終りなき戦い (ハヤカワ文庫 SF 634)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150106348

感想・レビュー・書評

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  • ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞受賞作品。解説には、「『終わりなき戦い』はこのように政治色、モラルをのぞき、戦争とそれに従事する人間だけを描き出したものである。純粋に戦争と兵士だけを抽出して、抽象化できた作品―これは他の分野の小説ではできない。SFの効用の一つといっていいだろう」とある。

    ハッピーエンドなのかどうかは微妙。たぶん、戦いとは無意味なものですねという話。

  • 「画期的な新航法 "コラプサー・ジャンプ" の発見で、人類はその版図を一挙に拡大した。だがその進路に、突如異星人 "トーラン" が出現。この正体不明のエイリアンと人類は、ついに全面戦争に突入した! かくして特殊戦闘スーツに身を固めた戦士たちが辺境宇宙の戦地へと赴いたものの、戦況はいやがうえにも泥沼化していく…
    …俊英が壮絶な星間戦争を迫真の筆致で描き、ヒューゴー,ネビュラ両賞を受賞した傑作戦争SF!」

  • いつの間にか紛失していたので再購入

  • マスターピースだよなぁ。星間移動による地球との時間のズレが、戦争の虚しさを良く引き立てていたと思う。

  • だらだらと続く長い戦い。これが、ベトナム戦争なのだろう。タイトル通り。何のために戦うのか、それが分からなくなってしまうのが現代の戦争だと思った。

  • 古書購入

  • 【要約】


    【ノート】

  • 物語は1997年、マンデラが2週間の月面訓練から戻ってきたところから始まる。ラストは3143年。この間に主人公が経験した人類の異星人との1000年以上の戦いの歴史、ということになるのだが、光速を超えた移動、いわゆるウラシマ効果により、マンデラの体感経年としてはわずか数年である。1000年の間の科学の発展、地球の環境の変化と他惑星への移民、生殖の問題が物語に大きくかかわる。
    1997年の現実は、人類のほとんどは月面へは行けませんね。だけどこの内容のいくつかは、現実に起きそうな問題も描かれていると思う。数百年から千年後になって改めて取り上げられるような作品かもしれない。ちょっと重いので星1つ減。

  • 『〝人口の憎悪″ 以外、あまり感じないというわけです。実際に戦闘が始まっちまいますとね』

    本書は数世紀にも渡って繰り広げられた異星人との星間戦争の物語です。

    主人公は国連探検軍の兵士マンデラ。

    マンデラは過酷な訓練をこなしながら、千年以上にも及ぶ異星人トーランとの星間戦争『終わりなき戦い』に参加します。

    その作品で印象的だったのは『ウラシマ効果』と『異星人トーラン』の描き方です。

    異星人トーランとの星間戦争に参加したマンデラは戦地に向かう際のワープ航法の影響で地球の時間軸から切り離されます。
    それはアインシュタインの特殊相対性理論の一つ『ウラシマ効果』によるもので、光速に近づけば近づくほど時間の流れが遅くなるという理論です。

    マンデラは星間戦争から帰還する度に様変わりしている地球を見て驚きます。
    そこにはマンデラの知らない地球があり、マンデラの居場所はどこにも無いのです。
    星間戦争が唯一のマンデラの居場所になるのです。
    その心理描写はとても印象的です。

    異星人トーランは人類の敵でありながら、不気味なほど印象が薄く描かれています。
    戦闘描写はリアルで鬼気迫るものがありますが、トーランに関する情報は皆無に等しく、心理描写などは一切無いと言っても過言ではないくらいです。
    どうやら作者は敢えてトーランを描こうとしなかった様なのです。

    著者はベトナム戦争に従軍した経歴があり、本書はその経験を色濃く反映させた反戦小説として読めます。
    星間戦争はベトナム戦争に置き換えられ、帰還兵が本国で感じる疎外感と母国アメリカに対する不信感はマンデラが感じるものと同じ気がします。
    作中でマンデラが語る〝人口の憎悪″という言葉は胸に響きました。
    その言葉の裏には、大義のない戦争で犠牲になる若者の叫びが込められていると感じました。

    本書はもう一つのテーマとして性についても描かれています。当時のアメリカの文化であるフリーセッ○スの風習が反映されています。
    さらに年代が進むと〝性″に関する驚きの展開が待っています。

  • 宇宙戦記なんだけれど、イメージとして浮かぶのは「スターウォーズ」とかじゃなくて「キリングフィールド」や「グッドモーニングベトナム」。

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