モータル・フィア: 死の恐怖 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 2-6)

  • 早川書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150405373

作品紹介・あらすじ

精密検査で健康と診断された三人の男性が、たて続けに死亡した。保健計画センターの担当医師ジェイソンは首をひねった。何かの検査ミスだろすか?その夜彼は同僚で天才学科者と称されているヘイズに呼び出された。ところが、驚異的な発見をしたと語った直後、ヘイズは突然血を吐き、彼の目の前で死んでしまったのだ!ヘイズのいう大発見とは何だったのか、ジェイソンは探り出そうとするが、一人で検査で異常がなかった人々の突然の病死があいつぐ。健康なはずの人がいったいなぜ…?深まりゆく謎に、ジェイソンは敢然と調査を始める。

感想・レビュー・書評

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  • 88年の作品。
    免疫を持たない異種蛋白質の侵入が人体に及ぼす影響の恐ろしさ。変異していく環境の中で、生き物として免疫をどの程度早く獲得していくいかが種全体としての生き残りに影響していく。失敗した個は死ぬしかない。パンデミックの恐ろしさはここにあるのだと思う。
    遺伝子治療研究の事故を描くこの作品では伝染性の問題は描かれないけれど、本来あってもおかしくはない。武漢の研究施設からの漏出の疑いも政治的に利用されているのもうなづける。現代においてこそリアルな危機ではないか。Stay Home。

  • スピード感が適切

     クックの作品は長すぎるものが多い。しかし、この作品は適度に短く(350頁ほど)、テンポも速い。

     筋書きが早めに読めてしまうことを除けば、時間つぶしにはもってこいの医学サスペンスかな。

     相変わらず主人公の医者は殺し屋相手に活躍するし、美人が主犯であることはおきまりなんだが。

     ストーリーは単純。患者が健康と検診された後すぐに死んでしまう。新種の伝染病かと疑いを持つ主人公の医者は、同僚の研究医から「すばらしい発見」の話を聞く。発見とは遺伝子操作で、老化を促進する死の遺伝子だったって話。

     現実には、生き物は死の遺伝子を作るようにプログラムされていて、ある時期(寿命)が来たらそれを体内に放出するらしい。この死の遺伝子の発生を止めることができれば、アンチ・エイジングが可能。この技術はSFの世界ではすでに実用化されている。近い将来、現実の世界でも実用化されると思うと楽しみであると同時に困難な状況の発生が予想されるなぁ。

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