マルドゥック・スクランブルThe Third Exhaust (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-3)

著者 :
  • 早川書房
3.93
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本棚登録 : 1545
感想 : 143
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150307301

作品紹介・あらすじ

科学技術発祥の地"楽園"を訪れたバロットが知ったのは、シェルの犯罪を裏付ける記憶データが、カジノに保管された4つの100万ドルチップ内に存在するという事実だった。チップを合法的に入手すべくポーカー、ルーレットを制してゆくバロット。ウフコック奪還を渇望するボイルドという虚無が迫るなか、最後の勝負ブラックジャックに臨んだ彼女は、ついに最強のディーラーと対峙する-喪失と安息、そして超克の完結篇。

感想・レビュー・書評

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  • すごいおもしろいと感じながら、読んだ記憶があるが内容をまったく覚えていない。
    ラストのカジノのシーンが退屈だったことだけは覚えている。
    最後で残念。

  • 読み応えのある作品に出会った!という感じ。
    中盤までの頭脳戦や、終盤のアクションなど、盛り沢山の内容。しかしながらページをめくる手は鈍らせない。凄いと思った。

  • 上巻はテンポ良くて軽やかだったのにな。後半はほとんどカジノの話になっている。でもサラッと数時間で読めるブラックジャックのシーンを、著者と編集者は発狂しそうになりながらチェックしまくったんだなと思うと感心する。
    ウフコックが科学技術満載で万能なんだけど、カジノの「運」「ツキ」とバロットの「感覚」とをSF的に書くって面白い気がする。
    サニーサイドアップを「満ちたりた世界」とカナを振ったり、縁語のように「卵」にちなんだ固有名詞を繰り出してきたり、全体的に軽くてカッコいい感じの空気感でした。でもバロットの成長物語という感じでウフコック自体の描写は少なく、個人的にはウフコックとバロットのコンビでドカスカ銃をぶっ放す戦いを見たかった。

  • バロット=チャンカワイイヤッター!

  • 最後の1文が書きたくて、と言う言葉を見て、そこに向かって吐きながらも書き切った熱意にあてられました。
    バロットとアシュレイのブラックジャックのシーン、どうなるのかと緊張しながら読み進めていました。
    ボイルドとの戦いも圧巻で、ウフコックが最後まで優しくて、すごいなって。
    読んでよかったって思ってます。

  • 冲方さんの初期の頃の著書。
    ずっと読んでみたいとは思ってましたが、なかなかタイミングが合わず、そのままでした。

    最終巻は、半分くらいカジノが舞台。
    この辺りの描写は、冲方さんが描きたかったんだろうけど私には、なかなか退屈でした。
    全3巻の内、丸々1冊分くらいカジノの描写で、そこで力尽きたのか、最後の戦いは呆気なくって感じ。

    完全の私の好みの話ですが、ウフコック+バロットの戦いぶりが、もっと見たかったかな。
    でも、戦いばかりを描いていたら、この作品が「第24回日本SF大賞」を取ることはなかったのでしょうね。

  • SFの話
    死の寸前に助けられて体を義体化された少女の話。
    面白い

  • 2019.2.17
    最後はちょっと冗長かなー。

  • 著者:冲方丁(1977-、各務原市、小説家)

  • カジノのシーン、長すぎでしょう・・・。

  • マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)

  • 古書購入

  • 小説

  • 全3巻とちょっと量はありますが、この人文章うまいです。なかなか読ませます。んでもってちょっと泣かせます。ひさかたのSFハードボイルド。主人公の少女とネズミがお互いの「有用性」(=存在意義みたいなものかな)を求めてお互いを尊重しあいながら戦うという設定もグッと来ます。オススメです。

    アクションもいいですが、個人的にはハードボイルド特有のちょっと気障なセリフ回しや、人物の内面描写がうまいと思います。カジノでのブラックジャック対決の最後なんて本当にうまいなあと思いました。カジノのシーンは僕も途中でちょっとツラくなりました。でも勝負の最後で思わず目頭が熱くなってしまったのには自分でも驚きましたが。

  • 69:アシュレイとのブラックジャックの勝負シーンは、静かながら確率と運の波を疾走するような力強いものでした。7のカードが3枚、というのは、バロットとウフコックとドクターの3人を現しているのでしょうか。アシュレイとベル・ウィングのカジノメンバーがとても印象的だったので、ラストのボイルドとの決着は(これ抜きに語れないことだとしても)カジノに比べて読む勢いが衰えてしまったのが残念でした。集中力が続かないほど、濃密なクライマックス。当初否定的なことも言ったし、それはあまり変わってはいないけど、1巻を読み始めた頃の拒否感というのはあまりなくて、つまり端的に言うと、面白かった!

  • うーん最後よく分からなかった。。。

  • 後悔しているのは、三冊を続けて読まなかったこと。もっとたて続けに読んでいたならもっと圧倒的なものが押しよせてきたに違いないのに。一巻を読んだときには主人公たちやマルドゥックシティのいわゆる「焦げ付き」が、エンターテイメントのためのものと思えてそこまで入りこめなかった。でも読みおわった今は、それがもっと切実な、存在に関わるものだったとわかる。あのカジノシーンがすべてだと思う。あとがきもすごかった。

  • 【シェルの記憶が移植された100万ドルのチップを求め、バロットたちは彼の雇い主が経営する高級カジノへ向かう。ウフコック、ドクターのサポートを得ながら勝ち進むバロットの前に、ついに世界トップクラスのディーラーが立ちはだかる。さらに宿命の追跡者ボイルドが彼女たちを追い詰める。今、すべての勝負に、決着をつける時がきた!】

     この作品の肝とも言えるカジノ編のクライマックス、そしてボイルドとの壮絶な死闘が今回の見どころです。ブラックジャックは初心者でしたが、ストーリーを交えたわかりやすい説明だったので助かりました。
     最後はこっちも泣きそうになりましたね〜。言葉が泣かせてくれます。
     ボイルドとのバトルは、どれだけ叩いても立ち上がる執念さから、ターミネーターを思い出しました。

  • シリーズ読了。

    書いた後吐いたというカジノシーン。
    有用性。
    ウフコックの最後の姿。
    ストンと腑に落ちるエンディングだった。

    長い話もSFも不得手なのに最後までぐいぐい読めた。
    貸してくれてありがとうございました。

  • 前回のドンパチから一転、カジノのシーンがたっぷり。
    みんなウフコックが大好きだな。。。

  • 全ては偶然の中の必然。
    果たして最後に残るのは虚無だけか。

  • SF史に残ると言ってよい傑作では。
    このボリューム、戦闘やカジノのしつこすぎる展開と描写なのに、全くダレさせない。
    少女とネズミ、ギャンブルと武器、とてつもない強力な敵との対決、乱暴に言えばこんなもんで構成されているのに、サイバーな舞台設定と魅力的すぎる登場人物で読み手を惹き込むこと甚だしい。
    この長いストーリーの全編を通じ、何ら裏切られるものがなかった。
    ラストも染み渡った。驚異的です。
    作者の圧倒的な筆力のなせる技でしょうなあ。
    あとがきで、反吐を吐きながら書いたとある。
    うなずける内容です、感服。
    感動薄れぬうちにヴェロシティに移ることをお勧めする。冒頭にシーンは繋がっている。

  • 最高でした。
    近年稀に見る自分のツボ。
    関連作品も是非見てみたい

  • すっごく面白かった。
    夢中になって読んだ。
    割に細切れで読んだのがもったいない。
    カジノのシーンなんか本当に見事。二巻でも思ったけど、本当に。
    ディーラー・マーロウ(&客)とのブラックジャック、アシュレイとのブラックジャック、シェルとのブラックジャック。
    やっているのは同じゲームなのに、ちっとも飽きない。
    恐るべき筆力。
    戦闘シーンでもぐいぐい引き付けられていくし、それでも人物描写もちっともおろそかにならないし、言葉遊びも随所にちりばめられ、近未来的な世界観の構築も忽せにされない。完璧です。
    1,2巻を読んでいたときは結構ボイルドもバロットもどうでも良かったんですが、最後の方で覆りました。
    あの切実さったらない。
    ボイルドがもう…!!
    シェルなんかお呼びじゃないですしね。
    三巻の真ん中当たりまでカジノシーンで、正直ちゃんと終わるのかな?という気もしていたんですが、どうしてどうして。
    あれだけきちんとしたエンディングもないです。
    書き方によっては消化不良にもなりかねない状況だったと思うのですが、流石です。
    ドクターの台詞から始まって、ウフコックとバロット。
    あの終わり方は素敵です。あれ以上のものはないです。
    幸せを手に入れたくて入れたくて、命も賭ける。
    読んだ感触はすっきりと極上のエンターテイメントで、またその通りなのですが、それだけでは語りきれません。
    繰り返し繰り返しウフコックもドクターもボイルドも、バロットでさえもが求める「有用性」が、胸に迫ります。
    社会に、誰かに。
    自分をきっぱりと「道具」だと言い、でもけして割り切ってそう言うのではなくて、ただ正しく使ってくれる人を求めるウフコックが、色々なことを語っているのだと思います。
    「俺がお前を使ってやる」と言うボイルドの言葉も、聞けば聞くほど。「なぜ俺ではいけないのか」というのが。

  • テンポ、スピード感。
    この作家の良さは、そこに引き込む力と勢い。
    素晴らしいエンターテナーである。

  • ウフコックの優しさにバロットが救われる。 バロットもやさしい子だ。

  • 前巻以上に引き込まれるカジノシーン。心理戦。場を支配しターゲットを敗北に引きずりこむ。勝負は、劣勢であればあるほど読み手としては興奮する。そしてそれも伏線。復讐を果たすもこちら側に虚無感が残る。あれだけの勝負を見事にやってのけながら…それも人間らしい感情か。それにしてもあざといバロット。そしてどこまでも紳士なウフコック。--少しは妬いてくれても良いのに。

  • カジノの続き。前から読むのが大変だと思っていた。しかし、作者もカジノは書くのが大変だった様だ。読むのを小分けにして、少しずつ読み進めた。バロット達は目的の物を得る事ができた。それが過ぎてからの展開も激しく移り、めまぐるしい。ボイルドとの戦いは避けられず。ボイルドは戦いが何故か嬉しそうだ。ウフコックも気落ちしている所、バロットが慰めたりしているあたりが好きだ。

  • めちゃくちゃ面白かった!
    天地より、何故か気になってたマルドゥック。正解だった!
    暴走バロット。
    成長するバロット。
    ギャンブラーバロット。
    色んなバロット、盛りだくさん!
    読み始めると止まりません。
    ベロシティも読もうかな。

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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