ドゥームズデイ・ブック(下) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-5)

  • 早川書房
4.20
  • (89)
  • (63)
  • (43)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 543
感想 : 62
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150114381

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いつの間にかカバー変わってますね。私が読んだのは以下の少女漫画風イラストでした。

    カバーイラスト / 田口 順子
    カバーデザイン / ハヤカワデザイン
    原題 / "DOOMSDAY BOOK"(1992)

  • 下巻まで一気読み。
    もう夢中になっちゃって。

  •  タイムトラベルによって実地的な歴史研究が行われるようになった近未来が舞台の、“オックスフォード大学史学部シリーズ”最初の長編。本作では、中世イングランドに降下した史学部生キヴリンを軸に、迫りくるペストと21世紀のオックスフォードで発生した原因不明のパンデミックとの闘いを描く。
     紛れもない長編で専門用語も多く、翻訳SFに慣れない人は二の足を踏みそうな作品だが、それでも読む者をグイグイ惹きつけるこの作者はさすがとしか言いようがない。登場人物は皆活き活きとしており、本当にその時代に生きていたかのよう。主人公の成長物語としても歴史小説としても一級品なので、興味がある人は是非読んでみてほしい。
     また、読後は短編である『空襲警報』を手に取ることをおすすめする。書かれた時期は短編のほうが先だが、脇役として登場するキヴリンにぐっと来ること請け合いである。

  • コニーウィリスの時間ものなのだけれど、彼女独特の世界観があって、それが好きな読者には堪らないだろうけれど、好きになれない読者には、退屈な小説。

  • 面白いのだけれど、もっと短くもできる話。
    多分、タイムトラベル要素以外の部分の書き込みと時代考証が評価されているのだと思うが、それでも長い。また、小説内での現代(我々にとっては近未来)におけるパンデミックの原因については、すぐに検討がつくのだが、それを明らかにするタイミングも遅い!
    それでも下巻の方が星一つだけ評価が上なのは、ラストへの展開が非常に納得がいくから。

  • どうして誰も人の話を聞かないのか…。登場人物たちの身勝手さに読んでてイライラするのはいつものウィリスだが。我慢して上巻の最後のページまでくればすぐさま下巻を読みたくなること間違いなし。過去も現代もパンデミックのためバタバタ人が死んでいく。その凄惨さの中で唯一の救いがコリンの明るさ。「ブラックアウト」に成長したコリンが出てくるらしいので楽しみだ。(ろくでなしの母親しかいないのに何故名門イートンに入れたのか気になる)。
    あと、ボドリアンをボドレアン、ベイリオルをベイリアルとするなど、どうしてそのカタカナ表記にした?という細かいことが気になって仕方ない。

    キブリンのその後は短編『空襲警報』でどうぞ。

  • タイムトラベルとパンデミックの見事に掛け合わせが面白い。

  • アポカリプティック‼︎これに尽きる。

  • いつもの如く前半はドタバタが描かれる。キブリンを送り出した2054年のイギリスでは突然ウィルスが猛威を奮いネット技術者が人事不省に陥りキブリンが1320年に無事に着いたのか判らなくなる。過去に着いたキブリンは当然1320年に到着したと思いこみ、上手いこと領主館に転がり込み姉妹の面倒を見る羽目になる。ホドビン姉弟程ではないにしろロズムンド、アグネス姉妹も中々の曲者。中世の風景に驚きながら日々を過ごしていく。前半での読みどころは「キブリン到着のずれはどれくらいなのか?」「キブリンは自分の降下点を知る事が出来るのか?」の2点だけ。しかし!「オールクリア」を読んで学習済みの私には後半怒涛の展開が有るに違いないと思いながら読み進むと!遂にキブリンがヨーロッパ中にペストが蔓延した1348年にいる事が判明!ここからのスピード感が凄い、ダンワージーは直ちに救出の準備に取り掛かり、前半やんちゃな少年として描かれていたコリンは物凄い行動力を発揮、同じく前半単なる女たらしとして描かれていたウィリアムは病に倒れたダンワージーに関わる全ての部署の看護婦を掌握(籠絡?)、あっという間に病院を脱出、ネットの実行まで漕ぎつける。「オールクリア」でのコリンの成長を知っている私にとっても納得の大活躍!一方1348年は領主館の家族・召使が次々に病に侵されなんとロズムンド姉妹も倒れ家族は全滅、それどころか村全体が死に絶えてしまう。中世に降下した時に助けてくれた牧師までもが死んでしまうシーンは涙なくしては読めない、もう泣ける、泣ける、SFでこんなに泣けるなんて!
    ラスト、ダンワージーとコリンが回収に現れるが、全ての死を見届けたキブリンは精神的に大きく成長を遂げ「大人」になって帰って来る。ヒロインの成長する様を描いた大河ドラマとも言えるし、タイムトラベルが授業の一環となっているオックスフォード大学が舞台の時間SFとも言える。ここから「ブラックアウト」「オールクリア」に繋がると思えば感慨もひとしおである。あぁ、素晴らしい物語を読んだ満足感でいっぱいです。(も一度ブラックアウト読まなきゃ!)

    "

  • 近未来と過去で発生したパンデミック。物語は両時代を舞台に進行する。リアルな14世紀時代の描写でまさにタイムスリップを体感。そこにホントに生きていた人々を見てきたかのような錯覚を覚える。故に終盤にかけての展開は悲しく胸をえぐられる思いだ。この感情移入体験は半端ない!

全62件中 21 - 30件を表示

コニー・ウィリスの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×