緑は危険 (ハヤカワ・ミステリ文庫 57-1)

  • 早川書房
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150730017

感想・レビュー・書評

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  • 読みたかった本。第二次大戦中のイギリス陸軍病院で運び込まれた患者が手術目前に不審死。その夜居合わせた医師と看護師が怪しまれる中次の事件が‥。意外な犯人に驚いた。恋愛話と途中の推理合戦もどきが面白かった。訳が少し難ありか。

  • 映画 「ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ」をみて、原作者「クリスチアナ・ブランド」を知った。
     ⇒ URLはこちら https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/5c483a7318a0568324711d8ef2e664c5 『映画「ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ」を見る』 :  〜 Myブログ「https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005

    「マチルダばあや・・」シリーズは、はユーモアたっぷりの児童小説だが、
    全く違った本格推理の作家らしい。その本を読んみよう

    2012/1/11 予約 1/18 借りる。 1/25 読み始める。 1/28 中止。
     借りた本は、S58年(1983年)二刷 ¥380
     図書館カードの最後に借りたスタンプは、63.3.1
     かなり黄ばんで 字も小さい、昔の本です。

    内容と著者は

    内容 :
     第二次大戦下の英国、陸軍病院で起きた殺人事件を、コックリル警部が調査していく本格ミステリ。

    著者 :
    1907〜88年。マラヤ(現マレーシア)生まれ。
    著書に「ハイヒールの死」「緑は危険」「ジェゼベルの死」等。
    チャイナ・トンプスンやメアリー・アン・アッシュ等の名義でも作品を著す。

  • 戦時下のイギリス陸軍病院で起こる殺人事件。ばんばん空襲があって、みんなてんてこまいで、その特殊な状況の描写がまず興味深かった。容疑者6人しかいないし、情報はフェアに出そろってるのに、犯人ぜんっぜんわかんなかった。訳はかなり古め。

  • 登場人物は限られており、冒頭で7人の中に犯人がいることが宣言されている、パズラー小説。
    この7人と患者1人との間の恋愛模様を織り交ぜながら、2つの殺人事件と2つの殺人未遂事件が発生する。
    犯行の可能性、殺人の方法や動機など、それぞれに工夫が凝らされている。
    2つ目の殺人事件で、被害者が二回刺されていた理由、手術着を着せられていた理由の真相が面白いし、3つ目の殺人未遂事件の動機も面白い。
    しかしながら、1つ目の殺人事件と4つ目の殺人未遂事件における手術中の殺人トリックだが、このような方法が実現可能かどうかを、読者には判断できない。
    この方法がわかって初めて、誰が犯行を行いえたかを考えることができ、2つ目の殺人事件における「二回刺されていた理由」も説明できるので、読者には最後の方まで推理ができない。
    また、犯行動機は登場人物の過去に根差しているのだが、そのつながりが直接的には書かれていないので、想像力が必要。
    読者がこの真相を推理するのには、相当な推理力が必要ではないだろうか。
    コックリルの捜査だが、容疑者を隔離しての焦らし戦術であり、事件に対する議論が不足しているのが不満。

  • 戦時下の病院という密室のなかで、複雑に絡み合う人びとの疑惑。意外な結末な結末にすっかり脱帽しました。
    伏線の絶妙さに、思わず騙され、ひやりとした感覚まで味わえます。
    翻訳ミステリ故の入り込むまでの気力は必要ですが、第二の事件まで行けばノンストップでいってしまうほど。
    クリスティーなどの王道が好きな人にはおすすめです。

  • 昔読んでとても好きだったミステリ。医療もので迫力あった微かな記憶が(笑)
    再読するぞ!

  • 1943年の作品です。

    第二次大戦中の、イギリス・ケント州のヘロンズ・パーク陸軍病院を舞台にしたこの作品は、marieさんのオススメ本です。
    この時代、イギリス各地の病院には、多くの特志看護婦や医師たちが集まって、次々運び込まれる負傷者の手当にあたっており、ここヘロンズ・パーク陸軍病院でもそれは例外ではなかった。
    ある日、空襲に襲われた郵便配達夫のヒギンスが運び込まれて来た。大腿骨骨折の簡単な手術を受けるため麻酔をかけられたヒギンスは突然あえぎ始め、まもなく事切れた。特異体質かと思われた死だったが、コックリル警部が念のため調査に呼ばれたその夜、ヒギンスの死を殺人だと告発していたベーツ正看護婦が殺された!
    医師と看護婦たちの恋模様のなかに殺人の火種はあるのか?それとも?「ケントの恐怖」と呼ばれるコックリル警部の推理が冴え渡る!

    探偵小説の伝統を正当に受け継ぐ傑作本格、と裏表紙にありますが、まさにそのとおり少しも古くさく感じないのは、作品の力でしょうね〜。トリック自体は今日では単純なのですが、ストーリーのあちこちにミスディレクションが張り巡らされていたり、伏線が引かれていたり、そこここにユーモアが散りばめられていたり、で、いつの間にかお話に没頭してしまいました。
    また、外科医ジャーヴィスをめぐるベーツ、フレデリカ、ウッズと言う三人の看護婦の感情のもつれが、イジワルな視線で描かれていて、この皮肉な視線こそがブラントよね〜、と思わせます。そしてそのイジワルさは、最後までしっかり維持されていて、身勝手で魅力的なノウテンキ男はあくまで改心しません。ははは。
    よく出来た作品は時代を経ても古くならないよね〜としみじみ思いました。

    それと、これは内容に直接関係ないんですが、イギリスが戦火をこうむった国なんだなあと、再認識しました。アメリカにはこう言う時代背景を持つ作品は生まれたくても生まれなかったですよね。

  • 恩田陸さんの『球形の季節』冒頭で、登場人物が読んでおもしろかったな~と言っていた本。
    と言う理由で手に取りました。

    もう、ジャーヴァースはなんなの!?ねぇ!(笑。
    ウッディーが言葉遣いや態度と裏腹に健気で泣ける。
    天然というか空気読めないフレディーはある意味賢かったですね…。
    素っ頓狂なところ、意外と憎めなかったです。

    クリスチアナ・ブランドは他に『招かれざる客たちのビュッフェ』しか読んだことがなかったので、コックリル警部シリーズは初。
    薔薇の名前の作品が最近邦訳で出てるけど、こっちのシリーズも新訳でも再販でもいいから文庫で出て欲しいです。
    今はどれも手に入れづらいですよね。

  • 空襲で負傷し病院に運び込まれたヒギンズ。足の手術の為に麻酔をかけられると徐々に苦しみだし死んだヒギンズ。手術を担当したムーン少佐、バーンズ博士、イーデン医師、ベーツ看護婦、エスター看護。事件性があるとして呼ばれたコックリル警部、犯人の正体に気がついたベーツの殺害。二度刺された遺体と手術着の謎。何者かにガスを吸わされたフレデリカ。エスターの救出。空襲で死んだエスターの母親。患者であるウィリアムと恋するエスター。ウィリアムも手術中に殺害されかける。ヒギンズ、ウィリアムの共通項。

  • 「どんな状況でも殺人は起きる」
    (アキさん)

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著者プロフィール

Christianna Brand

「2007年 『ぶち猫 コックリル警部の事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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