リビジョン (ハヤカワ文庫 JA ホ 1-2)

著者 :
  • 早川書房
3.13
  • (16)
  • (43)
  • (104)
  • (37)
  • (6)
本棚登録 : 666
感想 : 55
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311209

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 絶対に前作『リライト』を読んでからこちらを。

    物語は『リライト』から数ヶ月後、とある一組の夫婦に訪れた危機から始まる。
    妻の千秋霞は、一族の女性に代々受け継がれる未来を覗ける手鏡を使い、最愛の息子の死を知ってしまう。
    霞はそんな未来を変えるべく奔走するのだが、何の因果か、事態は混沌とする。果たして………。

    舞台は『リライト』から少し先の未来ではあるが、それらは、同時系列でもあり、過去でもあり、異なる時間軸でもあり、<今>でもある。『リライト』があるから『リビジョン』があるのか、『リビジョン』があるから『リライト』があるのか。『リライト』と『リビジョン』が互いに作用し合ってるかのような世界。
    と、過去と現在と未来が干渉しあって、前作よりもややっこしく、<時間>という概念について禅問答させられてるような感覚もあり、ちょっとしたホラー味もあった。

    自分でも何を言ってるのかわからなくなってきたが、それでも面白い!
    この世界が、<彼>がどういう結末を迎えるのか気になってしょうがない。

  •  シリーズ二作目。

     決定論のタイムトラベル小説に、時間旅行者以外の観測者が存在したらどうなるか。

     事象を確定する鏡を使える観測者がいる。
     その観測者が本作の主人公、千秋霞。

     彼女はパートナーの邦彦との間に男の子を産んだ。
     男児の名前は保彦。
     
     しかし、保彦はどうやっても死ぬ運命にある。
     この運命を捻じ曲げるため、母の執念が時空を歪める。

     という話なのだが。
     リライトと同じく、いまだにこの物語の構造への理解が追いつかない。
     まだ二巻ある。評価には早い。リアクトに続く。

  • ややこしい上にまだ続くのか…

    前作ほどのインパクトはなく、唯々ややこしくなっていくだけになってしまった。

  •  前作『リライト』がめちゃくちゃ盛り上がる場面で終了していたからどう続くかと思ったら、全然別の人の話が始まった。『リビジョン』の主人公は未来を見ることのできる手鏡を所持しており、それを駆使して未来や過去(過去が見える理屈は作中で説明されるが、正直よくわからない)の自分と交信しつつ、生後間もない自分の息子が死んでしまう未来を変えようと悪戦苦闘する。
     215ページと短い小説であり、主人公とその夫はほぼずっと盛り上がっている(息子を死なせたくないので)。盛り上がっているが、正直読み手のテンションとは乖離していた(未来視手鏡周りの理屈が釈然としないまま話が進むので)。最後に色々あるが、それもテンションが合わないまま読み進めることになるので体感としては「気付いたら何か終わってた」ぐらいのあっさりとしたものになる。そして結局前作の人々がどうなったのかは全く触れられない。まあシリーズはまだ2作あるので・・・・・・。

  • シリーズ2作目。先が気になってどんどん読んでしまうんだけど、今作も何だか理解しきれないまま読み終えた感じ。

    途中途中で、作者が顔を出すというか、『前にも書いたが』『話を霞たちに戻そう』というような書かれ方をしていて、何だかそのたびに現実に戻されてちょっと興醒めしてしまった。

    鏡に関しては、急にルールが作られていくような感じ。後半の展開も何だか無理やりで、後からつけた理由で納得させられるようにしか思えなかった。置いてけぼりをくらったまま進む感じ。

    「リライト」の内容も、出てはくるものの思ったほど関わってこず。リライトのお話はリライトの中だけで終わりなのかなー。

    うーーーん。一気に読めたしつまらなくはないんだろうけど、読み終わった後の気持ちは『あんまり面白くなかったなー』だった。でも3作目も読んでみる。

  • 何か、わかるようなわかんないような。園田保彦の存在がよくわかんなかった。でもこの混乱するかんじが面白くて一気に読んでしまう

  • 『リライト』の内容が大きく関係している。
    しかし、前作ほどの衝撃はない。

    時系列がより複雑になってきており、説明が不足していて置いていかれる。

    時間SFなら、時間が地続きの一本なのか、IF・パラレルワールドが存在するのかを明らかにしなければならないと思うのだが、本書はどちらも混在しているように思う。
    過去に改変した場合、未来も変わるのか、新しい平行世界が生まれるだけなのかはっきりしない。

    未来を見ることができる鏡も、見るだけで時空に干渉していくというのがいまいち理解できない。

    そして、霞と邦彦にはパラドックスの修正が起こったのに、ヤスヒコには起こらなかったのか・・・・・・。

    次巻『リアクト』に続くようなので、そこで解決されることを願う。



    2017年5月26日
    続編を読むために再読。
    以下ネタバレ注意。

    ※ネタバレ注意※

    『リライト』よりもわけがわからない。

    前回読んだ時と同様の疑問が、なぜ霞と邦彦の存在は消えたのに、二人の子である保彦の存在は消えないのか?

    坂口霞となった世界で、園田保彦が書店を訪れ、霞がリビジョンを使って保彦が体調を崩し、病院に行くまではわかる。
    でも、どうしてそこにヤスヒコがいるんだ?
    その時間軸では坂口霞なのだから、千秋邦彦との子供であるヤスヒコはそもそも存在しないのでは?

  • 母親が子供を助けるために見えた未来を捻じ曲げようとして起こるパラドックス。前作「リライト」を読んでいることが前提です。その「リライト」のインパクトが強すぎたのでこちらの方がさらにえげつないことになっているのに、さらっと読み進めてしまい後悔しました。正直、しっかりと考えて読んでいないと相当分かりにくいです。ラストを何度か読み返してようやく理解しましたが、シリーズ4部作ということなのでこの一冊は途中の一冊として読むのが正しいのかもしれません。どんな結末が待っているのかシリーズの続きも読んでみます。

  • 前作『リライト』から続く理不尽SFミステリの本作。同時並行の前作と違い、話そのものは一本筋だが、時の迷宮とでも言うべき複雑な時間軸を舞台に物語は進行する。小気味よいテンポと狂気に満ちた心理描写、日常が知らず知らずのうちに改変されていく恐怖は、ゾクゾクとするホラーに仕上がっている。相変わらず共感に欠ける登場人物ではあるのが難点だが、その登場人物に対する冷徹な視点や、一種の手加減のなさが魅力でもあるのでそこは評価の分かれる所であろう。最後のほうにミステリ的な種明かしもあり、狂った話が綺麗に収束するので、スッキリとした後味の悪さという、相反する読後感がある。四部構成だが、このテンポの良さと、時間SFでありながらパラドックスを描いている話なので、現在進行形の物語として楽しめるのはポイントが高い。

  • 『リライト』に続き、法条作品二作目。タイムリープもの。話がちと複雑過ぎて混乱中…。前作の未来がおかしくなった原因が描いてありました。これはシリーズ全て読まないとダメだ——。と言うわけで『リアクト』へ。

全55件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1982年、静岡県生まれ。『バイロケーション』で第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞。

「2010年 『バイロケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

法条遥の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×