- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150301422
感想・レビュー・書評
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ネパール王国最後の王「ギャネンドラ」の名前見て「ラジェンドラ」を思い出して,急に『敵は海賊』読みたくなって『狐と踊れ』引っ張り出してきた.JAカ34.
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主人公の名前が読みにくいのは表題作「狐と踊れ」から・・
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SF。短編集。
1954~56年にSFマガジンに発表された、著者の最初期の作品たち。
「ビートルズが好き」は少し古さを感じるが、他5作品は全然古臭くない。
全体的に高品質。「狐と踊れ」「敵は海賊」の2作が特に好き。
「返して!」
近未来SF。ショート・ショート。良いアイディアが詰まっている印象。もう少し物語を膨らませても良いのでは。
「狐と踊れ」
薬を飲まないと体内から胃が逃げ出す、という設定が強烈。終わり方も洒落てて良い。
「ダイアショック」
惑星不時着。ブラックユーモア溢れる宇宙SF。面白い。
「敵は海賊」
SF+ハードボイルド、という感じ。以前『敵は海賊・海賊版』を読もうとして挫折したけど、面白いじゃないですか!ミステリぽい雰囲気が好き。バディものとして、キャラも良い。
「忙殺」
普通のサスペンスぽいと思っていたら、ラスト15ページほどで一気に難解なSFに。途中の"忙しさ"と"エントロピー"の話題が興味深い。 -
好意思。 文章的拍子和韵律很好。 SF的发想也有梦。「敵是海賊」很好 。
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表題作を含め、著者の初期作品6篇を収める短編集。「狐と踊れ」は、神林長平のデビュー作。1979年の作品だ。現在の神林の原点がここにあったのかと思うと愛着がわく。しかも、ここでのテーマや語りの方法は、その後の神林の本格SFに発展していく素地が十分にあったように思う。情景の持つ閉塞的な空気感もすでに作者固有のものであり、孤独と絶望と喪失感は深い。そして、その硬質な抒情も捨てがたい。また、傍流でありながらも人気の高い「敵は海賊」の第1作も入っており、こちらの軽妙な語り口も、これはこれで楽しめるだろう。
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この間出かけた時に持っていた本を読んでしまったので古本屋で急遽購入。短編集なので読みやすかったですがやはり物足りない感もあったり。表題作なんて長編になりそうですよね。
返して!は世界観が説明されていないのに何となく世界観をにおわせる独特の雰囲気と狂気が好きです。短編らしい短編だなあと思います。個人的にはダイアショックのお手軽感が何となく好きです。最後にちょっと悲哀感が漂うところも。敵は海賊は本編シリーズに収められているので既読ですがこの頃のアプロは理知的にも見えたりしてびっくり。今じゃ食欲の塊だものなあ… でもってやはり長編を読んだ方が面白い作家さんかな、と思いました。また借りてきて読もうと思います。 -
2013/4/3購入
2013/5/7読了 -
デビュー作「狐と踊れ」と海賊シリーズの1作目「敵は海賊」を含む初期短編集。
解説は眉村卓氏。
新装版は「敵は海賊」がカットされ、新たに4短編が追加されているそう。 -
伊藤計劃を読んだら読み直したくなってしまった神林作品、とりあえず一作目を再読。短編集だが、その後の作品同様ものすごく作風に幅があるのに、神林長平だなあという基本のカラーは変わらないところが面白い。表題作「狐と踊れ」は薬を常飲しないと胃が身体から離れて行くという前提そのものが斬新で印象的。“忙しさ”をエントロピー理論で説明する「忙殺」も、初読時より印象に残った(のは、自分が社会人になったからか)。何よりどの作品にも、斬新な前提や荒唐無稽な設定の上に描かれていようとも、その世界で生きる人間たち(以外も)の思考や感情のリアルさがあるのが神林作品だと改めて感じた。
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文章が軽妙なので、のっていきやすいというか、のせられるというか。5Uという薬を飲まなければ胃が逃げてしまうという表題作をはじめ、掲載されている作品はどれも面白く読めた。主人公たちの置かれている状況が不安定になるにつれ、何を信じればいいのかと自分自身の考えをさえ疑いたくなってしまう、発狂寸前の緊迫感がよい。
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短編集です。
いろいろ変わった舞台と設定のSFですが、その環境で登場人物がどう行動するかというところに主眼が置かれているように思います。胃が脱走するというのはイメージしにくいですが・・・ -
これは神林氏の割と初期の短編集で、この本の魅力はやはり敵は海賊のプロローグが入っていることでしょう。他の4篇も神林氏の魅力がつまっています。かなり実験的な短編集なのではないでしょうか?
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短編集
ビートルズが好き
返して!
狐と踊れ
ダイアショック
敵は海賊
忙殺
解説 眉村卓 -
おいらも踊るよ!
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[2005.04]
神林さんの原点がここにー -
借本。
初期短編集と知り、読みやすいかも?と思い。
著者を知らない方には、読みやすいのでおすすめです。 -
SFならではの自由さという点では表題作「狐と踊れ」が良かった。「狐と踊れ」は、5Uという薬を飲み続けなければ、体内から胃が逃げ出してしまう未来社会を描いた作品だ。荒唐無稽なアイデアが、変質した社会構造とか人々の不安という影によって、リアルな質感を得ているから凄い。
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第一作目からしてエッセンス豊富。「忙殺」は現代にも通じる物があります。
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再読.と言っても前に読んだのはいつのことやら.今となってはどうでもいいことだが,この頃はまだ「SFらしく」ってのが重要だったんだなぁ.この本はごく初期の短篇が集められているせいか筆が慣れておらぬようで,SFの器に納めて書こうとして上手く収まらず,はみ出たり空いたりしているところが随所に見える.けど皮肉にも30年経って古くなってないのは,そのSFからはみ出した部分なのだな.眉村 卓の解説のズレっぷりがそのあたりをアリアリと物語っていて興味を惹く.