- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150701048
感想・レビュー・書評
-
看護婦ジェシイ・シャーウッドが休暇を切り上げて戻ると、赤ん坊は亡くなっていた。
顔にかかっていた手形つきの枕は、いつの間にか消えていて……。
タイトル通り、エラリーの手を借りないところが、まず新鮮。
退職し、暇を持て余したリチャード・クイーンが、同じく元警察官のご老人たちと、協力し合う。
こつこつ地道ながら、真相に向かっていく捜査が、おもしろかった。
ロマンスつきの王道的展開。
ジェシイの前では、いろんな面を見せてしまうクイーン警視が、ほほえましい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2002年1月3日購入
2002年1月18日読了 -
読み終わりました^^
あとがきには老人同士の恋愛物語とありましたが……もちろん、全体は推理物なので楽しく読めました。
クイーン警視と犯人(と推定される人物)との攻防。
どの推測が間違っていて、どこまでが正しいのか。
やっぱり、推理物は好き☆
探偵役がいると、探偵が一人で勝手に納得して話が進んでいくけど、……これはばたばたした感じが逆に親近感を持って読めました。
推理物……好きだけど、推理は立てられない(笑
最後の真実もなるほどーと読めた。
とりあえず、満足でした~♪ -
エラリー・クイーンの父親であるクイーン警部が主役の小説。(エラリーが海外旅行中に起こった事件)
【あらすじ】
定年退職を迎えたクイーン”元”警部が余暇を過していた海辺の島に建つ富豪宅で、生後2ヶ月の赤子が亡くなった。第一発見者の看護婦は枕カバーに残った手形から他殺を主張するが、その証拠品は発見できず、事件は事故として処理されてしまう。
しかし、他殺の線を信じるクイーンは、その看護婦とともに証拠集めを開始する。
【感想】
本作は人身売買と赤子殺しという一見陰惨なプロットから始まる。しかし、そこにクイーン”元”警部と看護婦による壮年期のラブロマンスが組み合さっており、物語は暗くなっていない。しかし、二人のやり取りはもどかしい。。。
トリックの内容は並。他のエラリー作品を読んだ人なら真相に対する意外性も少ないのでは。クイーンが警察組織に所属していないため捜査し辛いとはいえ、容疑者に都合の良い状況設定(証拠品や目撃者が見つからない、等)になっている点が気になった。 -
クイーン警視もの。エラリーが小説の取材のためヨーロッパに行っている時、警察を退職したリチャード・クイーン警視は、かつての部下であるエイブ警察署長の家で夏を過ごしていた。しかし、管内で赤ん坊が窒息死する事件が発生するが、保母のジェシイはそれが殺人だと指摘する。しかし、その証拠になる枕カバーが見つからず、事故死とされるが、リチャードとジェシイは殺人として捜査を開始する。
エラリーが登場せず、リチャード・クイーン(元)警視が主人公になる唯一無二の作品。これまでフォーカスされてこなかったリチャードが主人公になるということで、とても読んでいて新鮮でした。ストーリーの展開としても、これまでクイーンがあまり書かなかった、アガサ・クリスティでよくあるようなサイドストーリー混ぜ込み作品でした。
ミステリとしては、リチャードなので論理的な推理ではなく警察手法です。したがって、聞き込みベースで、今回は特に対象人物が決まっていました。少々、同じような箇所をめぐることもあり、退屈だったりもしたのですが、冒険ミステリっぽい箇所も多くわくわくできたりもして良かったです。
解説を読むとちゃんと伏線が張られているらしく、再読してみたいところです。 -
1956年発表
原題:Inspector Queen's Own Case