- Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150120856
作品紹介・あらすじ
華麗な技巧・文体で知られるエリスンの、ヒューゴー賞&ネビュラ賞受賞作をはじめ、代表作を精選した待望の日本オリジナル短篇集
感想・レビュー・書評
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なかなかグロテスクな場面のある短編や、シュールな構成の短編など、なかなかバラエティに富む編集である。
個人的には、「ジェフティは五つ」と「ソフト・モンキー」がおもしろかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カッコいい小説てえのを知りきゃ、エリスンを読みな。
まず、タイトルがいい。「『悔い改めよ,ハーレクィン」とチクタクマンは言った」。時間を守れない奴っているわな。それがハーレクインであり、ハーラン・エリスンなのであるが、そいつのせいで超管理社会を管理するチクタクマンまで調子が狂ってしまう話。
「俺には口がない,それでも俺は叫ぶ」。遠未来、AIによって慰み者にされる人類。タイトル通りの話。
「北緯38度54分、 西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中」、これも実に凝ったタイトルだが、『SFマガジン』初出時に読んだときには、ランゲルハンス島がおなかのなかにあるなんてことも知らなかった。
「死の鳥」は『SFマガジン』初出時に読んでいたのに気づいたのは、アーブーの話を読んだとき。「死の鳥」は創世記の神が狂っていて、蛇が実は人類の味方だという話をおよそ25万年のスケールで描いたもの。しかも、「これはテストだ。そのつもりで。」で始まるテストの文章やらテクストは多重化している。その中にエリスン自身が愛犬アーブーを安楽死させる挿話がはいっているのだが、これだけ何だかものすごくよく覚えていた。安楽死を獣医にまかせようとすると、「知らない連中のところにおいていかないでくれ」とアーブーの目が語る。なぜ、GODの反対はDOGなのか。
そのほか。エリスンを読みな。 -
こういうのがSFならSFもっと読みたい!
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ワン・アンド・オンリーな孤高のSF作家、ハーラン・エリスンの日本独自編集短編集。
日本人SF者として何が嬉しいかって、収録作全てが伊藤典夫氏の翻訳だということ。エリスンの作品は、全編これ暴力と狂気の世界です。猥雑で非情で容赦のないこの世界観を、悪趣味一歩手前のギリギリのラインで美しい言葉遣いでまとめる手練の技は、正に伊藤典夫氏の職人芸。
10編の短編が収められていますが、「これSFじゃないでしょ」な作品も結構あります。でも、何だろうなぁ、SFというジャンル分けするのがもったいないような独特の存在感。
ブラッドベリの妖艶さでもなく、ディレイニーのスタイリッシュさでもなく、正に「エリスン節」としか言いようの無い独特のグロテスクさと、並行して光り輝く問答無用の「カッコよさ」。何が言いたいのかよく判らない描写も、正直結構あります。でもそんなことどうでもいいんだよ、だってカッコいいじゃん!と大声で主張したくなる、唯一無二の香気。表題作の壮大にして壮絶な香り高さといったら、語弊を恐れずに言えば筒井康隆「幻想の未来」に通ずるものを感じました。
他に鴨が気に入ったのは、「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」「プリティ・マギー・マネーアイズ」「ジェフティは五つ」の3編。SFのネタとしてはどれも大して面白いネタじゃないんですけど、表現次第でここまで面白くなるんだなと思わせるカッコ良さです。 -
勿論難しかった。特に死の鳥。ランゲルハンス島でやっと。まだ入り口。米国ノスタルジーは他国でもなんとなく理解できるけど、日本のノスタルジーは別世代の狂騒として温かい目で見てしまうの不思議。宣伝の力?
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読中は圧倒的な悪夢におぼれるよう、読後は切ない寂寥感が残る。
創世記をSF的別視点で書いた「死の鳥」、永遠に地獄が続く「おれには口がない」、文明の進歩を自問する「ジェフティは五つ」。
重くて短編集の感じがしない。 -
読むのが辛かった。
いちいち残酷で悲しい話なんだもん。最初から最後まで暗い気持ちになる事請け合い。
唯一死の鳥だけは面白かった。テスト形式、神と蛇と犬。 -
初ハーラン・エリスン。面白かった。「ジェフティは五つ」はスティーヴン・キングっぽくて好き。「ソフト・モンキー」はSFじゃないよね(笑。これも好きだな。
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微に入り細を穿つような残虐な殺しの描写が、ちょっと寒気がした。