超新星紀元

  • 早川書房
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本棚登録 : 407
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152102546

感想・レビュー・書評

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  • 劉慈欣の初期小説。さすが!
    超新星爆発により13歳以下の子供たちだけが生き残ることになった地球。『蝿の王』を超える残酷ぶりが吹き荒れるわけだが、淡々とした筆致とユーモア、子供ならではの軽い命認識などとあいまって、悲惨感はなく、どう落とし前をつけるのかなとページを繰る手が止まらない。

  • 超新星爆発によって発生した大量の放射線により14歳以上の人類は死に絶えるという設定に惹かれて読んでみましたが、想像以上にぶっ飛んだストーリーが繰り広げられていました。大人たちが滅亡するまでには多少なり時間があり、残される子供たちに、社会を引き継ぐためにできる限りの準備をして旅立つのですが、子供たちの考えは大人たちの想像の範疇を超えていて。。。子供たちの生きる目的と、大人たちそれについての違いについては本書に記載されていますが、現実世界でもこういう子供から大人になる過程で価値観の変化って得てしてあるんじゃないかなぁと思います。(本書に書かれていることがすべてとは思わないけれど。)途中かなり盛り上がるんですが、エピローグへの話の運びが少し曖昧というか、尻すぼみだったのかな、とも思います。

  • こういうシンプルな設定からの予想外な展開が楽しめるSF作品は大歓迎。
    エピローグで作者自身が作中人物として出て来たのにはちょっとひきました。

  • ようやく読めました、劉慈欣の長編一作目!やはり一作目なので荒削りで、最初の盛り上がりから、途中でお?となり、おお?となって、なんか終わった笑という感じでした。
    14歳未満の子供たち以外が死滅するという設定は超面白いし、それまでに大人たちが必死に子どもたちに何かを残そうとした最初のパートはお涙頂戴のエンタメとしてはぐぐっと読ませる面白さがあった。ただその後の展開としては、超スーパーコンピューター最初だけしか登場しないじゃん…?とか、いくら子供でも戦争途中で止めるんじゃない?とか、こういうことしているうちに大人になっていくわけで、そうしたらやっぱり《西暦時代》と同じような習慣になるんではないか?とかハテナハテナなまま話が進んでいく感じで、そこが「まあ長編一作目だもんね!」というとこで差し引きながら読む感じ。南極でのオリンピックという名の大戦争や、国土交換ゲーム(ゲーム?)など、話が飛んで行ったと思ったらさらに飛んでいきました…このあと三体に繋がっていくんだなあといういつもの感慨はありましたが、よく考えると三体以降、劉慈欣長編書いてないんだよな…三体を超えるものが出てくるのか…気長に待ちたいと思います。『白亜紀往時』も出るとのことなので。

  • 子どもと大人の違いとは?遊びとはなんだろうか?というテーマがSFの大きなスケールで展開される。親になる自分にとっても楽しめた。

  • 「人類の歴史とは、戦争の歴史でもあります。統計によれば、五千年の文明史のうち、ほんとうに平和だった期間はぜんぶ合わせてもわずか百七年しかないーーいまだって人類は戦争をしています。それでも人生はつづく。そういうものじゃないですか?」


    「銃は人類が創造したもよのうちもっとも卓越した芸術品だ。人類という動物のもっとも原始的な欲望と本能を凝縮している。この美しさは、ほかのものにかえられないーー氷のように冷ややかな美、その鋭利な美しさがすべての人間の心を捉えて離さないんだ。銃は人間にとって永遠のおもちゃだ」


    「そういうこと。生命の価値をほんとうに理解するには、長い人生経験が必要だ。子どもたちにとって、生命の地位は、大人にとってよりもずっと低い。不思議なのは、大人たちがどうしていつも、善良だとか平和だとかいう概念を子どもと結びつけようとしていたのかだよ」


    「刀とは、きみたちはさっき提案したすべてのゲームの基礎である。戦争の魂であり、人類最古のおもちゃでもある」


    オリンピックは参加することに意義がある。ただし、より鋭く、より残忍に、より破壊的に!


    子どもたちは大人よりも生命を大切にしないし、それゆえ死に対する強い体制を備えている。子どもたちは、必要とあらば、大人よりもずっと勇猛果敢に、冷静沈着に、そして冷酷無比になれる。


    「君が直感だと思ってるものの背後には、きわめて複雑な推理と計算が隠れている。複雑すぎて気づかないだけだ。いまのぼくらに必要なのは冷静さだ」


    つまり、人類は闇の中に残され、親の手を見つけることができずにいる寄る辺のない孤児であり、無邪気さと荒々しさの火花を散らしているあいだも、その心は恐怖と混乱に満ちているのです。

  • なんか地球がとんでもないことになって、感動。。。とくに袋を渡す父親のところ!

    と、いい雰囲気だったら後半w 「子供が考えたような」お話・アイディアが圧倒的な世界規模のスケールで描かれる

  • 超新星爆発により、14歳以上の大人が死滅してしまう世界のお話。
    『gone』とか、『百年法』の最後らへんのようで、好きな設定でした。

    大人たちに残された時間は10ヶ月。その間に自分たちの知識と技術を子どもたちに継承して、今まで通り生活できるようにしなければ。という大学習時代。そして、大人たちとの別れ、最初の混乱までは理解できる。でも、そこから後の展開がまったく分からん感じでした。ひたすらなぜそうなるの繰り返し。私が大人だからなのか。
    とりあえず、大人は子どもに純真さを見るけど、子どもたちはそれよりももっとずっと残酷な生き物であるということはなんとなく共感できました。

  • 前半はとても引き込まれて面白いのですが、後半は結構お話が迷走します。
    コンセプト止まりといった感じで、他作品に比べると少し勢いが足りない感じです。

  • 「三体」劉慈欣のデビュー作。地球近傍で起きた超新星爆発の影響で世界から13歳以上の人間がいなくなり、子供だけの世界になる。タイトル的に「超新星」という宇宙のキーワードを冠しているが、超新星はあくまできっかけでそこまで掘り下げられない。世界に子供しかいなかったら?というifの世界の物語が中心。
    著者の先の読めないストーリーが好きな方には間違いなくおすすめ。ちょっとイマイチな点は、戦争ゲームのところは長く感じた一方で、領土取り替えゲームはやや尻すぼみ感がありもう少し語ってほしかった。

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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