銀色の愛ふたたび (ハヤカワ文庫 SF リ 1-3)

  • 早川書房
3.09
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150116118

感想・レビュー・書評

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  • 10年前に発表された『銀色の恋人』の続編なのですが。
    たしかこれもそんなに「面白かったーv」という印象なかったんですよね。
    面白くなかったわけではないのですが。
    美しすぎる人型ロボットとの恋の話であり、人間とロボット、支配と被支配の話。
    解説のひかわ玲子も触れていますが、キリスト教が日常の西洋人と、八百万の神のまします日ノ本の住人では、物語の衝撃の度合いが違うわけで。
    そのキリスト教くささというか悩みがいまいち理解しがたかったです。

    解説 / ひかわ玲子
    カバーイラストレーション / 久織 ちまき
    カバーデザイン / 岩郷 重力+WONDER WORKZ。
    原題 / METALLIC LOVE (2005)

  • 銀色の恋人恋人の続きということですぐ読んだ。私はジェーンとシルバーの恋物語には特に食指が動いたわけではなかったため、二人の関係に寂しさもありつつ流れるように読めた。人が死に、殺し、理由がわからないというミステリーの要素が強くなっている気がする。前回から、デーメータとジェーンの繋がりについて強く重視して読んでいたのでそこに注目していた。銀色の恋人を読んだとき、ジェーンとデーメータはどういう関係を築いていくのだろうと思っていたので、デーメータが実はラスボスで…という設定には驚かされた。本編では二人は出会っておらず二人の関係に注目できなかったものの、解説が興味深い。ジェーンとシルバー(ロボット)の支配・被支配の関係が愛といえるなら、デーメータとジェーンの支配・被支配の関係も愛と呼んで然るべきではないかという意見に目から鱗だった。「“デーメータはたぶん、少女の頃に人形を持ったことがなかったのでしよう”の一言に端的に表れているような気がします。」にとても共感した。

  • 前作の再読熱に乗って、こっちをついに初読。我ながら長く積みすぎ。名作の続編に警戒感を抱いたのはあるかも。いざ読んでみれば色々衝撃的だったから、時間を置くこと自体は正解だった気がしないでもない。
    やけに誤植が目についた。これは多いと思う……(なお初版)。

    ジェーンが出版にこぎつけた物語を読んで育った少女ローレンが主人公。前作の余韻の熾火に水をぶっかける趣が少なからず、また著者も意図してのこととしてあるので、ファンの間でも好みが分かれそう。とはいえ、ジェーンの物語がジェーンの主観のもと語られているのと同じように、それが嘘や浮ついた感傷だと言う人も、自身の主観のもとそれを言っているのだから、割り切って読めばさほどしんどくはないのかも。要は物語という嘘を楽しめれば儲けもの。私はおおむね楽しめた。思うに、前作と同じようなスタンスで読むとだれる。話の展開上、ローレンが自ら行動していても結局は流されがちなせいか。その陰謀めいた部分が核心だから仕方ない気はする。
    ロボット達が非常に活発に動いているのがまず衝撃。首輪で繋がれているとは言いつつ、人間とロボットとの支配-被支配関係が逆転するというよくあるあれに向かって一直線だった。正直なところこれ自体にも驚いたのだけど、支配-被支配関係がテーマのひとつだから、あるいは当然なのかも。
    それにしても、シルヴァーからは考えられないほど支配的なヴァーリスと反発するローレンとの間にだけ、愛の絡んだ抵抗や葛藤があって、その他の人々は完全に無力だったように見える……が、このあたりは単に描写の外だったんだろうか。シルヴァーだけが規格外だったことを知りながら、ヴァーリスを筆頭にロボット達の反逆を許してしまったのがちょっと解せない。
    色々あったけどふたりの着地点には安心、したところでそれよりさらに大きな希望を見た。いつか彼とジェーンが巡り合えるといいな。

  • 前作クラッシャーかな…ファンは、「ウッ」となってしまうかも。
    だけど、ラストシーンにファンサービスがあるから是非読んでほしい。

  • 24年ぶりに書かれた続編。
    綺麗にまとまっていた前作から、敢えて続編を作る必要はなかったはずだ。
    しかし、それでも書かれたこのお話はとんでもない力を持っていました。
    前作だけ読むのと、前作と今作とを合わせて読むのでは、まるで違うお話を読んでいるよう。
    続編というものがどういう意味を持つかということを改めて認識させられました。

  • 前作と比べると説明が多いような気がして、中々話が進まなかったような印象です。ローレンが第三者のように話をつづってる感じ…
    解説の方がおっしゃてるようにキリスト教ではきっと衝撃を受けるお話だったんでしょうね。惜しいことです。

  • 『銀色の恋人』の続編ということで、ゼヒ読みたいのです。……が、少女マンガを買ったことのない私のような人が本屋さんでレジに出すには表紙がハズかしいよww

  •  ……前作の「銀色の恋人」が好きすぎて、購入はしたものの、読めずにずーっと置いてある一冊 orz

  • 先日読んだ『銀色の恋人』の執筆から24年経って書かれた続編。Amazonのレビューが凄い事になっているので(笑)、興味を惹かれ読んだ。シルヴァーを再生し、その記憶を持つアンドロイド、ヴァーリスと貧しい階級の少女ローレンが、お膳立てで出逢い、ヴァーリスら8体のアンドロイド達(そのうち3体は「ロボット三原則」なんぞクソクラエ)は人間に反逆し、別個の「種」としてコロニーを建設するに至る。この話が続編としてアリかナシか?と問われればアリだと思うが、作者の余りの「ジェーンの手記」の否定っぷりに首を傾げざるを得ないし、ヴァーリスがローレンの何処に惹かれたのかが全くわからなかった。

  • 『銀色の恋人』の続編が出ていました。
    これ読んだのって、20年かもっと前だったような気がする・・・(@@;
    なんで今頃続編?

    『銀色の恋人』大好きだったので、続編に手を出すのは躊躇われましたが・・結局買っちゃいました。
    そして、読んじゃいました。

    この本だけ読んだ人はわからない所が多かったのではないでしょうか。
    続編というより、前編後編ってくらい連動していました。

    読んでいて、「なぜこれを書いたのか?」というのがずっと頭の中にありましたが、それは物語の終わり頃に消え去りました。
    ここに至るには前編が必要だったのだな、というのは理解できました。
    でも読了しても満足できませんでした。

    宗教臭のするSFって多いと思いますが、仏教になじんでいる者としては「何をいまさら」的な感があるのは否めません。
    最後は本当に、「だからなに?」で終わってがっかりです。

    輪廻を語りたかったのか。
    愛を語りたかったのか。
    じゃあ、ジェーンはどうなったの?
    ローレンの物語だからジェーンの事はどうでもいいの?

    ロボットに魂があるのかという命題ですが、受け入れら無い心情がよくわからない・・というのが正直な感想です(^^;
    だって、ほら、器物も100年たったら付くも神になるし、猫も歳とったら猫又になるじゃありませんか〜

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