- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163244907
感想・レビュー・書評
-
両親に先立たれ、大事な人をも亡くした姉妹の話。その大事な人こと樫村は、姉の菜穂子のかつての同級生で、妹の和貴子の婚約者であった。菜穂子は大学に残り助手を、和貴子ラジオのDJをしている。それぞれの暮らしがあまり心に残らないのは、二人の間にある溝やすれ違い、もっと大きな悲しみや怒りが、いつもどこかに眠っていたからだと思う。表紙に惹かれて手に取ったが、こんな綺麗なキラキラした物語ではなかった。でも「悲しくも美しい」そんな物語かな。<br><br>
『貴女はね、今勉強してるんです。感情というものを。』<br>
『連れてきてしまおうかと相談します。――彼らの世界に。だけどしなかったの。だから私たちは生きているの。』詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
幼い頃に両親を亡くし、
祖父母の下で育てられた姉妹。
数年後、姉は大学の研究室で、
妹はラジオのDJとして働いていた。
そして、妹は、姉の同級生であった男性と
恋に落ちたのだが、
彼は事故で死んでしまう。
彼が最後に残した言葉には、
愛する人への思いが込められていた。
果たして、彼が愛した人、それは?
お互いが、お互いを思うあまり、気持ちがうまく伝えられなくなってしまった姉妹。
本当は好きなのに、仲良くしたいのに、
姉妹が故の嫉妬や憎しみが抑えられない2人。。。
とても、男性が書いたとは思えない、姉妹の心の表現、
柔らかで、美しく、時には激しく、雪の結晶のように、キラキラ輝く。。。
まさに、神話といえそうな、物語で、涙がこぼれ落ちた。。。
-
えらいよかった。
この人の本は心があったまる。
図書館で「あ、まだこれ読んでない」と思って、借りて読んだら、凄いよかった。
相変わらず文章が上手くて綺麗。描く人も綺麗。
北国の街の姉妹の話。
話の中のラジオでかかる曲聴いてみたくなった。
ネーナで「ロックバルーンは99」
地味なストーリーかと思ってると、ラジオ放送の場面が途中途中で挟まれたりして飽きずに読めます。
浅倉卓弥の他のは確か、長い話が多かったから、初めて読む人は、これから読むのはありだと思います。 -
「姉が中学時代に淡い想いを抱いていたクラスメート・樫村と和貴子が婚約したことを発端に二人の心の溝は広がっていったが―。」
優しい話で、読んだあと温かい気持ちになれる。感動できる。 -
玉さんが気に入ったと言っていたのでここのコメントは玉さんに譲ろうと思っていたのですが、直筆サインをいただいてしまったので私が書く事にします。
作中にラジオ番組が出てくる為か、浅倉先生の作品のなかで一番多くの曲が出てくる本です。作中の曲が聞きたくなる事請け合いです!
本屋でこの本を見つけた瞬間から会計を終えて店から出るまでの間の記憶がないという、私の浅倉氏の作品好きを証明するようなエピソードのついている本でもあります(笑)。(梨花) -
確か姉と妹の話だった気が・・・
もう記憶も薄い。
ってことは、まあそれなりだったのかな。 -
<font size=1>お姉ちゃん、ほしかったなぁ。</font>
-
幼い頃の両親の死。そして妹の婚約者で姉の同級生だった人の死。二つの死を抱えた姉妹の関係を描いた物語。
年を重ねるごとに変化する姉妹の関係性の変化にすごく共感がもてました。
私にも妹がいるからでしょうか。姉妹って、本当に不思議な関係ですよ。 この感覚って、姉妹がいる人しかわからないんだろうなぁ。
-
<font color="#666666"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163244905/yorimichikan-22" target="_blank"><img src="http://images.amazon.com/images/P/4163244905.09._SCMZZZZZZZ_.jpg" class="booklog-imgsrc" style="border:0px; width:100px"></a>
<br clear="left">
<blockquote><p><strong>心の雪解けは必ず訪れる。
雪国を舞台に姉妹の心の成長と和解を描いた感動の物語。
雪深い町で育った桜庭菜穂子、和貴子姉妹。姉の菜穂子は地元の大学に進学し、そのまま大学の助手を、妹・和貴子は東京の大学を卒業後、故郷に戻り、ラジオ局でDJをしている。姉が中学時代に淡い思いを抱いていたクラスメート・樫村と和貴子が婚約したことを発端に二人の心の溝は広がっていったが――。</strong> ――帯より</p></blockquote>
真っ白い雪の上に広がる青い空が似合う熱く静かな物語。
早くに事故で両親を亡くし、年子の姉妹は祖父母と共に暮らすことになった。姉の菜穂子が聞いた最後の母の言葉は「菜穂ちゃん、和貴ちゃんの子と頼むわね」というもので、菜穂子は無意識のうちにこの言葉に縛られてもいたのかもしれない。
現在の菜穂子の目から見た菜穂子と和貴子のこと、和貴子が持っているラジオ番組の様子が交互に描かれ、そして所々に両親が生きていた頃のことが差し挟まれる。
女同士だからこそ、ほとんど歳の変わらない女同士で しかも姉妹だからこその苦しさやりきれなさと、なくてはならない存在として認め合っているお互いを 最後には解きほぐし確認しあえたのだから、彼女たちはもう決して離れないだろう。たとえ遠く離れて暮らしたとしても。</font>