秘密機関 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (526ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300479

感想・レビュー・書評

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  • 今最も旬な男女コンビ、トミー&タペンス(ひまわりめろん基準)の初登場作品『秘密機関』です

    アガサ・クリスティの凄さを語ろうとした時に絶対外せない一冊です

    もうね、アガサこれも先やっちゃうんだもんな〜と後世の作家たちがどれほど嘆いたことか

    ミステリーとしての驚きもきちんと成立させておきながら、質の高い冒険小説として完成されていて、なおかつそのまんま児童小説としても問題ないようなほのぼのとした空気感をまとわせているんですよね
    アガサ天才か!

    そしてそれらの多角的要素を無理なく繋ぎ止めているのが、トミー&タペンスというとてつもなく魅力的な主人公なんです
    この二人が動いてるだけでなんだかワクワクしちゃうんですよね
    そしてなんだかんだとありながら、二人は強い絆で結ばれている
    でも二人とも素直にそれを表現しない
    もう照れて照れて

    最後の二人のやり取りなんか最高です
    微笑ましすぎてこっちが照れるわ!

  • トミーとタペンスシリーズ。冒険小説とラブコメのいい塩梅。今の時代からしたら凄惨な場面もなく(監禁されててもお金は盗られてない!)安心して読めるし、真の黒幕も想像内なのだけど飽きることなく一気に読んで楽しかった。

  • アガサクリスティーのトミーとタペンス第1冊。ポアロとの比較になってしまうが、このシリーズのドキドキ感は秀逸。幼馴染の素人探偵2人が事件を追い、勢い(タペンス)と冷静(トミー)の役割がなんとも心地よい。今回はWWIのイギリスを脅かす秘密文書の行方。それを託されたジェーン・フィン。探偵2人でジェーンを見つけ出せるか。謎の人物ブラウンが秘密文書を横取りを目論む。今回も事前にブラウン予想をして最後2人まで絞られたが、最後に外れた。。。惜しかった。でもジェーン・フィンの正体は当たった!このシリーズも楽しみたい。

    英ガーディアン紙必読小説1000冊決定版リストに入っていた! 『The Secret Adversary, Agatha Christie『秘密機関』 アガサ・クリスティ』   https://moviedrama.club/partners-in-crime/  女優のJessica Raineが気になってしょうがない。いつかこのシリーズを映画でも見てみよう!

    • アールグレイさん
      アガサ・クリスティって、2組の探偵さんの話があるんですか?この本にはポアロさんがでないようなので。
      私は海外ものまで読んでいられない
      (;´...
      アガサ・クリスティって、2組の探偵さんの話があるんですか?この本にはポアロさんがでないようなので。
      私は海外ものまで読んでいられない
      (;´д⊂)
      2021/08/29
    • ポプラ並木さん
      ゆうママさん、夫婦で探偵さんです。この2人の相性がとてもいいんですよ。ポアロとは異なるシリーズです。感想にも追加しましたが、 https:/...
      ゆうママさん、夫婦で探偵さんです。この2人の相性がとてもいいんですよ。ポアロとは異なるシリーズです。感想にも追加しましたが、 https://moviedrama.club/partners-in-crime/  女優のJessica Raineが気になってしょうがないです。
      2021/08/29
  • 二人の年齢を足しても45にならないほど若いトミーとタペンス。仕事にあぶれた幼馴染の二人がカフェで『青年冒険家商会』なるものを結成する相談をしていたところ、それを聞いていた男性からある仕事を依頼される。しかしこのことがきっかけで二人は英国の秘密文書消失事件に巻き込まれていくのだった。

    解説者も『アガサ・クリスティー完全攻略』の霜月蒼氏も言っているが、私も言う。「若いなあ!」

    本書はクリスティーの作品の中でもいまいち度の高いスパイものなので、正直、読む前はあまり期待していなかった。でも、若いトミーとタペンスが初々しくて、クリスティーが楽しんで書いているのが伝わってきて、読んでいるこちらまで楽しくなってくる。

    実際のところ、素人探偵に国の重大機密に関わる事件を任せるなどありえないことだが、設定のリアリティを求めなければ、良質なヤングアダルト向け冒険小説を読んでいるような味わいを楽しめる。
    幼馴染の二人のお互いへの想いがなかなか伝わらないもどかしさは自分の青春時代を思い出してきゅんとするし、一見単純そうに見えて最後にあっと驚くどんでん返しが用意されているストーリー展開は、さすがミステリの女王、という面白さである。

    本書の発表は1922年、デビュー2作目の作品である。当時クリスティーはまだ30歳。人生経験を積んだ後の深みのある作品も大好きだが、こんな楽しいものもよいなあ。
    このシリーズは、作品数は少ないものの、二人の老年期まで追っていけるようなので楽しみである。

  • トミーとタペンスの大冒険!

    幼馴染のトミーとタペンスは、お互い仕事を探している。二人が始めたのは何でも屋。お金が欲しい二人が最初に手掛けたのは、国家を揺るがす大事件。二人はイギリスを守れるのか。

    かわいい。大冒険の傍らで、二人が自分の想いに気付き、独白するシーンがいい。国際的な陰謀は正直どうでもよく、とにかくタペンスが突っ走るところ、巻き込まれるだけのように思えたトミーが意外にも度胸も勇気も知恵もあるところがいい。お助けキャラの少年アルバートや、気前のいいアメリカ人ジュリアス、迫力あるヴァンデマイヤー夫人、フランス人女性アネット、弁護士エジャートン、人の良さそうなホール博士、情報局員カーターなど、キャラクターも豊富。その中から謎のブラウン氏を見つけるのが一番の推理どころ。完全に一度は引っかかってしまった。あの書き方は絶対ジュリアスだと思うよ。

    映像作品になったこともあるそうですが、確かに映像で見たい物語。トミーとタペンスのコンビが人気出るのわかる。

  • クリスティーの中で一番好き。トミーとタペンスシリーズの最初のもの。これはKINDLE用の無料パブドメも存在したから英語版も読めてラッキー。KINDLEの日本サービスが早くローンチしないかなー。

  • 何度目だ再読。

    クリスティの中ではトミーとタペンスのシリーズが一番好きだ。
    何年かぶりに読んだら、また犯人が誰か分からなくなっていた(笑)
    やっぱりドキドキワクワクで面白い!大好きです!

  • 第一大戦直後、幼馴染のトミーとタペンスが地下鉄の出口で再会。
    お金のない、若い(二人合わせて四十五にもならない!)二人は、
    青年冒険家商会なるものを結成し、一儲けしようと企むが、
    それがいつしか国家すら揺るがす陰謀の世界へと巻き込まれていく。

    平凡な一組の男女が体験するにしては、
    とんでもないスケールで展開していくストーリー。

    最後に解説を執筆した評論家さんも指摘しているが、
    クリスティ女史には政治音痴なところがあるので、
    なんだか悪役達にも違和感も覚えるし、
    「こんなことぐらいで国家権力にダメージを与えられるのかな。」と
    事件の発端になる秘密文書の内容にも首をかしげたくなるし、
    最後でその存在が明らかになる陰謀の黒幕が持つ、
    屈折した内面が吐露される場面は正直とってつけたような感じがして、
    主人公達が巻き込まれる設定がいまひとつ納得出来ないな、と思う
    気持ちも否めない。

    しかし、作中のある人物が
    「速度とスタミナの名コンビ」と評価する、
    慎重派のトミーと直感型のタペンスのカップルの恋愛模様は、
    読んでて、途中結構ドキドキするし楽しい。

    やっぱり自分はポアロが好きだと思いつつも、
    この後の続編も読んでみたいと思う。

  • 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」とこの「秘密機関」を平行して読んでいて、両方とも、大当たりのおもしろさで、どっちを読みすすもうかちょっと迷ったぐらいです。

    クリスティー文庫で、「ポアロ」1冊、「マープル」1冊ときて、この「トミー&タペンス」という順番に読んできたわけですが、わたしの中では、このシリーズが今ところ1番おもしろいです。

    これは、あきらかにわたしの好みが、「本格推理」ではなくて、「エスピオナージュ」の方に傾いているためだと思います。
    うーん、部屋の中を歩き回って、

    「うーむ、この毒ワインはいったい誰が……」

    とやっているよりも、冒険に飛び回っている方が、楽しく感じます。

    そういう意味で、この素敵な2人組の活躍は、メチャクチャ気持ちのよいものでした。

    もちろん、推理の要素もあって、ブラウン氏さがしもおもしろかったです。
    2人の人物が疑わしくて……わたしは、見事にだまされてしまいました。まさか、あそこで、あんなふうに大どんでん返しがあるとは……。

    あの謎の身元不明の死体。
    「そうだったのか!」と思わせておいて……。

    けっこう、手に汗握る。多分、だから後には残らない。
    でも、その瞬間、瞬間に、とても価値がある。
    これは、そんな物語です。

  • プロローグの舞台は1915年イギリス。
    戦争の勝敗を決めてしまうという重要書類を運んだ船が沈没。
    託された女性 ジェーン・フィンは行方不明。

    うって変わって主人公トミーとヒロインタペンス、
    秘密めいた何でも屋を始める。
    ジェーンフィンを追ういくつかの組織から情報を得て…。

    始めは「頭に浮かんだ」が万能で物語が転がっていった。
    フィクションってこれ位の仮定を入れたほうが面白い。

    解説の
    ・二人を冒険に駆り立てた真の理由は「退屈」だろう。
    ・実際のクリスティ夫妻を投影している部分あり。
    ・クリスティ作品初の映画化。ドイツで。
    ・コンビ探偵のきっかけになった。
    などなどクリスティ作品についてよく説明していてGood!

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