検察側の証人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-54 クリスティー戯曲集 2)
- 早川書房 (1980年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150700546
感想・レビュー・書評
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映画「情婦」がとても面白かったので
読んでみたくて。
戯曲ってなじみがなかったけど、読みやすいですね。
小説版はエンディングが違うみたいなので
そちらも気になる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
#赤背表紙のクリスティーを再読するプロジェクト 034
有名な舞台演目だけど、脚本になる前のオリジナル短編小説とはエンディングが微妙に違うのか。先に読んだ短編小説の方が法廷サスペンスしては鮮やかな終わりかたと思うけど、人それぞれかな。 -
クリスティーの戯曲の中では最高傑作だとおもいます。
なにせ、どんでん返しがすごい! -
中学の舞台劇部でこの戯曲を実際に舞台化しました。法廷劇とびっくりする結末で、今でも大好きなミステリーです。
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戯曲なので、
あっという間に終わってしまいます。
だから内容も…とおもったら大間違い。
最後におもわぬところから強烈な一撃がまいりますので
そこのところはご注意。
でも戯曲だけど、
ちゃんと落とすところは落としていますし、
最後のあれなんかは…
最後まで油断禁物。 -
一気に読んでしまいました。すごい。サスペンスってこれだから好きよ!!!
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往年の大女優、マレーネ・ディートリッヒがタイトルロールを演じた映画「情婦(すごい邦訳だ)」を見て衝撃を受け、急いで読みました。プロットはクリスティの他のミステリと同様の緊張感があふれます。裕福な老婦人が殺され、その家に足しげく通う若い男が殺人犯ではないかということで逮捕される。彼には不利ながらもアリバイが存在しそうだったのですが、そのドイツ人妻(タイトルロールの「検察側の証人」)の証言で裁判は…という法廷劇です。検察対弁護側のやりとりというよりも、被告弁護人のウィルフリッド卿と、被告の妻ローマインとのやりとりがスリリングです。卿はローマインの微妙な食えなさを感じつつ、なぜそのように彼女が振舞うのかを探りながら法廷で弁護を行います。裁判は読者の思うとおりに終わるかと思いきや…見事です。幕切れの台詞もふるっています。舞台がウィルフリッド卿の事務所と法廷だけなので、どたばたと舞台が転換せずに落ち着いて楽しめます。正統派の、破綻なくピシッと締められる戯曲ですので、この☆の数とします。
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20101202
シリアスなミステリではないので、殺人事件が起こったところで被害者もただの道具、感情移入の余地はないし、その他の登場人物もクライマックスへ向けてのただの駒。
あっと驚くどんでん返しがあればそれでいい。
しかしこのラストはひどいと思う。
筋としての欠陥を言うのではない。割り切って楽しむなら世に言われているように名作だと思う。
しかしこのラストはひどい。
人間の心を真っ暗闇に落とし込む。
作者のクリスティがそれを狙ったのだとしたら、星4をつけてもいいかもしれない。
でもただの娯楽だとしたら辛い。
素直に楽しめないのは、たぶん読み方を間違えたのだろうと思う。
それでも、とても暗い作品だとは言えると思う。