- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150308063
感想・レビュー・書評
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文句無しの名作です。
北野勇作さんの作品の中では、恐らく一番完成度が高いのではないでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この「どーなつ」の生地には北野勇作のエッセンスが濃密に練り込まれています。おいしいですけど、どこを囓っても真ん中の空白はあり続けます。
だって、そこが本当に空白なのかさえ不確かなんですから。まぁ、でもわからないから無いんでしょう。
認識で世界を現出(幻出)する北野ワールドのすべてが詰まっている、北野勇作好きは必ず読んだ方がいい本です。
言葉でぽんと世界を作っちゃうところは、落語かなと思ったら、6話でそのまま書いてありました。 -
大方、語り手自身がアイデンティティを失っているので、読んでいる方はその形すら想像できない。ドーナツのように核心に触れられないものかとは思ったが、輪っかの端と端もくっつけられないまま読了してしまった。
概念的な「戦争」の描かれ方になぜか後ろめたさを感じた。結構疲れた。 -
よくわからない短編集。
話自体はサラサラ読めるが、
とらえどころのない物語で
読んだ後も全く心に残らない。
半分で挫折。 -
どーなつの穴は味がしないので、だいぶむなしい。
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ありふれたSFガジェットでも、独特の文体に包んで新しくする感じが上手い。なので、解説にある「皮膚感覚」が大事というのは良く判る。
時代の感覚を敏感に感じさせてくれる小説は大好きなのです。しかし、逆に賞味期限が短いのもその宿命。
この小説が体現するのは、90年代後半からゼロ年代前半の感覚。「終わりなき日常」「交換可能な妄想と現実」「だいたい先の見えた未来」・・・。
個人的には、「震災前」の価値観、皮膚感覚、と呼んでみたい。逆説的ですが、この本が、震災を境に皮膚感覚が変わったことを実感させてくれた。
この本自体は悪くないです。なので、ちょっと本のレビューとしては不適切です。すいません。 -
現代社会は1世紀昔からだと十分SFになりうる。だから現在から見て1世紀先の地球科学の常識はSFなんだよ。クラインの壷のように無限に続く穴をくぐっているだけなんだ。日常は少し・ふしぎ。
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不思議で不気味な味わい。
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桜の木の下で機械仕掛けのくまが踊る。
終わったはずの世界がみる夢なのか、今はまだ終末に向かう世界の黄昏の現実なのか。 -
フレキシブルに自由にまうように、面白い小説だとはおもうけれど。
読後になにが残ったかといわれると難しい。