黒い山 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1828)

  • 早川書房
3.17
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150018283

感想・レビュー・書評

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  • 冒険だ!
    ウルフが、ものすごく活動的だ!アーチーもビックリ!
    ウルフをそうさせたのには、勿論理由がある。
    そうじゃなければ、あのウルフが、冒険活劇のような事をする訳がない(と思う。)
    過去作にもちょこちょこ登場している友人のマルコが・・・
    そして、仲睦まじいとは言わないが、義理の親子関係のカルラが・・・
    真相解明・犯人確保のために、アーチー引き連れてモンテネグロに潜入するぞ!
    潜入の為に、親子設定になるの好き。
    でも、この潜入は、ある意味命がけ。
    フレッドとオリーは一旦契約終了言い渡されるし、
    ソールにはオフィスの仕事を任せて、
    弁護士パーカーには小切手にサインする権限与えて
    フリッツにラスターマンまかせて
    シオドアはまぁ蘭の事はもともとまかせてるようなもんだけど
    ここまでしていかなくちゃいけない訳だったんよね。
    パーカーは弁護士だからあれだけど、本当にソールは信頼されてんだなぁ~と、ソール推しの私はちょっと嬉しい。あ、もちろん、一番の推しはアーチーなんですけれども。
    見送りの時のフリッツとシオドアがなんとも・・・

    ウルフ、活動的だけど、足痛いとかブツブツ文句も言うぞw
    アーチー、言葉がわかんないからちょっと大人しいぞw
    だけど、あの巨体が、狭い所を静かに移動するとか、それだけですごい。

    政治的背景には疎いので、ちょこちょこ調べものしながら読みました。
    なにやら、色々、暗喩されてんのかなと思いつつ。

    最後の最後まで、活躍したウルフでありました。
    こんなウルフ、貴重だ。

  • 特徴のある 話し言葉の 翻訳文体。

  • これがネロ・ウルフものか。意外すぎてこれと言った感想が浮かばない。ウルフもアーチーもそれぞれのキャラの特長が生かされていなかった。ミステリではなかった。

  • ネロウルフ!
    このシリーズ好き!!

  •  引用文に挙げた、ネロウルフの言葉が気に入っている。まさにその通り、話題の相手がいない時に、その相手に対しどういう態度を取って語るのかというのは非常に重要なこと。いる時、いない時、その二つが異なっているならば、欺いていることになるし、態度を変えないネロウルフの人間としての格の高さが伺える一文だ。
     この一冊ではそのネロウルフも弱いところをさらけ出す羽目になっている。

  •  名探偵ネロ・ウルフといえば、贅を尽くした屋敷に住み一歩も外出せず(出不精でありデブであるから)、高価なランを栽培し、お抱えコックの作る美食に舌鼓をうち、愚痴をまくし立てる助手を手足のようにこき使いながら自分は頭脳に徹する変人である。僕のイメージはそうだし、おおむねそういう感じで捉えるのが一般的ではないだろうか。で、そういうウルフのわがままさは、振り回される助手であり語り手であるアーチーのユーモラスな「トホホ口調」と相まってなかなか魅力的なものなのである。

     ところが本作においては、ウルフはまさにスパイというか冒険活劇の主人公のように東ヨーロッパの危険地帯を行く(冷戦中の話である)。ナイフを使った立ち回りまでやる。頭脳は、推理と言うよりも、相手をうまくだまして自分の身を守るために使う。そういう意味では、あんまり本格ミステリを読んだ気がしない。冗談抜きに、アレステア・マクリーンを思い出してしまった。実際に若い頃のウルフは、こういう政治的危険地帯の中でレジスタンス的な戦士でもあったようで、それはまあそれでいいのだが、僕の頭の中にあるウルフの肉体と、なかなか一致してこなくて困った。

     ただ、アーチーのぼやいているような語り口も、ウルフのわがままも健在。二人の関係もいつも通り微妙で楽しい。何よりも、ウルフの持つ不屈の正義感のようなものがはっきりと表に出ていて、実はかなり感動的であったりもするのである。
    2009/10/28

  • ウルフ動く!
    いや、文字通りに。いつもの快適な住まいをあとにして、生まれ故郷に親友と幼女を殺した犯人を捜しに赴く。
    それだけでいつもと毛色の違った作品になっている。
    ぶつくさ言いながら巨体を引きずるウルフに苦笑。どちらかといえば推理よりもスパイもので、なのにウルフは上記の通り、同行したアーチーは言葉の壁がありスピード感、緊迫感に乏しいのは否めない。
    ウルフの口先だけで事件が片付いた印象もあり。異色作っちゃあ異色作なんだろうけど…。
    ラスト。
    ウルフの狙いが外れてしまうあたりは、この小説を読んだ人へのご褒美なんだろう。アーチーの一言がよかった。

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著者プロフィール

本名レックス・トッドハンター・スタウト。1886年、アメリカ、インディアナ州ノーブルズヴィル生まれ。数多くの職を経て専業作家となり、58年にはアメリカ探偵作家クラブの会長を務めた。59年にアメリカ探偵作家クラブ巨匠賞、69年には英国推理作家協会シルバー・ダガー賞を受賞している。1975年死去。

「2024年 『母親探し』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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