偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)

制作 : Duncan Watts 
  • 早川書房
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本棚登録 : 729
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150504007

感想・レビュー・書評

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  • 成功に偶然あり
    失敗に必然あり
    予測に力を入れ過ぎないこと

  • 面白かった。
    もちろん訳者の方の力もあるだろうが、とても読みやすい。

    著者ダンカン・ワッツが説く「スモールワールド」という概念は知っている人も多いと思うが(世界中の人と人の間には平均6人存在する)、この本はそれにも言及しつつ、もっと広く社会学を語っている。
    物事には明確な理由がなく、複雑な要因が絡まって結果がある。
    常識の脆さ、因果の複雑さ、予測の困難さ、それを一つ一つ説いていく。
    自分が認識している世界に対し懐疑的な視点を持ちたいならこの本を読むべきだ。

    しかしながら人が常識に頼ったり予測をしたり因果を単純に理解したがるのは、自己防衛でありリスクヘッジだ。
    それらが不可能になれば、社会は人にとってもっと耐え難いものになるだろう。
    私は常日頃常識を鵜呑みにしないことを心掛けているが、それでも多くの常識に振り回されているし、様々な「当たり前」を何の疑問もなく受け入れている。
    そして比較的直感を信じるタイプである。
    中でも言及されているが、「悪い計画でも無策よりはまし」だし、何か事があればそれを理解することで自分を落ち着かせる。
    これらは生きる知恵なのだ。

    ダンカン・ワッツは予測困難な偶然の世界の中で、どうすればよりよく未来を予測ができるのかも説く。
    私には結局の所、情報が大切なんだと説いているように見える。
    広い世界を知り、統計を元にし、理解すること。盲目にならず、前提を排除し、想像の介入を許さないこと。

    本序盤では、ダン・アリエリーが「予想通りに不合理」という著書で述べられた実験のいくかがいくつか見受けられ、その焼き直しなのかな? と正直思った。
    しかしながらダンカン・ワッツはただ広範囲に論文を読み、多くの知識があるだけのようだ。読みすすめると参照している研究が他にも多数出てくる。
    巻末の脚注も読み応えがあり、仕事が丁寧、あるいは厳密に事実もしくは根拠を提示し論を進めている印象。
    不用意な断言はしていないところも、慎重な印象を与える。

    バックグランドがかなりユニーク。理論応用力学の博士号を持っており、その後海軍、社会学者。
    優秀なんだろうな。

  • サイエンス

  • 548円購入2018-07-05

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】

  • "人間の社会的行動を科学の目で分析する。そんな一見出来そうもないことに挑んでいるのが本書。
    社会科学をアカデミックに学びたくなる。"

  • 多数の個人の意見を、それが専門家であろうとなかろうと調査し、平均をとることである。

    最近の社会学のまとめというかんじもしないではないが、いかに自分が常識と思っていたものの危うさがわかっただけでも良かった。でも多くの情報を集めて調査をするということで誤差を減らせるとか、心がけ次第で減らしていきたい。

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