留萌本線、最後の事件 トンネルの向こうは真っ白 (ハヤカワ文庫JA)
- 早川書房 (2020年4月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150314309
作品紹介・あらすじ
北海道ののどかな大地を走る留萌本線でハイジャックが発生。犯人はなぜか道議員を交渉役に指名し、半端な身代金を要求するが……
感想・レビュー・書評
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2020年4月ハヤカワ文庫JA刊。書き下ろし。JR北海道の留萌本線を使ったミステリ。興味がモテなさそうなタイトルだったので、期待せず読み進めましたが、これがなかなか面白い。どう決着するのか、気になって、一気読みしてしまいました。サスペンス要素たっぷりでした。
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鉄道にまつわる背景のミステリーです。
名探偵が出て犯人を追い詰める作品ではないですが、ハイジャック事件の裏に隠された真意や過程がとても丁寧な描写で、むしろ犯人に肩入れしそうな感じでした。 -
廃線の前にと鉄道ファンの浦本が乗った留萌本線の列車がハイジャックされた。犯人は人質とともに立てこもり、警察には「道議会議員の河出を交渉役に、身代金として1億7550万を要求する」と連絡が入る。果たして犯人の目的は‥
列車内の人々と警察交互の視点で話が進み、スピーディーな展開で一気読みだった。炭鉱が栄えた時代に活躍し、今や廃線となる鉄道に対するノスタルジーや愛情が胸に迫ってくる物語。
鉄道黎明期の「開化鐵道探偵 」シリーズもよかったし、この作者の鉄道ミステリは面白い。 -
鉄道や北海道に思い入れがあるせいか…そればかりではないですが、とても良い作品だと思いました。
犯人がしていることは、良くないことなのに、なんだか切ない…涙が
そして、最後にカラクリがわかった時の驚き。
心に染みる作品でした -
どんでん返しが鮮やか。西村京○郎先生の鉄道ものよりもはるかにおもし…
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現地を知らないと読まなかったかな。
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いわゆる「探偵の謎解き」的ミステリではない。
留萌本線で発生した、列車ジャック事件がテーマで、
周到に寝られたv計画、翻弄される警察、
想定外の犯人像、炙り出される過去の悪事...
読んでいるうちに、いつの間にか「犯人側」に肩入れし、
「このまま完全犯罪で逃げ切れ!」などと応援してしまう(^ ^;
ただ、本作の「事件の真相」は、予想以上にヒネくれている。
徐々に明らかになる「真の目的」、現代的な「仕返し」手法、
意外な黒幕などなど、ものすごく盛りだくさん(^ ^
ややご都合主義的(失礼!)な印象も持ちつつも、
最後まで息もつかせず読ませる筆力はさすが(^ ^
あとがきを読むと、急に「力が抜けた」文章になるのは、
それだけ「密度の濃い」本文だった証拠かと(^ ^
色々思うところはあるが、ネタバレが怖いのでこの辺で(^ ^; -
最後の謎解きで、納得
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better than I thought before reading
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2020/04/24読了