昏き目の暗殺者 上 (ハヤカワepi文庫 ア 1-2)

  • 早川書房
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本棚登録 : 193
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200960

作品紹介・あらすじ

世界文学の最前線を行くカナダ人作家の傑作長篇が初の文庫化! ハメット賞&英国最高峰ブッカー賞に輝いた現代文学の金字塔!

感想・レビュー・書評

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  • 翻訳家・鴻巣友季子が語る『4人の女性のことばの力』アトウッド、ゴーマン…など 3月5日(金)オンラインで開催|株式会社エヌエイチケイ文化センターのプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000071793.html

    昏き目の暗殺者 上 | 種類,ハヤカワepi文庫 | ハヤカワ・オンライン
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014313/

    • 本ぶらさん
      これは読んでみたいんだよなぁ~。
      いかにもツボぉ~って感じがして(^^ゞ
      これは読んでみたいんだよなぁ~。
      いかにもツボぉ~って感じがして(^^ゞ
      2021/02/23
  • 中々に手ごわい小説です。

    久しぶりに読み終わるまでにひと月以上かかった(^▽^;)
    下巻があるので、まだ時間はかかると思いますが、読むのを止めるという意識はないです。

    財を成した名家の一代記であり、また死んだ人間が書いた小説『昏き目の暗殺者』が交互に物語を形作り、その合間にゴシップが入る。

    時代は第一次世界大戦から第二次世界大戦後にかけて、一族の没落や家族が重たい小説ではありますね。
     
    この段階で感想はこの程度しか書くことができないですが、下巻でローラが真に何を描きたかったのか、そしてローラの姉であり語り手の『わたし』であるアイリスが最後まで何を語るのかを読みづつけたいと思います。

    『侍女の物語』や『誓願』はあまり時間もかからず読めたのですが……。

    ですが、続きも追いかけていきましょう!

  • 難解だ。
    文字通り、難解だ。

    450ページ分のメインディッシュを食べ続けているよう。
    流石に胃もたれしてしまいそう。

    多分今はこの気分ではなかったのだろう……
    下巻へはしばらく休憩してからにしよう。

  • アトウッドの代表作。色んな書評やらで見かけて、いつかは読みたいと思ってた作品を、文庫化にあたって入手。あと、ノーベル文学賞授賞かも、っていうタイミングもあって。でもそれは逃したけど。メタフィクションの体を取っているけど、それぞれが章立てで区別されていたり、登場人物もそこまで多くなかったりするから、前半を読み終えた印象として、難解度はそれほど高くない。自分の理解度が低いから、単純にこれ以上だとついていけない、っていう話だけど。最初に提示された、妹の死にまつわる謎を解き明かすのが本題だとは思っているんだけど、この超大作の果てに、どんな結末が待っているのか、期待大。

  • 入れ子構造になった複雑な物語。
    ・人生の終盤を迎えたアイリスの現在と回想。
    ・車ごと橋から落ちて、若くして亡くなったアイリスの妹、ローラが、生涯に1作だけ書いた小説『昏き目の暗殺者』
    ・その小説自体も、人目を忍んで逢瀬を重ねる男女の逢い引きのなかで、男の口から、とある惑星を舞台にした物語(それこそが『昏き目の暗殺者』)が語られていく。

    ……とまあ、自分の頭の中を整理するために書いてみた。

    ちょっと長くて、どれもこれも謎ばかりなので、わくわくというよりは少し読み疲れる感じもあるのだけど、それでも下巻は読むつもり。あと、老いに対する容赦ないぶった切り方など、どきっとするところも多くて、この呵責のなさってアトウッドの特色なのかなと思ったり。(2、3冊読んだくらいでえらそうなこと言うな)

  • 上巻の半分くらい読んで、まだ何の話なのかが掴めない。北米大陸の赤狩りの話?
    全体的に陰鬱な調子で物語が進む中、庭を始めとした自然の描写が美しいのが印象的。
    上巻の後半から物語が加速してくる。「昏き目の暗殺者」の男女が指すのがアレックスとローラだと思ってたけど、リチャードが絡んでくる辺りから、ローラじゃなくアイリスなのかも、そして、作者もローラではなくアイリスなのではないかと思われてくる。
    にしても、回想で語られるアイリスの無知と無力に比べて、老境にあるアイリスの皮肉屋にして頑迷ぶり、そのギャップに時間の残酷さを思い知らされる。そして、アイリスにそれ相応の教育がなされ、母や祖母の後ろ盾があったなら、と思わずにはいられない。
    あと、カナダを舞台にした小説を『赤毛のアン』しか知らなかったことに気づいた。ギャップすごい。
    ウィにフレッドは、あれだ、朝ドラのいびり役。ムカつくんだけど、ドラマの盛り上がりには欠かせない。

  • 2020/10/30購入

  • 感想は下巻でまとめて.

  • 1945年、ローラという25才の女性が車で橋の上から落下して死亡する。彼女の姉アイリスは亡き妹の書いた小説の原稿をみつけ出版。その小説のタイトルは『昏き目の暗殺者』。小説の内容はどうやら不倫している男女の逢引きと、その際に作家とおぼしき男のほうが語る小説内小説。異次元の惑星ザイクロン、滅亡した都、そこで暮らしていた貴族たちと奴隷、搾取され盲目にされた子供たちは暗殺者となる。この、小説内小説内小説に登場する盲目の暗殺者=本書の原題である「THE BLIND ASSASSIN」。

    大変複雑な構成で、死んだローラが書いた小説「昏き目の暗殺者」の内容、アイリスの身辺で亡くなった親族の死亡記事、すでに老いたアイリスの生活と、果てしなくくどくどしい彼女の回想が複雑に絡み合って、少しづつ何が起こったのか解き明かされていく。なぜローラは自殺(?)したのか、彼女の小説の中の不倫カップルのモデルは誰なのか、夫リチャード、娘エイミーと次々亡くなり孫娘とは音信不通のアイリスが、なぜ今になってこのような回想と手記をしたためはじめたのか。

    まだ上巻だけれど、とにかくアイリスの過去回想部分が長すぎて冗漫。年月を表現するのにある程度の長さは必要だとは思うけれど、それにしてもクドすぎる。絶対に必要なエピソードだけ残して半分くらいに削れるんじゃないかと思ってしまった。まあ最終的にこの長さも納得のカタルシスが結末にあることを期待したいけれど、やっとここまでで半分かと思うとちょっとげんなり。

    ポート・タイコンデローガで釦工場を起こし成功したチェイス家、母を早くに亡くしたアイリスとローラの姉妹は乳母のリーニーに育てられるが、変わり者の妹ローラにアイリスは振り回される日々、そしてアイリスの父の代で大恐慌がきて工場経営は破綻し、お嬢様から一転、家計は苦しくなる一方、、最終的にローラは18才で、ライバル会社のリチャード・グリフェン35才と政略結婚をすることになる。しかも意地悪な小姑(年上の義妹ウィニフレッド)つき。

    アイリスの半生は同情するべき部分もあるけれど、当人の愚かさがもたらした自業自得(と言うと身も蓋もないけれど)感もあって、そんなにぐちぐち言われてもなあ…と思ってしまう。父親の工場に火をつけた男アレックス・トーマスを姉妹で匿うのも、なんというか、姉妹揃って男を見る目がないのね、としか・・・。ローラは大変エキセントリックなタイプで本人も生き辛いだろうが周囲もしんどそう。今のところ登場人物誰も好きになれなくてとても疲れる。

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著者プロフィール

マーガレット・アトウッド(Margaret Atwood):1939年カナダ生まれ、トロント大学卒業。66年にデビュー作『サークル・ゲーム』(詩集)でカナダ総督文学賞受賞ののち、69年に『食べられる女』(小説)を発表。87年に『侍女の物語』でアーサー・C・クラーク賞及び再度カナダ総督文学賞、96年に『またの名をグレイス』でギラー賞、2000年に『昏き目の暗殺者』でブッカー賞及びハメット賞、19年に『誓願』で再度ブッカー賞を受賞。ほか著作・受賞歴多数。

「2022年 『青ひげの卵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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