天体の回転について (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 193
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152089069

感想・レビュー・書評

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  • なかなか面白かった。他の作品も是非とも読みたい。かなり力ある作家さんだな。堀晃さんと同じく基礎工学部らしいのが面白い。

     変な少女型ホログラムが気に入らないものの、かなりわかりやすく軌道エレベーターの世界が描かれる「天体の回転について」。そもそもこの本の表紙が少女趣味だから、ちょっと引いてしまうな。

     次の「灰色の車輪」はアシモフとの真っ向勝負。筋も展開も素晴らしく、表題作に負けず劣らず良い作品。この二作でこの本読む価値あるかな。

     続きは、なかなかいいんだがなぜか心に残らない「あの日」、イマイチの「性交体験者」、オチが読めるし、展開も平凡な「銀の舟」、高度な知性を持つ異星人がなぜ裸なのかって、SF小説や映画への反抗とみると、とても楽しい「三〇〇万」、記憶とメモリーを題材に、設定も展開も面白いのだが、なぜかすっきりしない「盗まれた昨日」、既読だが今読むとタイムパラドクスをうまく書いていると感心する「時空争奪」。

     とにかく、なかなか気に入ったから、他の作品も漁ることにしよう!

  • 灰色の車輪

  • 著者の作品で初めて読んだ。
    久々の小説。

  • 「おすすめSF」ということで図書館で予約をしたら、来たのがこの表紙。「むむ・・・? ライトノベル・・・」と思いましたが、中身は“本格SF”です。

    設定の妙で楽しむ8編。
    さまざまに理論的設定が展開されて、頭がついていかなくなりますが、科学的な論理が次々と語られることもおもしろさの一因になってると思います。

    それぞれに個性的な物語です。
    「あの日」でSFをメタ的に取り上げているのがおもしろかった。
    無重力が当然の世界で生活してる人が、重力のある地球での犯罪トリックを考えたら・・・
    おもしろい考察です。

    インパクトがあったのが「性交体験者」。
    快楽殺人事件を追う女性刑事を主人公にして、SF的設定で語った物語。
    人間の世界だから「命は大切に」とか言うけど、そんなことのない世界ってたくさんあるもんなぁ・・・
    おのお話までの3編で、SF的設定に目を白黒させているので、こんな設定でも意外とあっさりと受け入れられるものです。
    それとも、自分が女性だから?

    こんな表紙ですが、とてもおすすめの1冊です。

  • SF短編集。
    久し振りの小林さん(´∀`)
    相変わらず頭のこんがらがるお話を書きますね。
    大好き。

    以下、特に好きだった作品。

    『天体の回転について』
    リーナ。
    何あの語尾にハート。
    可愛過ぎる。
    小林さん、こんな感じの子も書くんだーと思った。
    とにかく可愛い。
    訳の分からない空間でリーナと二人切りになったら惚れるわ。

    『あの日』
    「常識」って何だろうwと思った/(^o^)\
    重力は在って当たり前、そんな事考える事もあまり無いくらいに「当たり前」。
    重力の無い世界では、これが「当たり前」なんだなぁw
    そして、終わり方は「小林さん!」って感じ(´∀`*)

    『性交体験者』
    エロイー!!!!(゜д゜*)
    ここここ小林さん、ちょっと…(*´д`*)ポッ←
    まぁ、でも、エロを書く為に書いたエロらしいので。
    男尊女卑も怖いけど、女尊男卑も怖い…
    女の人って、暴力で押さえ付ける事なく縛るから怖い。
    「犯罪になるか、ならないか」の線引きが怖い。
    何それ…

    『銀の舟』
    最後…!最後…!
    衝撃的としか言えない。
    いや、全然そんなの考えて読んでなかった…
    やだ小林さん怖い!←

    『盗まれた昨日』
    この話が一番好きかも。
    途中誰が何だかややこしくて頭パーン\(^o^)/になりかけたけどw
    落ち着いたら大丈夫だった。
    落ち着け自分。
    メモリかぁー…


    あとがきが有って嬉しかったー!!!
    小林さんの、物語ではない文章が読めて、嬉しい(´∀`)
    タイムパラドックスについて一つ賢くなった!
    ドラクエ5ですね←

  • 久しぶりの小林さんハードSF。
    難しいけど面白い。
    『盗まれた昨日』はすごく良いと思う。

  • ろぼっと三原則の話とか ほんと面白い

  • 『時間争奪』がちょうお気に入りです。

  • タイトルで思わず「おっ」と思った。例の有名なコペルニクスの書と同名とは。しかし小林泰三がこんな表紙の本出すとは思わなかったな。表題作の主人公に「それホログラフだから。存在しないから」って言ってあげたい

  • やっぱ良い!!

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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