- Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150312947
作品紹介・あらすじ
香港法人の代表取締役として出向を命ぜられた、IT企業ジェイ・プロトコルの中井優一を待ち受ける陥穽とは? 解説:北上次郎。
感想・レビュー・書評
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IT企業の陰謀戦!そして美しく哀しい恋愛を描いた極上のクライムサスペンス!
香港、日本、マカオ、ベトナムなどアジアを舞台にしたハードボイルド経済小説。
高度暗号化技術を使った交通系ICカードを販売するIT企業<ジェイ・プロトコル>。
そのエリート社員が、香港で予期せぬ陰謀に巻き込まれていく。
一体何が起こっているのか?何が始まりだったのか?始めたのは誰か?
敵味方わからぬまま進むストーリーに興奮がとまらない。
まずタイトルの秀逸さが目を引く。
「未必」とは、刑法用語の「未必の故意」として知られる。平たくいえば「積極的に殺すつもりはないが、べつに死んでもかまわない」という心理状況で、故意と同様に解釈される。
『マクベス』はシェイクスピアの四大悲劇の最後のひとつ(『ハムレット』『オセロー』『リア王)』。
つまり「(主人公は)自分がマクベス王になろうとかまわない」ということだ。
はたしてマクベス王はどんな最期を迎えたか。そして、主人公の最後は・・・。
このタイトルと、作中で繰り返される『マクベス』の解釈が、いやおうにも「破滅の予感」を読者にいだかせる。
物語の進展とともに、やがて緊張は臨界点に達する。そして・・・。
IT企業の金と闇。それに絡む人間模様。『マクベス』になぞらえた構成が素晴らしい。
予言通りの一本道の結末か、いや違ってくれと願いながら、クライマックスを迎えた。
この<幕引き>はぜひ読んでいただきたいです。
悲恋、自尊心、友情、裏切りなどを自分のこれまでの人生と重ねたり、なんだか喪失を感じたり。
クオリティの高さに驚かされた、素晴らしい作品でした。 -
これは抜群におもしろかったですね〜。
久しぶりに完全集中で一瞬で読み終わりました。
ただ、不思議なことに細かい内容はよく分からなかったです(褒めてるわけでも貶してるわけでもないです)。なんでこんなことになっているのかわからないな〜と思いながら読み進めていたら本が終了しました。
魅力的な登場人物が多くいるのですが、全ての登場人物が本音を語っていないように感じます。
ただ、その本音の解説は作中にはなく、読者が読み解くしかないようになっています。
そして、それこそがこの本のおもしろさであり難解さなのかと思います。
今回は私の読書力が至らず、敗北です。
何度か読むとまた違った感想になると思うので、少し時間を空けてもう一度読もうと思います。
読書好きな人はぜひ読んでみてください。
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「貧しい人を見て、ひとときの哀れみを感じることもなくなる。あるいは、指が四本しかない子どもを抱えた老婆を見ても、この街では物乞いもビジネスなんだな、なんて、知ったようなことを考えてしまう。それと同じように、きれいな景色を見ても、ああこんなものか、としか思わなくなる」
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文庫本606頁、、、
いつもと違う本屋さん、有隣堂さんへ。
縦横5冊5冊の25冊の平面に山積み、、
こんな良い恋愛小説あるだろうか、あなたは昔の恋人の名前をきっと検索するだろう…みたいなPOP。
表紙の景色も綺麗。
惹かれて買ってしまったじゃないかー!
読み始めると想像と全然違う雲行き。٩( ᐛ )و
ん??
裏面読むと、、なんか違う!!
香港やらManilaやら、色んな国を旅してるような気分になれたのは良かったけど、
私には、なんだかよくわからないお話でした笑
なんかなあに!?これは。わからん。。どゆこと??と、、最後まで頑張って読んだけどー。
評価高い作品のようですが、難しくてよくわからず、私はターゲットでは無さそうでございました。
理解できたら、めっちゃ面白いーってなるんだろうなと言う点は感じられましたが……-
なんなんさん
なんか違うぞ!ってことありますよねw
最後まで頑張って読んだで賞を授けます!wなんなんさん
なんか違うぞ!ってことありますよねw
最後まで頑張って読んだで賞を授けます!w2024/01/16 -
1Q84O1さん、賞ありがとうございますー笑
誰かに詳しく解説して欲しいくらい、よくわかりませんでした(・・;)1Q84O1さん、賞ありがとうございますー笑
誰かに詳しく解説して欲しいくらい、よくわかりませんでした(・・;)2024/01/17
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レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。
以下文庫版うらすじより
IT企業Jプロトコルの中井優一は、東南アジアを中心に交通系ICカードの販売に携わっていた。
同僚の伴浩輔とともにバンコクでの商談を成功させた優一は、帰国にの途上、澳門の娼婦から予言めいた言葉を告げられるー「あなたは、王として旅を続けなくてはならない」。
やがて香港の子会社の代表取締役として出向を命じられた優一だったが、そこには底知れぬ陥罪が待ち受けていた。
異色の犯罪小説にして、痛切なる恋愛小説。
普段、ミステリーは読みますが、犯罪小説はあまり読んだことがないので、読んでいて気分がよくなるとは言い難かったです。
主人公が人殺しを平気でします。
そこのところが受けつけにくかったです。
ハードボイルドとも言うのでしょうか。
タイトルにある『マクベス』がどういう話であるのかは本書で何度も語られるので…と文芸評論家の北上次郎さんが解説でおっしゃっていますが『マクベス』はどういう話なのかも結局私はわかりませんでした。
わかればもっと面白かったのかもしれませんが。
恋愛パートは秘密が明らかにされる場面で「そういうことだったのか」とひざを打ちましたが、たくさん人を殺して自分の大切なものだけ守ろうとする主人公に感情移入ができませんでした。
女性たちの哀愁は伝わってきましたが、やっぱり主人公のやったことを考えると私はダメでした。
映画にしたら映えそうな気もしますが。
ただし、北上次郎さんは、この作品を2014年のエンターテイメント小説の2位に推されたそうです。-
2020/08/28
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2020/08/28
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2020/08/29
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とても面白かったです。星10くらいつけたい。年始にこの素晴らしい物語を読むことができたので、いい年の始まりを迎えた感じがします。
この作品のようなハードボイルド系の物語が自分はとても好きなんだなと読んでて気づきました。主人公の想いの強さに心揺さぶられました。
また、作中に出てきた「深夜特急」を読んでみたらとても面白くて、絶賛ハマり中です。香港を旅してみたい。 -
書店のPOPを見て買う予定にない本を手にとるのは、やはり本屋の魅力の1つですね。
よい作品でした。
主人公や、その他登場人物がマクベスをなぞらえてストーリーが進む。
友情・恋愛・金・裏切り・陰謀もろもろ、大手IT企業に勤める主人公を翻弄する。
600頁の長編ですが面白くて一気読みしました。
マクベスってとこでおおまかな結末はもうお察しかもですけど、色々と足掻くけどどこか冷めてる主人公。
うまく説明できないけどいいバランスでストーリーは進む、ちょっと無理がある部分もあったりして絶対評な価は難しい。
けどもう一度言うことになるけれど、面白かったのでおすすめしたい作品です。 -
主人公の「会社に始末されるかも?・・・じゃあ、殺すか」っていうぶっ飛んだ方向性にちょっとついていけないかもって思った。シェイクスピアのマクベスという話の流れに当てはめようとしていくのが少し強引なのではとも感じた。
ただ最後まで難なく読み切ることができたのは面白かったからなんだろうと思う。
これは全く関係ないけど、これを読む前に西村賢太作品を読んでいたため両作品の主人公の生活レベルの違いに戸惑った。(この作品の主人公は大企業の管理職から孫会社の社長へ、そして毎日超高級ホテル住まい、資産莫大)。お掃除業者にマンションの掃除を頼む場面があるのだが、業者に対する態度は「金持ちの糞嫌なヤツ」が出ていてここで一気にこの主人公である中井が嫌いになった。 -
分厚い本でしたが、前半から続きが気になり楽しく読めました。でも、あっさりと殺人を選択するなんて、なんで⁉︎
後半一気に話が進む感じですが読解力不足かしら?
少し、なぜ?なぜ?と疑問に思いつつ読み終えました。
面白かったので、時間を空けて読み直して、きちんと消化しようと思います。
マクベス王と言う事は…(>_<)
マクベス王と言う事は…(>_<)
HENTAIは微妙ですが、クズっぽいやつはいたので良ければ読んでみてください。
そして、クズを集めて『クズアベ...
HENTAIは微妙ですが、クズっぽいやつはいたので良ければ読んでみてください。
そして、クズを集めて『クズアベンジャーズ2024』も開催だ!笑