NHK出版 学びのきほん くらしのための料理学 (教養・文化シリーズ NHK出版学びのきほん)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784144072673

感想・レビュー・書評

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  • 一汁一菜でよいという提案の真意を知ることができた1冊。
    震えました。
    穏やかなのに、圧倒的に力強い。
    #Campion食堂
    #土井善晴の和食
    #土井善晴
    #学びのきほん

  • 基本の書です。

    2024/04/25  更新

  • 日々の食事はご飯と具沢山の味噌汁でいいんです。

  • 「その道40年、集大成にして入門の書。

    私たちの一番身近にある「料理」。生きていくうえで欠かせないからこそ、毎日の食事を作ることにプレッシャーや負担を感じてしまう。しかし、料理の「そもそも」を知り、暮らしの意義と構造を知ることができれば、要領よく、力を抜いて「ちゃんとできる」ようになる。日本人は料理を、どのように捉えてきたのか。古来より受け継がれてきた美意識や自然観、西洋との比較などを通して私たちと料理との関係性をひもとく。料理を通して見えてくる「持続可能なしあわせ」「心地よく生きていくための道筋」とは何か。NHK「きょうの料理」でもおなじみの著者が、いまの日本の料理のあり方を考え抜いた末に提示する、料理と暮らしの新しいきほん。」

  • "ふつう"とはいつも違うこと。移ろうことが自然。食材という自然や、人間という自然、社会というものは、常に変化するもの。だから食事の場はいつも違う同じなんてない、それがふつう。
    日常はふつうでいいのです。
    きれいにすること。お膳を整えて、場をきれいにする。
    食事の場をきれいに整える。簡単な料理をゆっくり作って、ゆっくり食べる。1人のときも。

  • 料理は頑張ったりちゃんとしなきゃ!と思わなくていいもので、ただきれいに美しく整えるだけでも料理の一部になる。

  • 料理がつらいと常々思っていた。

    家族の好物に合わせれば、自分の胃腸の調子が悪くなり、腹が張り、屁が臭くなり、便秘になり、私の機嫌が悪くなる。
    逆に自分の胃腸に合わせれば、家族の箸が止まる。
    なんで食べてくれないの〜!と、そっちはそっちで私の気分が悪くなる。

    自分で調味料を混ぜた麻婆豆腐より、レトルト方が喜ばれるし、ちゃんとしてない気がして達成感がない。
    旦那は、平日のなんもない日にステーキを食おうとする。
    外食に行くと、食べたいものよりコスパを考えるようになってしまった。

    なんか、料理を作る、料理を食べることについて、色々モヤモヤしてたのだ。

    この本を読み、ケハレの考え方を知り、ちょっと心が楽になったし、
    我が家の厨房と、私の腸内環境を操るのは私しかできないのだと気付かされた。

    今後は「今日の献立地味ー」と言われても、「今日はケの日なの!」と言いきろうと思う。

    以下は備忘
    ・とはいえ、著者提案の一汁一菜だと流石に家族にブーブー言われそうなので、左に茶碗、右に汁椀。家族の好みのおかずを一品。あとは果物を毎食1つ。
    ・土日にまとめて月、火までのおかずを作り、水、木のおかずは冷凍する。一品は外食などのおかずで力を抜く。冷凍や既製品をちゃんとしてないと思わない。力を抜いてるだけです!!!
    ・とはいっても目の間の家族が美味しそうに食べる姿をみたいので、それだけで米や酒が進むようなうまい汁を7種類作れるようになる。(2023年の目標)
    ・ハレの日を楽しむ。映えとか、コスパとか、栄養は気にせず、四季や風土をを楽しむ献立にする。

    土井さんの真意を相当自己流に読んでしまった感がすごいが、一読目の感想は以上です。また読もう。





  • 育児に家事、と忙しい。
    忙しいけれど、0歳の尊い子どもと大切な夫のために丁寧に、おいしいご飯をつくりたい。
    そんな時に出会った一汁一菜という言葉。今はiPhoneの予測変換でも一発で出るくらいポピュラーとなった言葉。そんな言葉を世に解き放った土井先生の本。

    ★心に残ったフレーズ
    ・料理をしたいという欲求は、人間の身体に備わった、ものを作るという造形本能の起源
    ・料理する人の気持ちが家庭の環境を作り、その気持ちが家族に細やかに影響する
    ・家のご飯は安らぎであり、自分を取り戻す時間でもある
    ・手抜きなんて言葉を使って自分や家族を傷つけて欲しくない
    ・手を抜くのではなく、要領よくやる、力を抜く

  • アニミズム・わびさびはウチの台所にあふれている。

    家庭料理の精神性を人々に気づかせたことが、土井善晴先生の、そしてこの本の偉業だと思います。
    誰がつくっても美味しいレシピや、時短料理術、目新しい調理法などといったテクニック以外の部分である精神や思想。アニミズムやわびさび等といった日本の自然や文化と、かたや生活感満載の「ウチの台所」が直結するなんて今まで思いもしなかった。そういった高尚な考えはプロの世界、懐石料理や料亭の板前さんのもので、家庭料理とは無縁だと。

    家事に追われる人は「そんなことより実用的な調理法をおしえてよ」と普通は思うのでしょうが、「でも土井センセが言うてはるんやから」と振り向かせるだけの親しみやすさが土井先生の強みです。

    季節や風土、わびさびを感じながら、手間をかけず素材そのものを生かして食べること。キレイに整えた状態で食べること。料理をつくって食べるまでの行為全体を通して感じる「心の気持ちよさ」のあとに、「味覚の気持ちよさ」すなわち「おいしさ」はやってくるのかもしれないなと思いました。

    土井先生の言説からあらたな気づきもありました。
    肉は、繊細な和食文化では扱いきれないほどに快楽的なうまみがあり、それを禁じなければ和食文化は持続できなかった、ということ。
    素材をいかすのであれば、味は「うけとる」ほかなく、むやみにコントロールできることではない、ということ。
    なるほどなと思いました。

  • こういう分野もあるんだ、って感じ。だからといって、自分で料理をしたいと思うでなく、食に対する興味も読前後で横ばいなんだけど。シリーズにしては珍しく、巻末に参考図書の提示が無いんだけど、ってことは、自身で確立した部分の多い学問ってことですわな。それについては凄いな、と。

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著者プロフィール

1957年大阪生まれ。料理研究家。十文字学園女子大学特別招聘教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、甲子園大学客員教授。スイス・フランスでフランス料理、味

土井善晴の作品

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