- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150119881
作品紹介・あらすじ
外宇宙で生を受けたマニーは、地球に帰還。謎の少女ジーナと出会い、覚醒していく……
感想・レビュー・書評
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〈ヴァリス〉三部作の第二弾。
難解な神学談義が続いた前作に比べ、まずSFとしてストーリーを楽しめたのが大きい。辺境惑星、冷凍生命停止、巨大人工知能システム、飛行タクシー、スマホ(のような端末)などが存在する未来世界の中での、『覚醒』をめぐる宗教的・スピリチャル的な物語。難しそうに思えるテーマだが、文章も読みやすく、筋運びそのものが素直に面白かったといえる。その上で、聖書の世界観を通じて語られる「世界」「神」「人」などについての論議は学ぶことが多く、たくさんのメモを取りながら読むことになった。自分はやはり知識が追いつかないところもあったが、聖書に興味がわき読みたくなったことがかえって嬉しい。
さらに良かったのが、巻末の訳者あとがきがとても秀逸なこと。作品の全体像をわかりやすく再確認させてくれる上、これだけでひとつの読み物になっていて面白かった(※ネタバレ全開なので先に読む場合は注意)。
ディック教?における、ある種の到達点といえるだろうか。個人的にかなり収穫のあった一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヴァリス3部作の2作目。
わりとSFっぽいつくりになっている。 -
ヴァリス2
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【ノート】
・ヴァリス三部作の2作め。本作は一番ちゃんとSFしてる。他の惑星も出てくるし、超越的存在も出てくる。未来世界も面白く描かれてる(「キリスト・イスラム協会」なんてのが世界を牛耳ってる)。
前作でその存在を提示されたヴァリスも出てくるし、作品としてまともにまとまっている。
ただ、ラストの解釈はどうしたもんなんでしょうかね?
【目次】 -
ヴァリス3部作の中では一番わかりやすかった。他の2部作は妄想や雑談が大半で、これ小説なのかといった感じだったが、今作は一応物語の体をなしていたと思う。
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新訳版の第二部。
巻末の解説によると、本書が、三部作の中で最も『SF』であるらしい。が、読んでみると、第一部よりもこちらの方がよっぽど宗教的に感じられる。第一部の神学論争がちょっとぶっ飛びすぎ……というのも理由のひとつだろうかw
余談だがこの解説がベリアル視点のエッセイ風の一文で、面白かった。