故郷から10000光年 (ハヤカワ文庫 SF テ 3-4)

  • 早川書房
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本棚登録 : 462
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150109240

作品紹介・あらすじ

粒子加速研究所の大惨事が、地球を壊滅させ、ひとりの男を時間の乱流へと押し流した。だが男の意志は強かった。彼はおのれの足で失われた"故郷"へと歩いて帰るべく、遥かなる旅に出立したのだ-。「故郷へ歩いた男」ほか、ティプトリーの華麗なるキャリアの出発点である「セールスマンの誕生」、最高傑作と名高い「そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた」など、全15篇を収録するSFファン待望の第一短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 初期の作品を収めた短編集。最近、分かりやすいSF作品しか読んでいないせいか、とても難解だった。物語の背景というか、その世界に浸りたいのだが、拒まれているかのような感じがした。ジュンク堂にて復刻されたときに購入して今まで積読だったのを読んだのですが、まだまだ私は未熟者だったようです。数年後に読み返したら印象は変わるのだろうか、それとも私との相性が悪いだけなのか。読んだ印象は悪くないので、私の読解力を鍛えるしかないか。

  • 短編集面白いのもあるが分かりにくいのも多い
    表紙   4点上原 徹
    展開   5点1973年著作
    文章   5点
    内容 630点
    合計 644点

  • いやぁ疲れた。短篇であるにもかかわらず、読むのには気力と体力が必要な作家。それがジェイムズ・ティプトリー・ジュニア。本書の作者です。

    全15編を収録する本書は著者の第一短篇集。著者らしい作品もさることながら、スプラスティックないくつかの作品に新鮮味を感じました。初期にはこんな作品も残していたんだなぁ。ちょっと意外でした。
    とはいえ、収録作の大半が著者の初期に見られるあの「ついていくのが大変な」作品ばかり。こういった著者の内省が何の濾過もされることなく、紙に書き写された作品は、咀嚼するのに一苦労(というか、殆ど咀嚼できずにそのまま飲み込んでます…)。一方で、なんとか飲み込んでみると、著者の感性の片鱗をちょっとでも味わえたという達成感で満たされます。作品の真髄なんて、ほんとは良くわかってないんですが、この奇妙な達成感がティプトリーを好きになるひとつの理由でもあります。

    著者の本を読むと、「なんだか凄い作品に出会えたぞ」と思える作品にいくつか遭遇します。本書では次のとおり。どれもかっちょいいタイトルばかり!

    ・そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた
    ・愛しのママよ帰れ
    ・われらなりに、テラよ、奉じるはきみだけ
    ・故郷へ歩いた男
    ・ハドソン・ベイ毛布よ永遠に
    ・スイミング・プールが干上がるころ待ってるぜ
    ・ビームしておくれ、ふるさとへ

    見返してみると、やっぱり著者の中でも比較的読みやすい作品ばかり。なかでも、「そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた」や「われらなりに、テラよ、奉じるはきみだけ」は楽しめたなぁ。

  • 短編集。読みにくいのとそうでもない作品が混ざっていて、全体的についていくのが大変だった。どの短編も、望郷の思いが強く感じられて、題名がいちいちカッコイイ。「われらなりに、テラよ、奉じるはきみだけ」読了後にこの題名に戻ってくると、胸がぎゅっとする感じ。「故郷へ歩いた男」これは構成の妙だなー。切り口がすごい。「セールスマンの誕生」単純に面白かった。あえて省略に省略を重ねて疾走しているような話は本当に読みづらかったけど、他作品も読んでみたい。

  • 15 の短編を集めた作品集。
    難解なわけでも無いのだろうけれども、
    1 度読了後、しっくりと頭に入って来なかったので、
    そのまま 2 回目を読み始める。
    連続 2 回読みは滅多に無い事だ。
    故郷への思いが、大きく関わった短編集である。

    彼女の経歴、人生がかなり波乱に満ちていた様で、
    訳者である伊藤典夫氏があとがきに書いておられる
    ティプトリーの言葉「わたしの書くものはみんな実生活をもとにしている」。
    実に興味深い。

  • 丸善ジュンク堂書店限定復刊。
    予定に出た時期の割に刊行は遅れていたので、もう出ないんじゃないかと思っていたのだが、無事に出て良かった。旧版持ってるけど……。
    本書を読み返したのは久しぶりだが、今読んでも、まるで古さを感じないのは凄い。

  • SF。短編集。
    全体的にはむずかしい…。
    好きな作品は「苦痛志向」「ハドソン・ベイ毛布よ永遠に」「スイミング・プールが干上がるころ待ってるぜ」。
    「ハドソン・ベイ~」が特に読みやすくて、オチも分かりやすく好み。
    インパクトでは「苦痛志向」かな?
    というか、どの作品もタイトルがいちいちカッコいいですね。
    「われらなりに、テラよ、奉じるはきみだけ」「ビームしておくれ、ふるさとへ」とか。

  • >見据えるべきは小説であり、それがここにある。
    >確実な将来が約束された作家の第一短編集。
    >わたしは、たいへん楽しく読んだ。
    >あなたにも楽しく読んでいただけると思う。
    ──序文より


    この序文に相応しい一冊である。
    ただし、この年代のアメリカSFに多少親しんでいないとちょっと戸惑うかもしれない。

    タイトルの秀逸さは最高。
    短編集のタイトルであって、この名の作品がないのが残念です。

  • 故郷から10000光年 (ハヤカワ文庫SF)

  • 極めて初期の短篇集。
    たまに青い表現が残っているものの、ぐいぐい引っ張られ、あげく置いてきぼりにされるようなスピード感はすでに。
    人生も突っ走ったんだろうなぁ。

    異星間貿易の困難を描く『セールスマンの誕生』が面白かった。
    たいへん月並みな感想、想像力が豊かだなぁ!

    序文 ハリイ・ハリスン
    そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた And I Awoke and Found Me Here on the Cold Hill's Side
    雪はとけた、雪は消えた The Snows Are Melted, The Snows Are Gone
    ヴィヴィアンの安息 The Peacefulness of Vivyan 
    愛しのママよ帰れ Mamma Come Home (AKA "The Mother Ship")
    ピューパはなんでも知っている Help (AKA "Pupa Knows Best")
    苦痛志向 Painwise
    われらなりに、テラよ、奉じるのはきみだけ Faithful to Thee, Terra, in Our Fashion (AKA "Parimutuel Planet")
    ドアたちがあいさつする男 The Man Doors Said Hello To
    故郷へ歩いた男 The Man Who Walked Home
    ハドソン・ベイ毛布よ永遠に Forever to a Hudson Bay Blanket
    スイミング・プールが干上がるまで待ってるぜ I'll Be Waiting for You When the Swimming Pool Is Empty
    大きいけれども遊び好き I'm Too Big But I Love to Play
    セールスマンの誕生 Birth of a Salesman
    マザー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド Mother in the Sky with Diamonds
    ビームしておくれ、ふるさとへ Beam Us Home

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