特捜部Q―知りすぎたマルコ― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 7-7)

  • 早川書房
3.93
  • (13)
  • (31)
  • (15)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 275
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151794575

作品紹介・あらすじ

官僚の失踪事件の鍵を握る少年。巨悪の魔の手から彼を救うべく、特捜部が立ち上がる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『特捜部Q』シリーズ第5巻。冒頭公金の横領に絡む事件から始まり、謎の犯罪集団によって物乞いやスリをさせられてきた少年マルコが、組織から脱走を図りと、読み始めたらページを捲る手が止まりません❗

    いつマルコが、「特捜部Q」メンバーとどのように邂逅するのかと、とてもワクワクしながら読み進めました♫

    深刻でとても巨大な陰謀の一方で、カールの私生活に変化があったり、頼みの上司が突如リタイアしたりと、読みどころ満載の傑作警察小説です❗

  • 2024.04.15
    詳しくは下巻にて

  • プロジェクトのお金を詐欺行為で着服している話と
    すりや物乞いで生計をたてているクランの話が
    混ざり合った所で話が展開していく。
    マルコを中心に。

    知りすぎたマルコ。
    良かれと思って助け舟を出したのに、逆に恨まれたり。
    クランをいつか抜け出したいという思いは
    頭が良いだけに、色んな事に気づいてしまい、
    今、抜け出さないと危険になってしまった。
    逃げる間に、更に知ってはいけない事を知ってしまい、危険度がUP。
    必死で逃げて、やっと、ちょっと落ち着ける居場所をみつけたと思ったのに、クランにみつかり、親切にしてくれた人々から、追い出されてしまう事に。
    マルコが生きて行く為の知恵をつけてくれたり、あんなに親切にしてもらっていたのに、クランの連中が乗り込んできたせいで、彼らの安全も侵害されてしまった。
    辛いよ・・・
    マルコの辛さと、親切にしてくれてた人達の気持ちと
    背景にこんな事がなければ、マルコはあのコミュニティの中で、やさしさに包まれながら生きていく事もできたかもしれないのに。
    ゾーラ マルコにとっての悪の根源
    最低最悪の馬鹿野郎。
    自分さえよければ、それでいいという考え方のヤツ。
    こんなヤツがクランの党首だもの。最悪の事しか起こらない。逆らうと何されるかわからないから、みんな我慢して・・・
    集団で反旗を翻すという事も考えられなくなるほどの恐怖政治(政治ではないけれど)だったんだろうな・・・

    逃げる過程で見つけてしまった死体。
    生きて行く為に頑張っていた時に見つけた古い人探しのポスター
    死体の人物は、殺害された。
    誰に?ゾーラ?しかし、何故?

    あの時、
    最初にマークに出会った時、
    全てを打ち明けておけば、ここまで必死に逃げなくちゃいけなくなることはなかったんだよね。
    でも、不法滞在者だから、警察に見つかる訳にもいかなくて・・・
    誰も信じられない状況で、一人で、良く頑張ってるよ。

    読んでるこっちは、君のことが心配で心配で、
    いったいいつになったら、マーク達に保護されるんだってやきもきしながら、気づいたら上巻読み終わってたよ。
    全くもう!

  • なにせ先に映画見ちゃったのでね
    映画はシリーズ中で一番面白くなかったから期待もしてなかったのだけれどなんだこれは!
    めっちゃ面白いじゃん!

  • 2022年2月映画化
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50010752

  • 特捜部Qシリーズ。
    この作家は暗い過去、思い出したくない過去を書くのが本当に上手い。
    序盤のマルコの逃走劇と横領の黒幕たちと特捜部Qの面々の対比が素晴らしく、逃走劇がハイスピードで周りを巻き込んでいくのが読んでいてハラハラした。
    作中に出てきた「バタフライエフェクト」がこの作品にも起きていたのを読み進めるうちに理解するし、序盤から願っていた悪党達への天罰が一部特捜部Qによって、それ以外はお互いの猜疑心から破滅へと向かうのは面白い。

  • 特捜部Qシリーズ。恐るべき犯罪の一端を知ってしまった少年が自らの生命と自由のため逃げ回る。少年と特捜部の視点が入れ替わりながら物語は進むが少年の視点が多く、この刊の主役は少年である。少年を追う犯罪者と事件を追う特捜部が少年に振り回され、追う者と追われる者両方のスリルが楽しめる。またアサドとビャアンの関係も少し触れている

  • コペンハーゲン警察が舞台のミステリー5作目。マルコは、失踪した外務省役人の遺体を発見することから、多くの追跡者に追われることになる。殺人や横領など、様々な犯罪が繰り広げられるが、毎回同様、カールと仲間たちの軽快なやり取りで、どんどん読み進められる。読後感は良好。

  • 「知りすぎたマルコ」の題名で内容の7割が推せる。とは言うものの、上巻を読みはじめると、マルコの身の上恐さに、ハラハラドキドキ。
    6割過ぎてようやくクロス・・ここからカールの圏内に入るまで読み急ぐ。

    カメルーン、コペンハーゲン、距離を置く犯罪の、しかも国家レベルの悪質金銭犯罪。
    冒頭の残虐シーンから引き込まれた。

    何時もの様に、合間に入る小話―アサドの「ラクダ話」「二個の瓜」。。。脳内出血の後に無理をしてもいいのか・・アサド!
    ローセとゴードンの言い合い。。

    カールの周辺・・ヴィガやイェスパも登場する。
    マルコという名前に幸せな人がいたか?なんて思いつつ、ロマも絡みつつ、逃亡のスリリングに肝を冷やしつつ下巻へ。

  • 特捜部Qシリーズ第五作。

    人はなぜ自分の怠け心を棚にあげて、
    努力する人の姿に胸を熱くするのだろうか。
    いや、自分が怠け者だから、
    犯罪を強いられる日々から抜け出したい、
    もっと知識を得たい、
    普通の家を持ちたいと望み、努力する「マルコ」に魅かれるのだろう。

    そんな少年マルコの逃亡が気になって、
    いつカール刑事たちと出会うのか、
    危険な立場から抜け出せるのか、とハラハラした。
    犯罪集団の手口を密告するという手段で、
    なんとか危地を切り抜けられて、最後には望みの一端を手にする。
    アサドの手を借りて。

    (下巻に続く)

全16件中 1 - 10件を表示

ユッシ・エーズラ・オールスンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×