幸せはいつもちょっと先にある: 期待と妄想の心理学

  • 早川書房
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152087980

感想・レビュー・書評

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  • 再読。以前は書かれていることを知らなかったためにジョークも楽しめたが、情報を整理しようとして読み返すに際には邪魔でしかない。

    心理免疫システムは幸福度を上げる、と紹介されているがグラフをみても他のデータと違い、それほど他の選択肢と差がないし、この合理化は自分で気がつくと後悔しがち。
    結論として、予想した未来の行動を「今」している人の感情を聞く、とあるが、空腹・穴埋めは差があるが合理化はあまりない。
    些細な選択では合理化は有効かもしれないが、もはや後戻りの聞かない選択肢で合理化が働かないとずっと後悔し続けることになる。人生で重大な心的外傷を患っても、人は割と立ち直ると書いてあるが、当然ながら重大なショックを受ける人間もいる。合理化は傾向ではあるが、それほどパワーがあるものではなく気付きやすい。

    合理化の章は納得できないことが多い。

  • 話が長い。何処かの校長先生見たい。TED見ればいい

  • Stumbling on happiness,2006.
    Everybody demand happiness. As happy as a clam.

  • 幸せ(Happiness)について、
    心理学者のダン・ギルバートが
    自然科学と社会科学を横断しながら、
    「どんな落とし穴があるか?」という点を
    とりわけ重視してユーモアたっぷりに
    伝えてくれる。

    とりわけその落とし穴として
    「実在論」「現在主義」「合理化」を
    おこなってしまう脳そのものの動作スタイルに
    意識的であれ、というところは
    非常に納得するポイントだ。

    我々の自分に関する未来の感情予測は、
    上記の仕組みにより、だいたい間違っている。
    それも、ものすごく外れている。

    では、どうすればより我々が実際に経験する
    であろう感情に沿った予測ができるかということに
    ついて、最後に筆者は
    「代理体験」を提唱している。

    つまり、「あなた」がそれを経験することを想像
    するのではなく、「他人が同じ立場におかれたら」
    ということを想像するということである。

    社会科学実験の結果、たしかに、代理体験群の
    未来感情予測は、疑似体験群(自分の未来)より
    ずっと正しい予測になっている。

    では、なぜみんながそうすることができないかというと、
    それはもう、私たちの脳は「自分を特別だ」と
    思いたがるから、ということである。
    まぁ、たしかに。

    ある意味では、それこそがアイデンティティの
    根源といえるかもしれないし、だからこそ、
    生きる意欲、自我が生じるのではないかとも
    私は思う。
    自分が特別な存在ではないと割り切れてしまうことは、
    もしかしたら、「まぁ別に自分が生きなくても」という
    発想に繋がるかもしれないし、もし個体の行動ロジックの
    中心にそれが置かれたら、その個体は滅びるしか
    ないかもしれない。
    であるなら、きっとその遺伝子要因は次代に引き継がれ
    ないであろうから、ワオ、きっと進化心理学的観点から
    いえば、まぁ、そういうふうには人間はたぶんできていない
    のだろう。

    今日の社会では…といっても私は日本くらいしか
    経験レベルでの理解がないが、
    とかく「先行き不安な社会」と喧伝されている。
    まぁ、成長が頭打ちになった諸外国もそうかもしれない。
    失業や所得差による妬みが渦巻く、そんな社会。

    こういう状況で負の感情から「降りてしまう」ウラワザこそが、
    著者が提示するような「自分の未来感情のメタ化」であろうと
    私は思う。
    いま、楽しいときは、主観的に楽しめばいい。
    だが、未来を想像する必要に駆られたときには、
    「自分の未来」として想像しないように、一ひねりを加えて
    アタマを使う。
    それによって、過度な期待や悲観で感情にダメージを負うことを
    減らし、現実局面をよりうまく乗り切っていけるのではないか。

    赤ちゃんが育つ中で、重要なことは、
    「自分のコントロール感覚を理解する」
    ことだと何かで読んだ覚えがある。
    たとえば、自分が手を伸ばしておもちゃを取り、何かの
    行為をすることで、おもちゃが何かの動きを示す、
    というような「自己の行為の原因と結果の連結」によって
    世界に対する自己が確立できるということだったと思う。

    今日の社会では、おとなはもう一歩進んだ方がよさそうだ。
    他人の感情を予測することで、自分の感情を適切に予測しよう。

  • 自分の明日の感情を予測する最良の方法は他人が今日、どう感じているかを見ることだ。ほかの人を未来の自分の代理人にする。
    想像には穴埋めの危険性、現在の未来への投影、経験が予測と違うことに前もって気づかない、ということ。
    理想状態であれば、レストランのサイトを見てメニューで判断するより、食べログを見たほうが確かだ、ということか。
    アメリカ人の当たり前感が日本人にはそぐわないところもあり、おそらく多くの日本人は気づいていることに今頃気づいた賢いヤンキー、というようにも感じる。

  • 今、私的にかなり厳しい状況。関連の専門書を読んだりするも、救われることはなかった。数多く読んだ中で、これだ!という一冊。私の「不幸せ」も「幸せ」も脳内のこと、と割り切ってみたら楽になって、精一杯毎日を過ごそうと思えてくるから不思議。

  • 心理学者による、人間が未来をどのように考えているかの本。

    脳はこっそり足りない穴を埋めるし(実在論)、時間のトリックにだまされるし(現存主義)、意味のトリック(合理化)についてもだまされる。
    正しい予想がいかに難しいか。経験は偏っているし、終わりの経験が全てを左右する。

  • "予想どおりに不合理"の方がおもしろかった

  • タイトル、ジェケで想像するような内容とはちょっと違った。心理学だけでなく、脳科学や哲学の知見も交えての内容なので読みきるのに難しく感じてしまった・・・。

  • ●目次第1部 人間はなぜ予想するのか?
    第2部 そもそも、幸せとは何か?
    第3部 感覚のトリック—実在論に気をつけろ
    第4部 時間のトリック—現在主義に気をつけろ
    第5部 意味のトリック—合理化に気をつけろ
    第6部 正しい予想をする方法


    想像には3つの欠点がある。
    ①我々に断りも無く、穴埋めや放置をしがち
    ②現在を未来に投影しがち
    ③物事がいったん起こると、思っていたのと違って見えるようになるのに、前もってそれに気づかないことだ。とくに、それが悪いことだと、遥かにいいことに思えてくる。

    よって、自分の明日の感情を予測する最良の方法は、ほかの人がきょう、どう感じているかを見ることだとわかる。
    が、われわれは自分を独自の存在、つまり他の人とはちがう精神の持ち主と考えているため、他の人の経験が教えてくれるはずの教訓をちょくちょく却下してしまう。

    最近、20世紀の経済学で考えられていた合理的な人間というのはいなかったことが判明する研究が多くされている。心理学的なアプローチ等あるが、この本で大きく述べられている脳の機能から考えるとどうしようもなく事実として認めなければ成らない感じがするし、もう少しゆとりがあったり、いい加減な社会でもいいのだって感じがする。

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