風の名前 5 (ハヤカワ文庫 FT ロ 2-5 キングキラー・クロニクル 第 1部)
- 早川書房 (2017年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150205928
作品紹介・あらすじ
トレボンでデナと思わぬ再開を果したクォートは、二人で惨劇の現場の調査に赴く。だがそこで怖るべき恐竜ドラッカスに遭遇し……
感想・レビュー・書評
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一部完。一日目の語り終了でようやく土台が揃った所らしい。なるほど、3日かけて語るから3部作なんだな~
というわけで一部総評。
とりあえず5冊組はちょっと分け過ぎじゃないかと思いました。昨今本が売れないのはワカルけど、上・中・下巻の3巻ぐらいで良かったのでは?というのも話が動きだすまでが結構長い。路上生活に見切りを付けるぐらいまで一巻で終わらせた方が良かったんじゃないかなぁと個人的には思ったり。ヒーローが自分の過去を振り返る…というスタイルもあまり好きではないなぁ。後悔の連続だの、あの時間違えたとか最初に言われると何悪いことが起きるんだ?と身構えてしまうこともあるので。
あと、読んでいて結構ツライのが主人公の短気と浅慮な所。君は幼少のみぎりに冷静さと感情を分ける術を習ったんじゃないのか?と言いたくなる。そして、SFにはアリガチだけどなんで主人公に相手を殺さなければ気が済まないほど憎みあうライバルを作らなきゃいけないのかなぁ?明確な敵役が必要って事なのかもしれないけれどもアンブローズ(だったか?)もヘンメもあからさまな悪役すぎてちょっと、これは無いでしょって感じ。主人公は頭良いって設定の割には自分の行動にどういう結果が起きるか考えずに突っ走るので読んでいて辛い。そんな後先考えずに短絡的に行動してどうするの?と言いたくなる。アンブローズを浅慮だから退学させろと言うならその言葉ブーメランで主人公にも返ってくるだろ…とツッコミを入れたくなりました。
例えば目的のために資金を集めてそれから大学に入るとか、どうしても叶えたい目的のために(チャンドリアンの秘密を知るとか)信頼できる人に相談するとか、そう言う思慮深さが見えないのが読んでいてかなりつらかったです。(とは言え15だか16だしね、という言い訳もあるでしょうがだったら尚の事金銭問題とか誰か突っ込めよ、と言いたい。)彼が幼少時に見に付けた技をなんで路上生活時に活用しなかったのかは本気で理解できない。心が死んでいた、思考が止まっていたというならあんな尺使う必要もなかったと思うんだけどな。
帯にも後書きにもポストハリポタとありましたが、ハリポタとはちょっとジャンルが違う気がするかな。私が思うハリポタの成功は「現代人のハリーが実は魔法の世界では有名な魔法使いだった」に集約される気がするんですよね。だから、読者はハリーの目を通して目新しい魔法の世界を楽しむことが出来、その世界の不正や理不尽に怒ることが出来、ハリーの大活躍を楽しむことが出来たと思うのです。でもこのお話はファンタジー世界だしそこまでストン、と主人公に感情移入できるかと言われるとちょっと難しい所。ハリポタと相違点をもう一つ上げると友人や仲間との連携。ハーマイオニーやロンにあたる人物はいるけれども居るだけって感じだしな。
役者は揃った、続きは二部ね!という感じですが…続きは…う~ん悩むところだなぁ。面白くない訳ではないけれども不安要素が多すぎるのとこれからさらにイライラが募りそうな展開になりそう。あと、正直言って、ヒロインがあまり好きになれないタイプだったのが一番つらいかなぁ… 主人公の貧乏設定も結構ツライけど。 -
1-5をまとめ買いし読了。
名を馳せたがい今は身を隠している主人公の過去(主に学生時代)を振り返る形で話が進む。
学園+魔法物として例にも取り上げられているがハリポタと対比すると、より生活や主人公の境遇の厳しさが表れる。(ハリポタは貴種流離譚だが、こちらは今の所一般人だ)
困難をイヤボーン的な力でなく才覚で切り抜ける所は小気味よく、どうしようもない現実に打ちのめされるシーンが少なからずあるのもいい。
2018春には第二部が刊行されるとのことなので続刊に期待。
ただし、¥800x5分冊はボリ過ぎ。
3分冊で¥3k程度でいいのではないか。 -
続き読みたいぞー(*_*;