- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140910030
作品紹介・あらすじ
哲学の道筋を辿り直し、実社会を変える方途として哲学を再興する。
感想・レビュー・書評
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対談本という体裁ですが、朝日カルチャーセンターで三回にわたっておこなわれた連続講義「哲学平らげ対談」がもとになっており、竹田と西がそれぞれのテーマに関して準備してきた内容を語るという仕方で議論が進められています。
テーマになっているのは、竹田の現象学・欲望論の基本的立場についての解説や、ポストモダン批判、分析哲学批判などですが、なかでも両者がもっとも力を込めているのは、デカルトからヘーゲルに至る近代哲学のなかに含まれた知恵を救い出し、現代に生かせていくような試みだといってよいと思います。
たがいの考え方から影響を受けあい長く共闘関係にある著者たちだけに、それぞれの意見をぶつけあうような展開はもちろん予想してはいませんでしたが、それにしても内輪褒めに終始している印象は拭えません。竹田のポストモダン批判は相変わらずですが、良質の哲学入門書を手がけることをみずからの役割と心得ているのではないかと思っていた西までもが、竹田や加藤典洋らの仕事を手放しで賞賛しているのには、少しがっかりしてしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デカルト以降の哲学の流れを大づかみに解説。
哲学に、現在の閉塞した日本・世界を救うヒントがあるように思えた。 -
近代以降の哲学ガイドとして非常に優秀な本。著者二人の対話形式で進むので、非常に読みやすい。ドイツ観念論とフッサールを非常に高く評価する二人の立場が極めて明確なので、内容が偏ってはいるが嫌な気分にはならない。古本屋で100円で買ったのが申し訳なく思える。
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現象学が私の価値観にマッチしているというだけなのか、どうか?
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¥105
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・フッサール・ヘーゲルの現象学についてだけではなく、
そこにいたるまでの哲学の歴史を概観してくれている
・これがもう非常に分かり易い!
(私の読むタイミングが良かっただけかもしれないが)
・できるだけ平易な言葉を使おうとしている
・教育の意味、誰もが社会のルールの中で
対等なゲームのプレーヤーとなるためのもの、
という考え方は「なるほど」と。
・ただ、いくら考え方が良くとも
それを机上の空論に終わらせないためにはどうすればよいのか。
理念のみの本なので、ただの理想論に感じてしまうかもしれない。 -
西洋哲学の哲学への取り組みを、歴史と共に
紐解いており、密度の濃い一冊だった。
後半は、哲学を如何にして現在社会に取り
入れるかを「自由」をキーワードに見事に
考察されていてまさに腑に落ちる内容だった。
ここからは、この本を読みながら個人的に
考えたことを記載。
↓
養老さんが提案している参勤交代。年の半分は
田舎ぐらしで自然に接し、残り半分は都会で
ITに触れる。
日野原さんが提案している老人と若者の交流。
老人の我慢強さ、若者の時代の流れを読むすごさ。
お互いいい意味で刺激し認め合う。
そう。これからの時代は
「中間」
がキーワードだと思う。
「中間」だとどっちつかず、優柔不断なイメージが
出てきそうだが、そうではない。
お互いの人格を認める柔軟な心のことを指している。
偏った心はいづれ争いを巻き起こす。
その柔軟な心を身につけるために、私は
「哲学」
することを進める。
「哲学」するってことは何も知識を詰め込むことでは
ない。柔軟な心を身につけてることで、ものごとの
本質を見ることだ。
「戦争っていったい何故起こるのだろうか?」
んー。漠然としている。
だったら身近なところで、
「何故、交通渋滞に巻き込まれたらいらいら
するのだろうか?」
がむしゃらに行動することももちろん大事だ。でも
たまには立ち止まって、哲学してみたはどうだろうか?