母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか (NHKブックス)

著者 :
  • NHK出版
3.53
  • (25)
  • (62)
  • (53)
  • (8)
  • (10)
本棚登録 : 569
感想 : 57
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140911112

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 母娘関係は母息子・父息子・父娘のいずれとも違う、複雑さをはらんでいる。
    いったいなぜか?

    伊藤聡さんのブラック・スワン評で紹介されていたので読んだ。
    http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20110515
    (母娘関係に関心をもってこの本を手に取った伊藤さんはすごいと思う。
    著者も「まず何よりも父親に読んでもらいたい」としているし、もっと男性の感想も聞いてみたい。)

    先行研究や少女まんが、映画から論点がたくさん紹介されていて勉強になりました。
    そもそも女性性とは何か、特に、女性性と身体性のつながりは意識したことがなかったので目から鱗でした。

  • 母娘って…

    ブックガイドとしても最高★

  • 立ち読み:2010/3/21

  • 女性性に対する社会的な抑圧、身体機能から生じる抑圧、同性故の複雑な関係が息子による父殺し以上に問題を難しくさせる。離れて自立したら解決かと思ったけどインナーマザーとか...ことはそう簡単じゃなさそう。

  • 図書館で借りる。

    母と娘の関係について
    考えさせられた。

  • [ 内容 ]
    娘を過剰な期待で縛る母、彼氏や進路の選択に介入する母…娘は母を恨みつつ、なぜその呪縛から逃れられないのか?
    本書では、臨床ケース・事件報道・少女まんがなどを素材に、ひきこもり・摂食障害患者らの性差の分析を通して、女性特有の身体感覚や母性の強迫を精神分析的に考察し、母という存在が娘の身体に深く浸透しているがゆえに「母殺し」が困難であることを検証する。
    「自覚なき支配」への気づきと「自立」の重要性を説き、開かれた関係性に解決への希望を見出す、待望の母娘論。

    [ 目次 ]
    序章 なぜ「母殺し」は難しいのか
    第1章 母と娘は戦っている
    第2章 母の呪縛の正体をさぐる
    第3章 女性ゆえの困難について
    第4章 身体の共有から意識の共有へ
    終章 関係性の回復のために

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • タイトルを見た瞬間これが読みたかったんだと思わされた。
    愛情がないわけじゃない、むしろ愛しているからこその「呪縛」。
    自分の人生の過ちを繰り返させることのないように、同じ轍を踏ませないようにという母の切なる願いは、度を過ぎればやがて娘の人生を支配していく。

    20歳になるまでには読了しないと…

  • 女性、そして同性同士の親子関係の特異さ・恐ろしいほどの難しさ、娘が母親の存在にいかにその後の一生を支配されるかということを極めて冷静に記述した本。
    これという解決策がないのもまた恐ろしい。母との関係性のカラクリを知っただけでもよしか。
    印象に残ったのは、女は自分の身体を“空虚な容れもの”と感じ、身体性に関する葛藤が男性に比べてとても強いというくだり。
    確かに自分という存在が、メンテナンスのややこしい身体という容れものにすっぽり収まって出られないでいるというようなことはよく感じてきたなあ。
    心理学上の専門用語がさらさら登場するので、予備知識がないと中盤は少し読みづらいかも。
    女性性男性性のちがい、親子関係の特異さを知るにはなかなかの良書かと思います。

  • 思春期ポストモダンの内容は実によかったし、文章も読みやすかったんだけどなあ……
    筆者の姿勢は好きです。でも、書かれていることが感覚的にわからない。たぶん男性目線で論理的に母娘間にある何かを解き明かそうとしているからだと思います。個人的に残念。

  • 漫画や創作物の引用が多いので、ちょっとそこのあたりがわかりにくかった。女性にはいろいろと納得できる点が多々あると思う。そういう意味で男性が呼んだ方が面白いかもしれない。個人的には女性性の嫌なところが目に付いてしまい、読後感があまり好きではない。

全57件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

斎藤環(さいとう・たまき) 精神科医。筑波大学医学医療系社会精神保健学・教授。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)共同代表。著書に『社会的ひきこもり』『生き延びるためのラカン』『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』『コロナ・アンビバレンスの憂鬱』ほか多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斎藤環の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×