作品紹介・あらすじ
渡仏した黒猫と、日本に残った付き人。二人の旅路を交差させるのは“生きている塔”?
感想・レビュー・書評
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約束によって突き動かされる。
トットとエレナは15年間その約束によって動いていた。
遡行する塔は芸術作品として他を魅了するが、実際は少女であるエレナからトッレの恋心が根本にあるというのが切ない。
付き人と黒猫もこのタイミングで言葉ではない約束がやっとできた。
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イタリアで塔の謎を解く話。いやまさか屋敷の人が俳優だったとは。突然後ろ姿でいいから映画出るってアリなの?エンドロールに名前出るんじゃない??ギャラもらった??祭りの時とかちゃんと映画ロケしてますと言った??肖像権大丈夫???とかそんな細かいことが気になってダメだった。黒猫とマチルドのコンビが「絶対にくっつかない安心感」があって割と好きだった。今回のポォ作品は『メエルシュトレエムに呑まれて』。
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2人とも気持ちは言葉に出さず、約束に向かって歩き出す。イタリアという遠い地で、やっと、やっと逢えたのに。でもそれが黒猫と付き人らしい。
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2019/06/13
冒頭「浮気じゃん……」
中盤「浮気じゃん!?」
読後「なんかよくわかんない」
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黒猫シリーズ第5弾。
第4弾までの、短編は面白く長編は小難しく今一つというこのシリーズの傾向を覆す作品。
建築家亡きあとも「成長」し続ける塔の謎を解くミステリと、黒猫と付き人の関係を一歩進める展開に胸が締め付けられる。
黒猫も付き人と同じように悩んでいるんだとわかってニヤリ。それにしても、自分に厳しく、好きな人に背を向ける付き人に、じれったいような尊敬するような気持ち。
あ~一刻も早く第6弾を読んで、二人のこれからを見届けなくっちゃ!←もはやミステリは二の次(笑)
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遡行する塔の問題より二人の関係が気になってしょうがない。
言葉が無くても交わされた約束を感じ、互いにそこに向かう事を信じているのが凄いなと思います。
成長してそこにたどり着くようにと、歩みを止めない姿勢が美しい。
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2人の濃密な時間がじれったく、彼女の頑なさがじれったく。
逆さを向く塔はとても興味深く、その背景にあるストーリーもまたなんとも残酷でなかなかわくわくする展開だった。
2017.4.20
著者プロフィール
1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。
「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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