幽霊船から来た少年 (ハリネズミの本箱)

  • 早川書房
3.50
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本棚登録 : 49
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152500052

作品紹介・あらすじ

伝説の幽霊船、フライング・ダッチマン号。遠い昔に沈没したこの船は、乗組員の亡霊を乗せたまま、何百年もさまよいつづけているという。この船に少年と犬が乗っていた。助けあってつらい航海を乗りこえていくが、沈みかけた船から嵐の海へと投げだされてしまう。それが、ふたりの冒険の始まりだった。

感想・レビュー・書評

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  • かつて「伝説の幽霊船」ことフライング・ダッチマン号に乗り合わせ、不老となった少年とラブラドール犬が悪い事業家の手から19世紀英国の田舎の村を救うために奮闘するという物語。
    章立てが船での苦難の日々、羊飼いに助けられ生活する日々、約200年後のチャペルヴェール村での奮闘の日々となっており、全体のまとまりがやや薄く感じられた。ただ、それぞれの章の内容や雰囲気は悪くない。不遇な少年と犬の軽口も交えた信頼関係、海の脅威と船員たちの狂気、正体を隠しながらも善良な人々と協力し問題を解決していくという様式美は読んでいて心地よかった。同作者のレッドウォール伝説シリーズと同様に善玉悪玉をくっきり区別する作風で、料理も相変わらず美味しそう。これはこれでおもしろい内容だった。

  • 予想と違っていたのは、少年が呪われた海賊船に出会うのではなく、生身の海賊船が神罰を被り、無垢な少年と犬だけが救い出されるという設定だった。
    少年と犬が生身のものだった発端、天使に祝福?されて不老不死の旅人となったばかりの羊飼い編、何百年かのさすらいを経て、妙に超然とした存在としてある村の危機を救うかなり長いエピソード、と全くタイプの異なる連作になっている。話自体は面白いのだけれど、バランスが変なのがちょっと気になる。
    あと、不老不死の少年と犬は、天使の祝福ではなくてこれはこれで呪いなんじゃないだろうか。

  • とにかくいいんだよ。

  • 伝説の幽霊船『フライング・ダッチマン号』に不運にも乗り合わせたベン。
    気性の荒い船乗り達と過ごす日々。その航海のさなか、ベンの人生には一気に転機が訪れる。
    神を呪う船長に、荒れた海。
    この時から"2人"ベンと船で出会ったイヌ、ネッドと共に人々を救う旅が始まった−

    ***
    伝説の幽霊船『フライング・ダッチマン号』!最初に見た時は興味本位だったのですがとてもおもしろかったです。
    中でもチャペルウェールでの謎解きがとても印象に残っています。
    頭が良くて優しいベンに、利口なネッドは良いコンビですね。

    これからもベンとネッドの活躍に期待したいと思います。

  • n.

  • 人の温かみ、命の大切さが伝わった。神とか。

  • 航海図や船の各部の名称などが載っている割に、海洋冒険ものの部分は前半だけ。

    幽霊船はあの有名な「さまよえるオランダ人」です。
    この船がいかにして永遠に海をさまよう呪いをうけたか、が全体の3分の1。
    主人公の少年はこの船に乗っていたわけです。
    生まれつき口がきけなくて母親を亡くし、継父と義理の兄弟にいじめられた少年は、
    ある晩逃げ出したのですがたどりついたこの船はとんでもないところだったんです。
    嵐の中狂っていく船長が印象的です。
    そうして船は呪われ、少年と犬が海原に放り出される。
    天使の祝福を受けて彼らは助かり、世界中を旅するはめになります。
    天使の祝福……永遠の若さと、智恵と、言葉。
    少年は喋れるようになり犬とも会話ができるようになります。
    天使の声に導かれ、旅をするのが残りの3分の2です。
    でもなんだか少しせつないです。
    彼らはたったひとりじゃないけれど、たちどまることは許されない。
    旅を終わらせることができないなんて……そちらのことばかり考えてしまいました。
    続編は海賊船の話だということなのでもしかしたら純粋に話を楽しめるかしら?

    第50回産経児童出版文化賞入選作。

    装画 / Michael Koelsch(2001)
    装幀 / ハヤカワ・デザイン
    ハリネズミ・キャラクター・デザイン / 小竹 信節
    さし絵 / Ian Schoenherr
    原題 / "CASTWAYS OF THE FLYING DUTCHMAN"(2001)

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