空中庭園

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 704
感想 : 137
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163214504

作品紹介・あらすじ

家族のことが、好きですか?郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。でも、ひとりひとりが閉ざす透明なドアから見える風景は…。連作家族小説の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 短編連作の作品ですが どれもがウーンと唸らされる作品でした。
    6編は京橋家の家族、 女高生の娘 40前後の父親 母親 母親の50代中盤の母 阿呆男の父親と息子が関わる20代中盤のミーナと言う女性 中学生の息子 の6人の独白スタイルだけど結構深い話です。こんなデタラメでいい加減で共感出来ない家族の話にはついて行けないなって思いつつ いつの間にか共感を覚えている笑!等身大で作中のデイスカバリー・センターならぬイオンモールも近くにあるし(笑)
    始まりはやっぱり「八日目の蝉」だったけど以来読むたんびに やっぱり角田光代さんは侮れない作家でした(笑)なかなかお見事でした。ただ私が学生時代や若い頃ならば解らなかった内容でしょうね〜。

  • 一見仲良さそうに見える家族でも
    それぞれに隠し事とか
    言えない過去とかあって、
    ちょっと怖いなって思った。
    実は引きこもり予備軍のコウくんが
    1番鋭い

  • 辛辣過ぎる
    誰も幸せに思えない
    それでも家族は続く
    きっと誰も損しない

  • 久しぶりに、角田さん作品を読もうと図書館で借りて読んでいて、昔読んだことがある作品だ!と思い出した。
    昔読んだ時は私は独身で子どももいなかったから、読み直してみると違った印象を受けた。
    (今人気のアニメ、スパイファミリーでも、それぞれに秘密を抱えた家族がテーマになっているなーと
    思った)
    隠し事をしない、というルールを作った母本人にも、言えない過去がある。そんなルール作らない方が良かったんじゃ…と言いたくなる。
    コウのセリフで、表向きには開かれたドアがあるけど、家族全員が逆オートロックのドアを持っているという言葉が、的を得ている表現ですごいと思った。
    空中庭園という言葉は本文中には出て来なかったと思うが、理想の家族なんて、空中に浮かんだ脆くて壊れやすい存在だということだと解釈した。
    他の方の感想を読んで気付いたが、映画にもなっていたとは知らなかった。

  • あかん
    僕の頭では理解できない
    家族の在り方? 人それぞれの人生
    繋がっていそうな そうでなさそうな
    空中庭園?
    うーん?

  • 薄気味悪い、というか他の家の家庭の事情に首を突っ込んで覗いてしまったときの険悪感。
    家族全員が、それぞれに秘密を持っている。
    それでいて表面上はみな、仲良く取り繕っている様が異様で、でもこんな部分はどの家庭にでもあるような気がするから、後味が悪い。
    話ごとに視点が変わることで、人の見方も変わってくるし(絵美子と、母の関係とか)そういった面白さもありました。
    ただなんとなく読み終えて釈然としないというか、再読したいという気にならないのでこの評価となりました。

  • 途中は面白かった

  • この手の話を最近何故かよく手にしてしまっているが、読むほどに将来の自分の家庭に対する不安が募る。反面教師にして上手くやっていきたいが実際家族とはいえ、何をどう考えているか、同じ方向を向けているのか、それは誰にも分からないもの。
    でも、信じて生きていくしかないしね。

  • 家族が何を考え何を思って生きているかはきっとどこまでもわからないままでいることが幸せなのかもしれないと思う。
    聞いてほしいことなら自分から話すし、秘密という殻でみんな自分を護って生きているんだよな。

  • 人間っていうのは、どこまでいっても本当は独りで、でも、だから誰かを信頼してみたり愛してみたり家族を作ってみたりするんだろうなぁ。
    色んな器や繋がりがあるけど、底の部分では最後は独り。それは、きっと普段は忘れていてもいいことだけど、たまに思い出した時に愕然としない程度に認識していた方がいいことなんだと思う。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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