神は妄想である―宗教との決別

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (578ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152088260

感想・レビュー・書評

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  • 神は妄想である(The God Delusion)は、2006年に出版された、リチャード・ドーキンスが無神論を論じる本。

    残念ながら、まだ文庫化されていない。

    ドーキンスは、スティーヴン・ジェイ・グールドが唱える「科学と宗教との相互不可侵」(NOMA。Non-overlapping magisteria。重複することのない教導権)を認めないという、かなり強い立場をとる。

    「誰も教えてくれない聖書の読み方(ケン・スミス)」(2001/01/05)

    「聖書男(バイブルマン) 現代NYで 「聖書の教え」を忠実に守ってみた1年間日記(A.J.ジェイコブズ)」(2011/08/31)
    も併読するとよい。

  • 内容が難しく読破できず

  • トリポリ条約(ジョージ・ワシントン起草、ジョン・アダムズ署名)
    「アメリカ合衆国の政府はいかなる意味でもキリスト教の上に築かれたものではなく…」

    ベンジャミン・フランクリン
    「灯台のほうが、教会より役に立つ」

    近年のキリスト教福音派の原理主義者たちが聞いたらどう思うだろう。

  • 宗教、特にキリスト教を科学的見地、特に進化論的見地から、ありとあらゆる方法で、キリスト教の「神」がフィクションであるか証明しようとした本。

  • 昔、もしかしたら、高校の世界史の授業でドイツの三十年戦争のことを知ったときのことだったかもしれないが、歴史の中の悪いことの半分は、宗教が原因じゃないかと思ったことがある。半分どころではないことがよく分かった。特に暗澹とした気持ちになったのは、「第8章 宗教のどこが悪いのか?なぜそんなに敵愾心を燃やすのか?」の「原理主義と科学の破壊」という節で紹介されていたアメリカの地質学者、カート・ワイズの悲劇。

  • 学生の時に友人から借りて積読本となっておりました。 読むのつらすぎる。長い。何言ってるかよくわからないというかドーキンス氏の知識量が半端なくてアプローチする方法が多すぎてついていけてない感じあり。とりあえず無宗教の自分には「やっぱり宗教って残念だなぁ」という印象でしかない。
    印象に残ったフレーズ
     雨、それは正しい人に降り注ぎ、
    不正な輩にも降りかかるもの。
    しかし、濡れるのはもっぱら正しい人間。なぜなら
    不正な人間は、正しい人間を傘にするからだ。

  • 一神教については私も否定論者だし、敬虔なクリスチャンが神を証明しようとしたらどう頑張っても矛盾して存在しえないという結論が出てしまい心を病んだ、みたいな話をどこかで読んでいたりもする。私はキリスト教が大嫌い(クリスチャンに命を狙われそうなので理由は略すw)なので、バッサバッサと斬ってくれるのは痛快ではあるが、キリスト教文化圏でよくぞここまで思い切ったことを書いたものだと思う一方、このような本が過去にはあまり大々的に出ていたという話は聞いたことがないが、今までは書くことも憚られるような社会だったのかも知れない、とも考えた。時代は変わってきた。

  • ・私の妻ララは子どものころ、通っていた学校が大嫌いで、できるものならやめたいと思っていた。後年、二十代になったときに、彼女が両親にこの不幸な事実を打ち明けると、母親は仰天した。「でもおまえ、どうして私たちのとこへ言いにこなかったの」。そのときのララの答えは、「でも、そんなことができるとは知らなかったのよ」だった。これが、今日ここで取り上げる主題である。

    ・ベンソン博士と彼のチームは6つの病院で1802人の、心臓バイパス手術を受けた患者をモニターした。患者は三つのグループに分けられた。グループ一は祈りを受け、そのことを知っていた。グループ二(対照群)は祈りを受けず、そのことを知らなかった。グループ三は祈りを受け、そのことを知っていた。グループ一と二を比較するのは、取りなしの祈りの効果をテストするためのものである。グループ三は、祈りを受けているのを知っていることから生じることかもしれない、心因性の効果をテストするために設けた。
    祈り手は、三つの協会の会衆から派遣された。一つはミネソタ州、一つはマサチューセッツ州、もう一つはミズーリ州で、どれも三つの病院から遠かった。祈り手の個々人は、先に説明したように、祈りを捧げる個人の、姓の頭文字と名前だけを教えられた。できるかぎり標準化するというのがすぐれた実験のやり方で、それゆえ彼らは全員、祈りのなかに「すみやかな健康の回復をともない、厄介な事態を生じない手術の成功のために」という言葉を含めるように言われた。
    2006年4月発行の<アメリカ心臓病雑誌>に報告された結果は、一目瞭然だった。祈ってもらった患者と祈ってもらわなかった患者のあいだに差はなかった。驚いたことに、自分が祈られていることを何らかの方法で知っていた人間と知らなかった人間のあいだでは差があった。しかし、この結果はある意味、期待もしなかったものであった。というのは自分が祈りの受益者であると知っていた人間のほうが、知らなかった人間よりも厄介な事態により多く苦しめられたのである。神がこの馬鹿げた試みそのものに対する不同意を示すために、軽くこらしめていた、ということだろうか?それよりはむしろ、自分が祈られていることを知った患者が、その結果として余分なストレスに苦しめられたというほうがありそうに思われる。実験者たちが言う、「パフォーマンス不安」だ。研究者の一人、チャールズ・ベテア博士は、「お祈りチームを呼ばなければならないほど私は思い病気なのだろうかと、不安がらせてしまったのかもしれない」と述べている。

    ・著者の名はないが、ものみの塔聖書冊子協会から16カ国語で1100万部が刊行されている『生命―それはいかにして存在するようになったか?』は、明らかに根強い人気をもっている。なぜなら、その1100万部のうち少なくとも六部が、世界中の信者たちから私のところへ頼みもしないのに送られてきているからである。
    …カイロウドウケツ類の骨格のような統計学的にありえないような現象は、生命に関するどんな理論も避けては通れない中心的な問題である。統計学的なありえなさが大きくなればなるほど、偶然は答えとしての説得力を失っていく。それこそが、ありえないということの意味である。しかし、ありえなさという難問に対する答の対立候補として、よく設計(デザイン)と偶然というペアがあげられるが、この組み合わせは間違っている。それを言うなら、設計と自然淘汰とすべきなのだ。

    ・太平洋のメラネシア諸島およびニューギニアの「カーゴカルト」は、この事柄に関する、もっとも有名な現実社会における実例を提供してくれる。
    …島民たちは、そうしたすばらしい持ち物を享受している白人たちが、それらを自分たちではけっしてつくらないことに気づいた。品物に修繕が必要になると送り返され、船の「積み荷(カーゴ)」、のちには飛行機の積み荷として到着する新しい品物が到着しつづけた。何かを修繕したり、つくったりしているところを見られた白人は誰一人いなかったし、彼らは実際、何らかの種類の役に立つ仕事と認められるようなことを何一つしなかった。
    したがってどうやら、「積み荷」は超自然的な由来のものであるにちがいない。まるでそのことを証明するがごとく、白人たちは儀式としか考えられないようなある種のことを地際におこなっていた。

    人類学者たちは、ニューカレドニア諸島で二つ、ソロモン諸島で四つ、フィジー諸島で四つ、ニューヘブリディーズ諸島で七つ、ニューギニアで50以上が、別々に発生したことを記録している。そのほとんどは、お互いにまったく独立し、何の関連もなかった。これらの宗教の大多数は、終末の日がやってきたとき、一人の特別な救世主が積み荷を運んでくるだろうと主張している。

  • 冒頭でジョン・レノンの「イマジン」の扱いに触れているのが興味深い。
    「世界が、**だと想像してごらん」
    の**に、「宗教が無い世界を」と入る歌詞があるそうな。
    今確認したところ、
    国が無いことを想像しよう。殺すことも、誰かのために死ぬことも無く、宗教も無い。
    と言うような感じらしい。

    科学が発達する前は、「神のなせる技」と納得することも有用だったと思うけれど、今となっては、争いの原因になっている。
    おそらく、僕たちは、もう宗教無しでもやっていけるんじゃ無いかな。そして、戦争も無い。

  • アメリカやイギリス等は、科学的な思考の上に成り立っている先進国だと思っていましたが、実は創造論を信じている人が多いとのこと。アメリカやイギリスも宗教を信じているという点においてイスラム教を信じている国とあまり変わらないと感じました。
    本書では宗教の残虐性を取り上げて徹底的にディスっており胸のすく気分を味わいました。
    戦争や虐殺など宗教を信じているが故に生じる不利益がどれほど人を不幸にしているのかよくわかります。

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著者プロフィール

英国の進化生物学者。世界的ベストセラー『利己的な遺伝子』で知られる。ほかの著書に『盲目の時計職人』『神は妄想である』『遺伝子の川』『進化とは何か』など多数。

「2022年 『これが見納め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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