現れる存在: 脳と身体と世界の再統合 (ハヤカワ文庫NF)

  • 早川書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150505912

作品紹介・あらすじ

生命の心は、脳と身体と世界の相互作用から創発する。認知科学の第一人者が、微生物や人工生命などの例を交えて提起する心の科学

感想・レビュー・書評

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  • アンディ・クラーク「現れる存在」読了。本書を読む前は自我や意識は脳に由来すると思っていた。しかしそれは脳と身体と周囲の世界の統合から生成すると考えられるとの事でとても衝撃を受けた。読み進めるうちにその考えに魅了され特に言語に対する著者の見解から昨今の生成AIの意義が深い事を感じた。

  • 読書猿さんの『独学大全』の注にある本は無条件に読んでみようと、闇雲に挑戦したのだが、難解で内容をつかむことができなかった。強いて言えばエピローグの寓話が興味を失わず読めた程度か。
    しかし、「外部足場」という概念だけはうっすらと理解できたような気がしている。

  • 系・院推薦図書 3系(情報・知能工学系)
    【配架場所】 図・3F開架 
    【請求記号】 114.2||CL
    【OPACへのリンク】
    https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/468261

  • 「生まれながらのサイボーグ」のアンディ・クラークによる
    認知科学の本。原著は1997年発行と古い本ではあるのだが
    文庫本化されることからもわかるようにその筋では古典的
    名著と言っていいだろう。認知はただ脳のみにおいておこる
    のではなく、身体や外部環境(記憶媒体や言語・社会など)を
    含んだ形で成立しているという観点は「生まれながら─」に
    通じている。やや難解ではあるが認知科学について知ろうと
    思うなら読んでおいて損はない一冊であろう。

  • 人間の認知や心のプロセフの問題を、脳の働きを表象と計算主義的なモデルだけで説明するのは無理がある。それは必要な説明形態だが、それだけでは足りない(捨てるわけではない立場)。
    心のプロセス(自己、意識に限定されないもの)が、環境と可塑的に相互作用、共進化する行為認識の中にあることを強調する。本書でも触れられているが、ギブソンのアフォーダンス、メルロ=ポンティの身体的な意味論と共振するような考え方だ。
    外部の媒体を利用することで、脳が働くプロセス自体を省エネがする動的な行為的認知のあり方を繰り返しといている。大著だが正直主張しているのはこれだけだ。
    心のプロセスのイメージとしては、沢山の非言語的エージェントが蠢く非集権的なサブシステムの集合というデネットのイメージに近い気がする。
    ハードプロブレムの議論は避けられている。

  • 文庫ではありますが、認知科学の専門書。ロボットの動きなど工学からアフォーダンスなど認知心理学まで幅広く網羅されていますが、難しい!

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著者プロフィール

1957年生まれ。イギリス(スコットランド)のエジンバラ大学哲学教授(論理学形而上学講座)。心の哲学および認知科学の哲学を専門とし、特に「身体性認知科学」の世界的リーダー。

「2015年 『生まれながらのサイボーグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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