どーなつ (ハヤカワ文庫 JA Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
3.38
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本棚登録 : 180
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150308063

感想・レビュー・書評

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  • 文句無しの名作です。
    北野勇作さんの作品の中では、恐らく一番完成度が高いのではないでしょうか。

  • この「どーなつ」の生地には北野勇作のエッセンスが濃密に練り込まれています。おいしいですけど、どこを囓っても真ん中の空白はあり続けます。

    だって、そこが本当に空白なのかさえ不確かなんですから。まぁ、でもわからないから無いんでしょう。

    認識で世界を現出(幻出)する北野ワールドのすべてが詰まっている、北野勇作好きは必ず読んだ方がいい本です。

    言葉でぽんと世界を作っちゃうところは、落語かなと思ったら、6話でそのまま書いてありました。

  • 大方、語り手自身がアイデンティティを失っているので、読んでいる方はその形すら想像できない。ドーナツのように核心に触れられないものかとは思ったが、輪っかの端と端もくっつけられないまま読了してしまった。
    概念的な「戦争」の描かれ方になぜか後ろめたさを感じた。結構疲れた。

  • よくわからない短編集。

    話自体はサラサラ読めるが、
    とらえどころのない物語で
    読んだ後も全く心に残らない。
    半分で挫折。

  • どーなつの穴は味がしないので、だいぶむなしい。

  • ありふれたSFガジェットでも、独特の文体に包んで新しくする感じが上手い。なので、解説にある「皮膚感覚」が大事というのは良く判る。
    時代の感覚を敏感に感じさせてくれる小説は大好きなのです。しかし、逆に賞味期限が短いのもその宿命。
    この小説が体現するのは、90年代後半からゼロ年代前半の感覚。「終わりなき日常」「交換可能な妄想と現実」「だいたい先の見えた未来」・・・。

    個人的には、「震災前」の価値観、皮膚感覚、と呼んでみたい。逆説的ですが、この本が、震災を境に皮膚感覚が変わったことを実感させてくれた。
    この本自体は悪くないです。なので、ちょっと本のレビューとしては不適切です。すいません。

  • 現代社会は1世紀昔からだと十分SFになりうる。だから現在から見て1世紀先の地球科学の常識はSFなんだよ。クラインの壷のように無限に続く穴をくぐっているだけなんだ。日常は少し・ふしぎ。

  • 不思議で不気味な味わい。

  • 桜の木の下で機械仕掛けのくまが踊る。
    終わったはずの世界がみる夢なのか、今はまだ終末に向かう世界の黄昏の現実なのか。

  • フレキシブルに自由にまうように、面白い小説だとはおもうけれど。
    読後になにが残ったかといわれると難しい。

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著者プロフィール

1962年、兵庫県生まれ。
1992年、デビュー作『昔、火星のあった場所』で第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞、『天動説』で第1回桂雀三郎新作落語〈やぐら杯〉最優秀賞を受賞。2001年には『かめくん』で第22回日本SF大賞を受賞。『どーなつ』『北野勇作どうぶつ図鑑』『どろんころんど』『きつねのつき』『カメリ』『レイコちゃんと蒲鉾工場』ほか著書多数。
ライフワークとも言える【ほぼ百字小説】は、Twitterで毎日発表され続けており、その数は4000を超える。

「2023年 『ねこラジオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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