三体2 黒暗森林 下 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150124434

感想・レビュー・書評

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  • SF初心者の私。ワケわからん!と思いつつも、この物語の世界にどっぷり浸かっていた。

    上巻を読むのになぜだかすごく時間がかかってしまったけれど、下巻は面白くて一気読みでした。

    第3部も楽しみに待ちます。

  • 『三体』の劉慈欣が語る「中国の圧倒的未来感に触れたか」 | ビジネスリーダーよ、SFを読め! | ダイヤモンド・オンライン(2019.8.19)
    https://diamond.jp/articles/-/212049

    世界的なSF作家、劉慈欣が断言「これからの世界はもっと楽しくなる」 | クーリエ・ジャポン(2024.5.15)
    https://courrier.jp/news/archives/364623/

    『三体』作者の劉慈欣に聞く「自身のSFのシンプルなおもしろさ」 | クーリエ・ジャポン(2024.5.15)
    https://courrier.jp/news/archives/364622/

    三体2 黒暗森林 下 | 種類,ハヤカワ文庫SF | ハヤカワ・オンライン
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015787/

  • 現代を舞台に、三体艦隊が地球に侵略するまであと400年とした上巻から、羅輯(ルオジー)がコールドスリープに入って目覚めた200年後が舞台となる。
    基本物理学の発展は阻害されているものの、驚くほどの技術発展を遂げた地球人たちは、自らの居場所を地下に宇宙にと発展させている。
    三体艦隊との戦闘に関する研究も進み、勝利の可能性、勝利への自信で地球があふれかえっている。
    そんな中、三体艦隊から放たれたほんのトラック一台ほどの大きさの探査機と思われる物体が一足早く地球に近づくのだが・・・というところから物語がスタートする。

    物語前半における勝利への過剰なまでの自信がものの見事に瞬壊するのはお約束もお約束。機関車トーマスしか観たことない幼児ですら予測できる展開。
    地球は絶望、宇宙艦隊は半壊、愉快痛快三体艦隊。
    この物語の面白さはその後にある。

    まず、上巻と同じように、社会シミュレーションが緻密に記述される。
    宇宙艦隊に取り残された人類が体験する感情。そして社会的な反応。
    同じように希望を打ち砕かれた地球上の人類に生じるであろう当然の反応。
    「しかし地球人は決して希望を捨てなかった」的なご都合主義に依らないことで、物語にリアリティと厚みが出る。

    そして本作品の核をなす、SF的ギミック。
    想像力の限りを尽くした突飛とも思えるようなSF的問題解決案を、「あー、それならありえそうだよね」って思える科学的な論理で記述し
    「そうか。すげえ、その手があったか。」と読者に膝を打たせる。
    この納得感がただの「エンターテインメント」ではなく骨太の「SFエンターテインメント」に仕上げてくれている。

    あとはもう、話自体の面白さ。これはもう間違いない。
    上巻含め、前半にちりばめられた伏線はほぼすべて回収される。それもびっくりするくらいわかりやすく、そして笑っちゃうくらい意外な方向で。

    あと、前作にも感じたことであるが、作者自身がこの物語を書くことを心から楽しんでいるのが伝わってくる。
    SFが大好きなのだろう。とりわけ舞台が宇宙になってから、様々なSF作品へのオマージュがみてとれる。
    クラークはもちろん、銀英伝っぽさが入ったり、宇宙艦隊の艦長達が目線だけで会話するくだりはアルフレッド・ベスターの「虎よ、虎よ」へのオマージュっぽい。
    (三体艦隊が宇宙艦隊に与して「ヤック・デカルチャー」とか言い出すかと思ったけどさすがにそれはなかった。)
    ともあれそんなSF愛が随所にちりばめられ、それが意識的にしろ無意識的にしろ私たちにも伝わるのでこちらも楽しくなってくる。

    ながながと述べたけど、要するにものすごく面白い。めちゃくちゃ面白い。
    読みやすさと読み応えが同居した結果、猛烈な満足感を与えてくれる。
    上下合わせて1000ページ弱。あっという間に読めるけど、ものすごい満足感よ。

    みなさんにも是非この「うわー、そうなったかー」を感じて欲しい。

  • 前巻では人類に絶望した葉文潔が宇宙に向けて発信したメッセージが三体世界に到達した。折しも、新天地を求めていた三体世界は地球へと侵略艦隊を送り出した。さらに、三体世界は地球侵略を確実にするために智子というスーパーコンピューターも送り込み、人類の科学の発展などを阻害することにした。
    それを迎え撃つために、世界は智子の監視の及ばない思想の世界で対抗するため面壁計画を策定し実行することに。その一人には、葉文潔から宇宙社会学の概念を打ち明けられた羅輯も含まれていた。一方で、三体世界側も面壁計画を破るべく破壁人を指定して、面壁人に対抗していき、次々と破れていく。

    最後の一人になった羅輯が理論をもとに三体世界からの侵攻を食い止めるところが格好良かった。

    文潔から受け継いだ宇宙社会学に基づき、二つの公理と猜疑連鎖と技術爆発の概念が地球を救うことになったのだが、文潔が受け継いだのは何故なのだろうか。侵攻を招いたことを自身の罪として悔いていたのだろうか。文革の暗い世界を経験していたら、そうなっても致し方ないと思って終わってもいいものと思ってしまった。
    また、宇宙社会学の身近な例として、脱走した宇宙艦隊たちが使われたのが衝撃的だった。もう少し、活躍してくれそうな気がしていたので。

    最後に、水滴が地球の宇宙艦隊を破っていくシーンは、臨場感にあふれ映像が思い浮かべられるくらい語られており、読み応えがあって良かった。

  • 「三体」続編。
    前作よりもエンターテインメント要素は更に上がった印象。クライマックスには派手なバトルもあるし、最後のどんでん返しも爽快。上下巻のボリュームも気にならずイ一気に読ませる楽しさは確かにある。
    ラストは三体人が人類とは異なる冷静さと知性を持つ存在で良かった。これが相手も人間のような思考であれば、死なばもろともで三体人と人類共に絶滅エンドでもおかしくない。
    細かいこといえば、現代パートでコールドスリープがしれっと実用化されていて何の説明もないのが気になった。

  • IIを読み始めた時には一気に時代が変わっており、慣れるのに少し時間がかかったけど、宇宙戦争という大スペクタルに途中からすっぽりハマって夢中で読み終えました。

    みんな誰に感情移入しながらどの立場で読み進めるんだろうな、とも思います。

    三体人の生き方も理解できるし、地球人の抵抗も理解できる。IIIがこれからどう展開していくのか楽しみです。

  • 面白かった。1巻目の「三体」は正直、さほど面白いとは思わなかったのですが(少し期待が過ぎたのもあって)。しかし、IIは引き込まれました。この分量ながら、久しぶりに「ページをめくる行為を意識しない/覚えていない」モードで読み進めてしまいました。

  • 面壁者登場!知能戦や宇宙戦争やらで、SF小説としてとても充実していた内容。
    評判通りの面白さだった。

  • 本巻で三体人が表に出てくるも,地球人と同様,人間賛歌というか他者との関わりの中で個体の存在意義がある,という思想が通底しているというラストは,三体人が地球人の時間的空間的延長線上の存在であることを強く印象づけ,三体人対応のための地球内での争いと地球人と三体人との争いがフラクタル構造のように印象づけられる.生命体の究極の精神的発達は物質的発達には追いつかない思想は,クラークの頃から変わらない考え方なのかも知れない.

  • 読まないと損しかしない。

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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