闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF 252)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150102524

感想・レビュー・書評

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  • 難しかった。ゆったりと流れる時間の中で読んだらよかった。いや、それはそれで寒くてしんどいかもしれない。
    ゲセン人が両性具有であることの社会学的な洞察が期待していた感じではなかったかなぁ。性欲がよりシステマティックで情動と呼ばれるよりは大人しいのであれば、例えば芸術はどのような発展を遂げているのかしら

  • 初のル・グイン作品
    造語が多いこと、季節の巡りや名前が地球と全然異なること、
    両性具有によって成り立つ独特の文化があること
    などなどに阻まれてなかなか読み進めるのが難しかったです(何度も寝落ちした)
    特に主人公二人の心理的なやり取りは理解するのが難しかったように感じました。
    一読では理解できない部分も多々あったので、機会があれば再読に挑戦したいです

  • んー、これは、しばらく本格的なSFから離れてた身としては、ちょっと難しかった。

    非常に興味深い設定ながら、それを理解して入り込むまで時間がかかり、人の名前とか関係性もなかなか把握できず、ナニナニ?と行きつ戻りつ。
    字面を目が滑ってしまう章もあり、結局良く判らないまま終わったけど、途中で放棄もできない何かがあり、、、。

    かなり前の作品だというのが、改めて驚き。

  • The story follows an envoy of the Ekumen, Genly Ai, a male protagonist from Terra. His mission is to persuade the nation of Gethen to join the Ekumen, though cultural barriers prevent him from doing so.

    For one, the people of Gethen are completely gender-less; they are neither "male" or "female". The concept of sex is an integral part of this novel, as seen through the interactions between Genly and Estraven. Despite fixed gender identity, Genly and Estraven form a strong, loving relationship through many obstacles they face together, but one that does not necessarily equal to romance. What's a relationship without a particular categorization or a purpose? It leaves the reader questioning about our existence - how do we define ourselves as a human being?

    I found this idea extremely relevant to today's society as "feminism" and "sexism" are becoming hot topics in our day to day conversations. But what do we essentially want to accomplish? And where do we draw the lines between gender equality vs gender absence? The question remain unclear and uncertain, but it gives a slight preview on what the world could look like if we removed gender roles out of our system.

  • 解説を少し読んでゲド戦記の作者だったこと、そして女性だったことに気づく。

    本書の舞台は非常に寒く、気候が厳しい惑星“冬”であり、その舞台設定だけでも興味がそそられるが、そこに住む異星人は両性具有という特徴を持つ。
    このゲセン人の特徴による社会には、著者の女性ならではの感覚が反映されており興味深く、気づかされる部分もあった。
    繁殖期(?)には女性にも男性にもなりうるため、直前まで伴侶と自分「どちらが妊娠するか分からない」ことで、妊娠・出産、子育てに対する性的な差別感覚がないことや、
    繁殖期以外では第二次成長期前の子供のような性的状態に戻る(= 性からくる身体の変調から解放される)という発想は、現代でも(というより現代だからこそ)考えさせられる性別に関するテーマのように思われる。

  • 後半の旅のための前振りが前半と思う。
    が、その前半が退屈、背景を理解覚えるのが大変。
    旅の話は三分の一くらいらしいが、この部分は読める。
    解説によると、この話はハイニッシュユニバースに含まれるとのこと。同じ設定で、他の年代の話があるらしい。アシモフさんのロボットものみたいなのか。
    この作者さん、ゲド戦記書いた方だそう。

  • 地球からの使節アイと冬と呼ばれる惑星の住人エストラーベンの物語。なかなか冬の気候や生態系が理解できず苦しんだが、後半は2人の友情が芽生える設定は前半での説明による伏線を回収しつつ、面白かった。
    惑星が違えば、人の在り方も変わるのだが、それを当たり前と捉えることが難しく、自身の頭の固さを認識させられた。
    惑星冬の生態系はよく考えられていると思う。惑星の神話の話もあり、興味深かった。

  • 造語の雪崩に頭がかき乱されること間違いなしのファンタジー小説。一気に読むか、毎回新語が出るたびにメモを取らないとわけわからなくこと請け合い。
    男女の区別がない星に大使として主人公が乗り込む話。今だと割とありがちな設定かもしれない(主にBLとかで)。
    ちょくちょくヒッピー文化っぽい描写があるのは書かれた年代のせいだろうか。現実の社会的な背景を意識しながら読むと面白いと思う。エンタメ的にはあんまり・・・。

  • 図書館で借りた昭和52年版の文庫なので表紙がこれじゃなくておじさんのやつです。おじさん、いかつい。なんというかイメージが…。あと、よくこんな小さい字の本読んでたな…。
    ええと、ゲド戦記しか読んでないんですが、ル・グウィンの凄さにひれ伏した。トールキンと同じく世界の作りこみが緻密すぎて、言語から歴史、神話までが背景にあるもんで、読んでるとこれが架空の世界だってことを忘れるんですよね。へんな感じだ。まるで淡々としたノンフィクション旅行記を読んでるみたいな感覚になるときあるもん。

    物語は、使節としてある惑星に降り立った主人公が、そこで政治闘争に巻き込まれて、逃避行をする羽目に、っていうのがおおまかな筋。
    大きな特徴なのが、この惑星の住人が両性具有ってところ。フェミニズム的な角度からも考察できそうなんだけど、とりあえず女である自分からすればこれは純粋にちょっと羨ましかった。地球では性別によって人生の多くのことが決まるけど、この世界ではそれがない。
    最後の最後に迎えに来た母船から女性が出てきたときに主人公が違和感を感じるんだけど、読んでるこっちも同じ感覚になった。
    この惑星自体が植民地で、この両性具有の人類は実験で作られたっぽい、って途中でわかるんだけど、その仕掛けにもふおお、ってなった。
    後半は主人公が惑星で出会った友人と寒い寒い氷原をひたすら強行軍する。二人で81日間、お互い以外なにもない世界。そこから浮かび上がってくるさまざま。

    作品自体は架空の固有名詞とか架空の単語とかが容赦なくばんばん出てくるのでそれに引っかかっちゃうと結構大変…。でもそこをあんまり気にせず先を読んでいくと、単語の概念とかもちゃんとわかるようになってるのでいける。
    物語全体の流れと、挿入される神話や伝説も面白いので意外にぐいぐい読めてしまった。さすが。
    でも一度読んだだけじゃこの壮大なテーマの全部は理解できてないんだろうなあ。
    巻末についてる惑星ゲセンの設定資料集みたいなの見てびびった。作家の想像力って偉大だ。

    …ヌスス(言いたかっただけ)。

  • 何故か読むと眠くなるため、毎日寝る前に読んでいた。雪原の逃避行の部分は退屈だった。

  • ゲセン人の性格が掴みづらかった。

  • 文化人類学の影響を感じる宇宙ファンタジー。途中でウラのウラを読んで結末を予想したものの、予想以上に素直な結末を迎えた。3D映画としてヒットしたアバターはこれの影響を受けているような気がする。

  • そんなに派手さのあるストーリーではなくて、気がついたら読み終わってた。使節としてやってきた主人公と、その星の住人の一人であるエストラーベンとの心の交流がこの作品の軸なんだけど、そこにあまり感情移入出来ず

  • 昔読んだら共感できただろう。。使う言葉の種類は好き。

  • わかり合うこととは。希望のある作品。

    外交関係を結ぶため惑星ゲセンにやってきた、エクーメンの使節ゲンリー・アイの物語。ゲセンの人々は、発情期になると男性女性に分かれる両性具有の種族であり、その文化は我々人類と似ている部分もあるが、やはり大きく異なる。

    地球上でも異文化理解は難しい。ましてや、異星間理解となると、その困難たるや言わずもがなである。ゲンリー・アイも様々なトラブルに巻き込まれる。

  • 今となってはジブリのアニメ「ゲド戦記」の原作者としての方が有名な、アーシュラ・K・ル・グィン。「ゲド戦記」は一般的なジャンル分けではファンタジーに属する作品ですが、この「闇の左手」もひょっとしたらSFよりもファンタジーなのかも、いや、そもそもそうしたジャンル分け自体が無意味な作品なのかも、と鴨は思います。たぶんル・グィンにとっては、SFとかファンタジーといったジャンル分けは別にどうでも良くて、異世界に生きる人々の心情を丹念に描くことこそが重要なことなんじゃないかという気がします。この先何年か経って、ふと読み返したくなるような作品なのかもしれません。

    • diver0620さん
      こんにちは。
      僕は、この作品を読んでル・グインにはまりました。
      サイエンスっ気はまったくないですが、非常に印象深い作品ですよね。確かにまた読...
      こんにちは。
      僕は、この作品を読んでル・グインにはまりました。
      サイエンスっ気はまったくないですが、非常に印象深い作品ですよね。確かにまた読んでみようリストにはいっています。「所有せざる人々」もすばらしかったです。
      2012/02/16
    • ま鴨さん
      diver0620さん、
      コメントありがとうございます。「所有せざる人々」は未読です。そのうち読んでみたいですね。
      diver0620さん、
      コメントありがとうございます。「所有せざる人々」は未読です。そのうち読んでみたいですね。
      2012/03/11
  •  ゲンリー・アイとエストラーベンの心の交流を描くのであれば、遠い惑星<冬>まで行かなくても、アラスカとか北極が舞台でも十分、成り立つ小説ではないかと思った。
     ゲセン人の生殖のあり方には驚いたが、それ以外にには、地球人とすごく違うところがあるようには、感じられなかった。
    今の地球に、いろいろな人がいすぎるのかもしれませんが・・・。
     
     

  • 西の善き魔女5巻のサブタイトル、『西の善き魔女』その人であるル・グィンの作品ということで読んでみた。

    普段まったくSFを読まないせいか、世界観に入り込むのに時間がかかった。硬い翻訳文の影響もあるかも知れない。

    人称がすべて「彼」なので読んでいて「や」のような感覚になったり。

  • 闇の左手・・・題名だけで何が書いてあるんだろう?とドキドキ出来る。
    そんなル・グインは現代の語り部と・・・誰かが言ってましたなぁ。
    ちなみに、グインサーガ(栗本薫)のグインはこの人の名前から頂いたそうな。

  • ル・グインというと、これだよね、やっぱ。

著者プロフィール

アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula K. Le Guin)
1929年10月21日-2018年1月22日
ル=グウィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。
代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。
(2018年5月10日最終更新)

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