間にあった殺人 (ハヤカワ・ミステリ 295)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150002954

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  • イギリスの作家エリザベス・フェラーズの長篇ミステリ作品『間にあった殺人(原題:Murder in Time)』を読みました。
    『私が見たと蝿は言う』に続き、エリザベス・フェラーズの作品です。

    -----story-------------
    南仏の古い港市ニース……そこでは、今日も、今をときめく政界の勢力家オーティ代議士の主催するパーティが開かれていた。
    今日のそれは、スペインの旧家バルボサ家の令嬢アンナと彼の結婚披露宴だった。
    だが……招待状を手にした八人の男女は、一様に、奇妙な表情を浮かべて眉をしかめた。
    イギリス新本格派のホープ、フェラーズの作品全体を特徴づける怪異趣味にみちた傑作である。
    -----------------------

    1953年(昭和28年)に刊行された作品……小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしく、心ときめく装丁のハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版で読みました、、、

    1956年(昭和31年)の翻訳なので、古い仮名遣いや漢字が使われていますが、これはこれで雰囲気があって良いですね。

    8人の男女が、南仏の港町ニースで開かれる婚約披露宴に招待された……実に危険な企みが隠されているとも知らずに! フェラーズ女史独特の怪奇趣味が全編にあふれる佳作。

    セアラ・ウイングは、交通事故を装った殺人と思われる事件を目撃した直後、偶然、第二次世界大戦中に世話になったマーク・オティと再会……ニースで開催される彼の結婚披露パーティに招待され、他の招待客8人とともにサリイにある彼の自宅に集合する、、、

    そこでセアラはマークから、自分は命を狙われており、招待した8人の客の中に犯人がいるはずと告げる。

    その後、マークが何者かに刺殺されるが、目撃者の証言に違和感があったり、複数の人物が自らの犯行と名乗り出たり……複数の人物が、自分や自分の愛する人を護ろうとして微妙な嘘をついているという展開は、アガサ・クリスティ作品っぽい雰囲気を漂わせていましたね、、、

    タイトルも絶妙……自分たちを護るために、何とか「間に合った」殺人でした。

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著者プロフィール

本名モーナ・ドリス・マクタガート。別名義にE.X.フェラーズ。1907年、ミャンマー、ヤンゴン生まれ。6歳の頃、英国へ移住し、ロンドン大学でジャーナリズムを専攻。1930年代にモーナ・マクタガート名義の普通小説で作家デビューし、ミステリ作家としては、「その死者の名は」(40)が処女作となる。英国推理作家協会(CWA)の創設メンバーとしてミステリの普及に尽力し、1977年にはCWA会長を務めた。代表作に「猿来たりなば」(42)、「カクテルパーティー」(55)など。95年死去。

「2020年 『亀は死を招く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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