母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか (NHKブックス)

著者 :
  • NHK出版
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140911112

感想・レビュー・書評

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  • 母親がうっとおしいと思い立ったときに読む本。わたしの悩みを多面的に解説してくれた。

  • ちょうどディズニー「塔の上のラプンツェル」をみたタイミングで読めて良かった。
    ラプンツェルの髪で母親が生きている、というのが、母娘の身体性の共有を表しているというのが明らか。
    自己の投影…とか、母が娘を縛るやり口に関しては知られていても、縛らざるをえないことに関する精神分析からの論は初めて読んで、すこしスッキリした。

  • 暗示的にも明示的にも同一化を要求して断ちがたい結びつき・縛りを形成する母娘関係を「プラトニックな近親相姦」というのは一見過激に思えるが、きちんと読むといろいろと自分が見聞きした実態とも符合してふにおちる。

  • 結構なスピードで読めた。
    女性が読むとドキリとする部分がきっとあるはず。

    母と娘という関係の複雑さ・・
    普段は感じていないであろう「支配する」「支配される」感を
    読んでみて初めて感じました。
    母親の自分に対する態度と男兄弟に対する態度の
    微妙な違いの理由もなんとなく分かった気がした。

    最後の方に父親に読んで欲しいと書いてあったけど、
    多分読んでもイマイチぴんとこないだろうし、
    自分の家庭とは無関係って思ってしまうような気がする。

  • 367.3

  • 2013年112冊目

  • 思い当たる節多々。おそろしやおそろしや。逃れられない。

  • タイトルがすごく良い。
    「母と娘」という関係性だからこそ生まれる諸々の呪縛を考えるにあたって、
    「同性であること」「密着性」「自己投影」「女性性」
    は、腑に落ちるポイントだった。
    身体感覚からくる同一視、というのは少しピンとこなかったけれど、
    隠微なコミュニケーション地獄という表現は好き。
    女性のほうがマゾヒスティック・コントロールに敏感である、という考えは『おおかみこどもの雨と雪』といった作品でも象徴的に描かれているのを思い出す(個人的には立場や性別によらない普遍的なものだとは思う)。

    結局この手の問題は、娘の側がまず呪縛の幻想から抜け出す必要があるのだろうな。

  • 読了しても、判ったような判らないような。結局、なにも解決しない。難しい問題である、と言い放たれて終わった感あり。筆者の立場は、私には、本質主義そのものでしかないような印象がある。その意味では、保守的な議論という印象。個人的な趣味だけれど、私はこういう議論は好まない。

  • 娘を過剰な期待で縛る母、彼氏や進路の選択に介入する母…娘は母を恨みつつ、なぜその呪縛から逃れられないのか?本書では、臨床ケース・事件報道・少女まんがなどを素材に、ひきこもり・摂食障害患者らの性差の分析を通して、女性特有の身体感覚や母性の強迫を精神分析的に考察し、母という存在が娘の身体に深く浸透しているがゆえに「母殺し」が困難であることを検証する。「自覚なき支配」への気づきと「自立」の重要性を説き、開かれた関係性に解決への希望を見出す、待望の母娘論。

    ------------------------

    母娘関係についてを専門としている人ではなく、摂食障害が専門の精神科医。そして、母娘関係の中において除外されてしまう、男性が著者。
    この本は読んでみてよかったと思えた。
    母娘関係に悩む全ての娘たちへ、そしてかつて娘だった母たちへ。それから、母と娘を持つ男性にもぜひ一読して頂きたい。

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著者プロフィール

斎藤環(さいとう・たまき) 精神科医。筑波大学医学医療系社会精神保健学・教授。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)共同代表。著書に『社会的ひきこもり』『生き延びるためのラカン』『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』『コロナ・アンビバレンスの憂鬱』ほか多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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