盗まれた街 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2007年9月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150116361

みんなの感想まとめ

身近な恐怖と不安感を巧みに描いた本作は、侵略SFの傑作として多くの読者を魅了しています。人間のコピーが生まれてくる不気味な状況や、信じられない人間関係の変化が、緊張感を持続させる要素となっています。翻...

感想・レビュー・書評

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  • 「お、今日の『午後のロードショー』、なんか面白そうな映画やってる。見てみるか〜」
    と軽い気持ちで見始めたら意外と面白かった……。そんな経験はありますか?
    『盗まれた街』はまさにそんな一冊でした。笑

    アシモフ先生に刺激を受けて、近頃は書店に行くとミステリー棚だけでなくSFコーナーも眺めるように。
    そんな中、目にとまったのが本書でした。
    以前どこかでタイトルを目にした記憶があって読んでみたのですが、いやはやなんともこの「パニックホラー映画あるある」感!
    調べてみると実際4回も映画化されているそうで、それらを観たことはないのですが、読みながらシーンがありありと目に浮かんできました。

    しかしながら、本書の妙はなんといっても翻訳の巧さだと感じました(『鋼鉄都市』と同じ福島正実さん)。
    元々の文体がそうさせるのか、抑制の効いた表現で描かれる「どこかおかしい街の様子」の怖いこと怖いこと……。
    だんだん怖さ耐性がついて慣れてきたものの、序盤のサスペンスホラーっぷりは、「これ以上読み進めたくない(´;ω;`)」と感じるほどでした。
    わかりやすくエイリアンが攻めてくるよりも、よく見知った人間がいつの間にか入れ替わっていた……そんな、いきなり足元がぐらつくような恐怖のほうが、身近でおそろしいですよね。

    ハッピーエンドかバッドエンドかも知らずに手に取ったため、人類と地球外生命体との攻防がどんな結末を迎えるのかハラハラ。
    結果的に、主人公が強靭な精神の持ち主で本当によかったです。

    細かいことにいちいちツッコミをいれず、気楽にドキドキハラハラしたい方におすすめな一冊です(⁠^⁠^⁠)

  • 侵略SFの傑作中の傑作。不気味な「さや」から人間のコピーが生まれてくるビジュアルな描写が、クリエイターの想像力を刺激するのか、何度と無く映画化されている。著書のジャック・フィニィはSFのみならず、ファンタジー色の強い傑作短編集「ゲイルズバーグの春を愛す」や、ミステリーの「完全脱獄」でも知られる才人。本作では、他人が信じられなくなって行く不安感が迫真の筆致で描き出されている。それが堪らなく恐ろしい。怖い本が読みたければ凡百のホラーよりも本作がお勧めだ。

  • 恩田陸の「月の裏側」きっかけで知った本。後半の展開は得体の知れない恐怖と焦りとがあってとても面白かった。ラストシーンの想像させられる情景は鮮やかでとても好き。

  • ジャック・フィニイは、「ふりだしに戻る」「マリオンの壁」が好き。

    ※早川のサイトを見て、単著が「レベル3」「ゲイルズバーグの春を愛す」しかないのを知ってショックを受けている。。。

  • じわじわと知らず知らずのうちに侵略される恐怖。UFOや宇宙人がドンっと出てきはしないけど、家の地下でこっそり増えて知らない間になりかわってる。ボーッとしてたら周りの変化に気づかないし、自分の変化にも気づかない。すごくこわいなぁと思った。

  • ある日突然、一緒に暮らし慣れ親しんだ人に違和感を感じる。
    外見も中身も特に変わった箇所は見受けられず、ただただ何かが違うとモヤモヤする。

    これはSFと言うよりホラーですね。
    この作品のオマージュ、『月の裏側』も読みましたが
    また違った恐怖を味わえて面白いです。

    宇宙は広いんですもの。何があっても不思議ではない。

  • 1955年発表後、ジャック・フィニイの名を一躍有名にした長編SF小説は我が国において、それまで出版界では商業的に成功しなかったSFを日本に定着させるため翻訳も兼ねた福島正実が早川書房に入社、1957年、都筑道夫とともに「ハヤカワ・ファンタジー」(のちの「ハヤカワSFシリーズ」)のブランドを立ち上げた際にリリースした作品であり、日本におけるSF小説の草創期に位置する古典的な作品である。
    アメリカの片田舎にある町で肉親、知人が別人だと訴える者が現れ始める。やがてそれは奇妙な豆の莢から出現し、付近の人間に成り代わる異星生命体であることを知った主人公は恋人をつれ、町からの脱出を図る。次々に宇宙生命体に《複写》された人々によって徐々に人間社会が変貌し、やがて全世界を侵略していくであろう恐怖を描いたサスペンスタッチのSFホラー小説の傑作。
    1956年の映画『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』の原作とされ、その後も1978年『SF/ボディ・スナッチャー』、1993年『ボディ・スナッチャーズ』、 2007年『インベージョン』と4回も映画化されるほどの高い人気の裏側には60年代アメリカ社会における共産主義思想に対する脅威、2000年代の9・11以降の隣人に対する疑心暗鬼があることが伺われ、ある日、突然に身の回りの人々が外見は同じで有っても全く相いれない別人(反思想)となる不安と恐怖が根底に視える。日本人なら多分に「受け入てしまう」っと思うと結構怖い。また、翻訳した福島正実は1963年8月に公開された東宝特撮ホラー映画『マタンゴ』の原案者であり、同作は洋上クルーズで遭難したグループが流れ着いた無人島のキノコを食べたことでキノコ人間に変異して行くというホラー作品。W.H.ホジスン著『夜の声』を始めとして、福島にとって『盗まれた街』へのオマージュであったことはあまり知られていない。

  • SFだけどホラー的なアプローチ。外見は同じなのに(敵意のない)侵略者に乗っ取られていくという設定が、地味に効いている。

  • 冷戦時の時代背景を持つSFホラーの古典。1Q84のサナギもこの作品へのオマージュか。

    昨日までの知人が・仕草そのままだけれども、全く違う人と思われ信じることができなくなくってくるその時代背景が非常に恐ろしいけれども、今だから通じる恐ろしさもあり非常に面白い作品。侵略とはいううものの悪意はなく(だからこそ恐ろしい)進化の過程で適応した生物との戦いになるところがSFたる所以か。さすが古典。

  • 月の裏側の下敷きになった話。
    読もう読もうと思っていてようやく読めた。
    郊外の街で人が盗まれ、取り替わっていくという点は同じ。
    しかし話の展開がハリウッドのパニック映画みたいな。随所にアメリカっぽさが漂っていた。
    なぜそこで無駄に陽気になるのか、なぜここで情事なのか、それどころじゃないだろう。戦うなら戦えよ、逃げるなら逃げろよ、と。
    個人的には月の裏側の方がずっと好き。話全体に流れる空気感が違うもの。

    起承転結があってちゃんと物事が説明されてて分かりやすいけど、分かりにくくても月の裏側の方がいいな。

    • en2501さん
      あのさ、まーこさん、思うんだ。貴女のコメント、もっと共有したほうがいいこと書いてる気がするよ。私ばっかり拝見できるの、もったいないような
      気...
      あのさ、まーこさん、思うんだ。貴女のコメント、もっと共有したほうがいいこと書いてる気がするよ。私ばっかり拝見できるの、もったいないような
      気がするよ。
      2012/08/28
  •  恩田陸の「月の裏側」を読んでこの本を読もうと思った。同じような内容なのに全然違って見えて面白かった。じわじわと首を絞められていく、そんな恐怖を味わえる本。
     「自分たち以外は皆んな敵である」という絶望的な状況がこっちをずっとハラハラさせた。最後までどうなるのか予想できず、本当に面白かったという印象であった。

    ベルセック夫妻側か描かれていても面白いものになるんじゃないだろうか。ジャックは小説家だし、途中の逃走劇の詳細も読んでみたい。

  •  途中からは、終わり方が気になっていたが、余りにもあっけない。

  • 【放送日】: 1995年7月24日~

  •  家族や友達、知人の仕草や顔つきなどに、どこか違和感を覚えた経験はないでしょうか?
     何が変かと聞かれても答えに窮する。でも、自分が知っている相手とは、何かが決定的に違う気がする。
     身近な存在が得体のしれない者に変わっているかもしれない。と言われたら、あなたは笑い飛ばせますか……?

    『盗まれた街』(1955)とは、アメリカのSFファンタジー作家ジャック・フィニイが手がけた侵略モノの傑作です☆

     カリフォルニア州のある地方都市で、家族が別人のように思えるとの相談事が急増する。夫が、我が子が、親戚が、見た目は同じだけど偽物だと……
     当初は集団ヒステリーかと思われたが、じつはその街では、人間の容貌そっくりに変化する生命体が侵略を進め、もはや住民の大半が……! 主人公は恋人と<盗まれた街>を脱出しようとするーー

     本書の魅力(か?)は、人が潜在的に抱えている恐怖を呼びさますところにありそう。周りの人間を信用できるのかという、原初の恐れ的な感覚を刺激されるのです★

     見るからに外敵らしい侵略者が攻撃してきた場合は徹底抗戦できますが(一応)、家族や恋人、味方のはずの中身がすっかり入れ替わってたら、究極の絶望ですよね。
     複写人間が生まれる秘密の場面はナイトメア的で、忘れがたい印象に苦しみます……★

     ハインラインのある小説との類似性にも、気づかざるを得ません★ 街を覆い尽くし、顔のない群衆を増やす、その種の変化。深く考えると政治レベルの問題らしいですが……、ひとまずそういった憶測抜きで、エンタメとして読む本作は最強レベルです★

     異様な面白さを帯びた本書は、ひっそり地下(?)で読み続けられつつも現在絶版。この話が出回ると都合が悪い、と何者かに判断されたのでなければ、復刊を求めたいです。

     なお、気づいたら友人が思ってたのと違う人間だったという経験なら、ショックの大小を問わなければ、私にも覚えが……(涙)





    ▼関連書籍:ロバート・A・ハインライン著『人形つかい』
    https://booklog.jp/users/kotanirico/archives/1/4150102171

  • 1955年刊行、79年和訳の本と考えるとアイディアも凄いし、するすると読める勢いもある。ただ、独身中年女性だからヒステリーなんだ~という描写、男性医師はそのヒステリー女性の話を軽んじて真に受けない …というありがちオープニングから入るためスムーズに飲み込めない残念さもある。また主人公一人称小説なので、主人公のことはわかるのだが、ヒロインは…もともと”盗まれている”のではと思うほどに中身がないのは伏線かと思ったがそうではなく…

  • かなり昔の宇宙人の侵略もの。珍しく人目につかないあまりにも驚きの形で、どんどん親しい街の人たちが感情のない、心を真似ているだけの存在になってしまう。抵抗できるのが4人だけという少数精鋭ながらも、地球は好戦的という判断を下した宇宙人はいい判断をしたんじゃないかなあ。もっと上手くやれば共存できそうな気がする。

  • いまから70年近く前に出版されたとなると、当然ながら古臭いところがある。SFといっても言うほどSFでもないし(ホラーに近い)、妙に明るい。明るい、というのはストーリーというより筆致が明るい。いかにもアメリカのSF黄金期に書かれたといった感じの前向きさがある。

    文化の発展は人口と経済に依るところが大きい。
    特に黄金期のSFは無限の発展を前提してるところがある。日本のSFは高度経済成長期に黄金期を迎えて、いまは中国SFが熱い。
    お金がなかったらひとは文化的な活動をしないし、ひとが多くないとムーブメントは起こらないという当たり前の幸福な条件の只中で書かれた感じがする。

  • 結末は地味だけど、古臭さを感じさせず一気に読んだ。
    価値観が古い感じもあり、展開が焦れったい。
    覚醒剤が心配。

  • 恐ろしくもあり、最後の驚きもあり、面白く読めた。

  • 「横浜駅SF」をきっかけに読んだ。面白かった。ごく普通の田舎町を舞台に、登場御人物もマイルズの知人ばかりなのにこんなスリリングな物語を作れることに驚いた。モンスターやUFOなどが出てくるわけでもないのに、ドキドキさせられる。身の回りの人たちが気が付くと別の誰かになっていってしまうというのは、確かに怖い。外見はまったく同じなのに中身は違うものにすり替わっているというのは何とも気持ちが悪い。オイラがバッドロングらに説得されたら最後まで知恵を絞って抗うことができるか怪しい。もはや自分たちを除く他の住民はその意思にかかわらずマイルズとは異なる選択をしたわけだし、自分も多数派に加われば楽である。マイルズに戦う勇気を与えたのは間違いなくベッキイだ。やっぱり、こんな女性がいると男は才能以上の力を発揮するものなのかなぁ。そう言えば最近、嫁が別人に見える。目が笑っていない・・・・

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