- Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150306137
感想・レビュー・書評
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世の中が浅間山荘事件一色の時代で、異端な恋をした4人の話
異常なほど仲が良い夫婦だが、互いに夫婦以外の相手と性的な関係を許している。広い世の中探せば、こんな夫婦結構意外といるかもしれないと思いつつ、実は兄妹でしたなんてパターンは異端すぎてないでしょうと思う。そんな二人に巻き込まれた女子大学生が最終的に夫婦の妻が本当に恋した男を射殺してしまうのだが・・・。異端な恋を神聖視までしてしまった女子大生。自分が彼女の立場だったら、果たしてどうしたか。女子大生の孤独感・虚無感が良く伝わってきた。
人を殺すのに理由は要らないという。そこに銃があったから引き金を引いた。その結果、人が死んだ。ただそれだけだという。人を殺す瞬間が本当にそんなに淡白なものなのだろうか。よく分かりません。 -
”終わってほしくない”と思った小説は初めてである。
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女性作家の恋愛小説は好きじゃないが
これはよくできてると思った。
好きではないけれど。 -
布美子が猟銃を手にしてからの淡々とした描写が好き
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大久保勝也
どんな男
ベンさんと重なる
そんな誠実な男ではなさそうだ
これは恋なのか
恋とは別次元の、別世界の、
話。 -
私はもう片瀬夫妻に憧れたりはしないけど、ふうちゃんが夫妻を自己同一化してしまう気持ちはわかるなあ‥。
それが破滅を迎えるとしたら、やはり誰かを殺さなくてはならず、殺すとしたら大久保なのだろう。
最後の「支えてくれた」「思い出を山のようにくれた」(だっけ?)という一文に、うるっとくる。
山田詠美が大久保を「いい!」と言ってたけど、私は無理だなあ‥。
とまれ、京極夏彦の言う母系集団であれば、異母きょうだいはきょうだいには非ず、さればこんな悲劇は起こらなかったのであーる。 -
内容
連合赤軍が浅間山荘事件を起こし、日本国中を震撼させた1972年冬。当時学生だった矢野布美子は、大学助教授の片瀬信太郎と妻の雛子の優雅で奔放な魅力に心奪われ、彼ら二人との倒錯した恋にのめりこんでいた。だが幸福な三角関係も崩壊する時が訪れ、嫉妬と激情の果てに恐るべき事件が!?香りたつ官能、美しき異端、乾いた虚無感。比類なき美と官能に彩られた小池文学の最高峰!ジャンルを越えて絶賛された直木賞受賞作。