニの形成には共通語の存在が重要な役割を果たしている。これ以外にも3大宗教や資本主義の理について多くを学ぶことができた。
しかし本書の主題である、アナロジーによる歴史の把握はよく理解できなかった。歴史はsroryであり、『大きな物語』で捉える重要性は解る。ただ著者の主張は、2008年を境に新帝国主義の時代に入ったと言うものだが、米ソ冷戦時代を含めて大航海時代から常に帝国主義が続いているように思える。著者の定義によれば、帝国主義とは独占資本と国家が結託して経済支配力を地理的に広げていくことだが、こんなことはいつの時代もあったのでは?別に2008年になって急に再開したものじゃないと思う。
よく解らん。 -
現在の世界で何が起こっているのか、「資本主義と帝国主義」「民族とナショナリズム」「キリスト教とイスラム」の3つの視点を使って、過去の類似のケースと類比的に結びつけることによってそれを解き明かそうとの試みです。今までの歴史の何故について、いまいちど勉強し直せるほか、他の視点から見た歴史の存在もあり、それも知ることの必要性も学ぶことができます。
今の世界を知るために、何を勉強したら良いのか、その起点を知ることができます。 -
ビジネスパーソンの基礎教養の一つは世界史。
それは強力な武器になると。過去に起きたことのアナロジー(類比)によって、現在の出来事を考えるセンスが必要でたり、これをアナロジカルな視点で世界史を読み解くということ。
神学部出身の筆者ならではの、目に見えない神学的な考え方を取り入れ、それによって、現在起きているウクライナやスコットランドなどの独立の動きなども体系的に整理していて、目に鱗のはなしばかりであった。
新帝国主義なるものが、今の世の中を激動の時代に変える可能性があることを、どれだけの現代人が知っているのであろうか。
もっとたくさんのひとにこの本を読んでもらい、今起きている、一つ一つの出来事にそれぞれ向き合ってもらいたい。 -
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ここ最近の佐藤優さんの本の出版スピードがすごいですね。
池上さんの共著や手島さんの共著も気になりつつも、「世界史の・・」とタイトルにあったので、まずはこの本を読んでみました。
イスラム国やウクライナ情勢、スコットランドの独立運動など、現在の世界情勢への理解を助けるために知っておきたい世界史の話を宗教(特にキリスト教とイスラム)、ナショナリズム、資本主義と帝国主義の3つのテーマで書かれています。
佐藤氏は現在を「アナロジー的視点」で見ることが大事と言います。アナロジーとは「類比」。
で、この本は世界史を通して「アナロジー的視点」で今を見る訓練をする本だとのこと。今が歴史で言うどの状況に似ているのかを冷静に見極め、何をすべきかを考えるためのきっかけになる本です。
巻末には佐藤さんなりの答えがバッチリ書かれていたので、最後をパラパラめくらないで最初からじっくり読むことをお勧めします。
また、3つのテーマについてさらに深く勉強できるように文献紹介も載っています。これでさらに読みたい本が増えてしまうのよねwww -
資本主義と帝国主義、ナショナリズム、キリスト教とイスラム等我々が知っておくべきことを豊富な知識と、高い見地から解説してくれている。読んでおくべき本。
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世界史を単なる暗記で終わらせるのではなく、歴史をアナロジカルするための手段として利用することをトレーニングする内容となっている。
知識を実運用できるまで昇華して、そこで初めて本物の知識なり得ると胸に刻むことができた。世界史を学び続ける上で、個人的に良書となった。 -
第1章の多極化する世界はなんとなく雰囲気がわかった。第2章からのナショナリズム以降、難しかった。。。池上彰のパワーアップ版か?
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現在(出版時の10年前)の世界情勢を理解するために必要な歴史や宗教の事柄について、要点を絞って書いてある本
あまりにも世界史弱すぎて時事についていけないので読んだ
思ったよりわかりやすく書かれていたけど、世界史弱すぎるので理解度は1/3くらいかな -
覇権国家であるアメリカの凋落により、時代は新自由主義から新帝国主義へ突入していること等の分析がなされていて面白い。
歴史理解を深めることによって、現代のタフな世界情勢を乗り切る判断力、知性を身につけていこうということを述べる。
さらに理解を深めるため、この本で紹介されている本を数冊読み込んで行こうと思う。歴史とは何か、小説琉球処分等。 -
歴史をアナロジカルに捉える、ということにどれだけ近づけたかはまだまだとおもうが、おもしろかった。
一方的な見方や一つの側面でしか、報道などでは語られていないので気をつけたい -
「資本主義と帝国主義」「ナショナリズム」「キリスト教とイスラム」の3つのテーマとあるように多岐にわたっていて、理解できる個所とできない箇所が混在していた。昔一度読んだときは、理解が薄かった部分が、今回再読することで、より深まった感じがした。改めて、資本主義、ナショナリズム、宗教については、引き続き研鑽し続けていきたいと思った。
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論理学や哲学による表現で理屈っぽくストレスを感じる箇所もあった。
ウクライナとロシアの戦争への過程はイメージしづらく、義憤に駆られ、善悪で捉えて、思考終了としまいがちな問題である。しかし「イギリスとスコットランド」「日本と沖縄」とアナロジー(類推)で説明するところは外交官出身の著者ならではだと思う。
「外交」だけでなく「宗教」も強みで彼のライフワークであるキリスト教を軸とした宗教への研究に基づく、著者推奨の参考図書もありがたい。 -
本書は、神学者であり元外交官である佐藤優氏が、現在の世界情勢について世界史との類否(アナロジー)という観点で読み解こうとしている本です。
主に、民族問題と宗教紛争という著者の得意分野と、それに繋がる世界の多極化について説明しています。
なお、アナロジー的な思考を養うことにより、ビジネスにおける国際的センス・説明スキルを向上させることができる、とありますが、なかなか一読程度では難しい命題ですね。
【参考図書等】
・要説世界史、詳説世界史(山川出版社)
・資本論(マルクス)
・帝国主義論(ジョン・アトキンソン・ホブソン)
・資本主義の終焉と歴史の危機(水野和夫)
・想像の共同体(ベネディクト・アンダーソン)
・キリストと神話(ブルトマン)
・イスラム教入門(中村廣治郎)
【引用】
(著者はビジネスマンにとって世界史は重要な基礎教養のひとつと考えているがその理由は)世界史は強力な武器になるからです。
ヒト・モノ・カネが国境を越えてめまぐるしく移動する現在、ビジネスパーソンには国際的な感覚が求められています。そのためには、外国語を身につけるだけでは十分でありません。現下の国際情勢が、どのような歴史の積み重ねを経て成立しているのかを正確に認識し、状況を見通す必要がある。若いビジネスパーソンには、過去に起きたことのアナロジー(類比)によって、現在の出来事を考えるセンスが必要なのです。
大きなポイントは、自由主義の背後にはつねに覇権国家の存在があり、覇権国家が弱体化すると、帝国主義の時代が訪れるということです。
国家は、自己保存の機能を本質的に持っています。自己保存のためには、暴力を行使することも厭いません。
グローバル経済が浸透した結果、先進国の国内では格差が拡大し、賃金も下がっていく。それは社会不安につながります。国内で社会不安が増大するとき、国家は国家機能を強化する。その意味で、グローバル化の果てに訪れる帝国主義の時代に、国家機能が強化されるのは必然といえるでしょう。
自由貿易という普遍的システムのなかで、アジア太平洋地域という限定された領域にTPPという特別のゲームのルールを適用させるという発想自体が、広域を単位とする保護主義だと考えたほうがいいでしょう。
(金融資本主義による貧困や社会不安に対する対策として行われた施策について)ファシズムです。ファシズムとナチズムがまったく異なるものであることに注意してください。ナチズムは、アーリア人種の優越性というデタラメな人種神話でつくられた運動です。
それに対して、一九二〇年代にイタリアのムッソリーニが展開したファシズムは、共産主義革命を否定すると同時に、自由主義的資本主義がもたらした失業、貧困、格差などの社会問題を、国家が社会に介入することによって解決することを提唱しました。国家が積極的に雇用を確保し、所得の再分配をする。
「ファシスト=独裁政治」というのはまったくの筋違いで、「ファシスト=格差の改善のための雇用確保・所得再配分」なんですね。最近の新聞の論調や政治家・活動家の発言から勘違いしてました。
(沖縄は日本本土とちがう文化を持つ植民地だということについて)多くの日本人はこの違いに鈍感なため、沖縄も本土の延長上に考え、均質な日本人の一部だと考えてしまう。つまり、宗主国としての自覚をまったく欠いているのです。
あなたがいったい何者であるのかを決定づける最大の要素のひとつは、受け継がれてきた文化的遺産、すなわちあなたの歴史にあります。しかし、異なる人びとが異なる観点から同じ出来事を見たときに、はたして歴史は同じものであり続けるのでしょうか?
安直な超越性は、容易に人を殺します。その愚を避けるために、私たちは歴史をさかのぼり、プレモダンの思考ときちんと向き合う必要がある。
(第1次世界)大戦前夜、これから何かが起こる、しかし何が起きるかはわからないという不安な空気が蔓延していたようです。現在も、まさにそうではないでしょうか。先行き不透明で複雑な状況に時代は陥っています。
【内容:アマゾンから転記】
歴史はひとつではない!
著者初の世界史入門
ウクライナ危機、イスラム国、スコットランド問題……世界はどこに向かうのか。戦争の時代は繰り返されるのか。「資本主義」「ナショナリズム」「宗教」の3つの視点から、現在の世界を読み解くうえで必須の歴史的事象を厳選、明快に解説! 激動の2015年を見通すための世界史のレッスン。
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