空ばかり見ていた

著者 :
  • 文藝春秋
3.54
  • (42)
  • (57)
  • (123)
  • (10)
  • (2)
本棚登録 : 482
感想 : 71
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163246208

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 買いだめした吉田作品を読了。

  • 帯背
    トラヴェルソの響きのようにあたたかな12のものがたり
    帯裏
    僕は世にもめずらしい流しの床屋なんですよ

  • 旅する床屋さん。

    ここでないどこかに行きたくて。
    どこにもないどこかを求める。
    行き着く先はどこなんだろう。

  • 読後にいつも思うことなんだけど、吉田「篤弘」作品は気持ちを暖かくしてくれる。それもエアコンや使い捨てカイロのような暖かさではなく、湯たんぽというか、風呂上りに羽織る冬物のパジャマというか、丁寧に入れられたミルクティー(無糖)というか、寝る前に短編1つだけ読んだら冷えずに気持ちよく眠れるみたいな心地良さ。

    吉田「修一」が、使いこなした金属製品の冷たさ的なものを感じるのと好対照だなぁと思うわけである。

    この本も、旅する理容師ホクトさんにまつわる12のほの暖かい物語が詰っていて、ページを繰る手もついついユルみ、気がつけばじんわりペースでいつもより長くかかって読了してしまった。

    スゲーとか感涙とかドキドキとか、そういう激しい感情の起伏を呼び起こさなくても、オモロい小説ってのはたくさんあるのだが、この本…いや吉田「篤弘」作品もその好例だなと思う。

    …しかし、「床屋」が放送禁止用語なんだとは知らなかった。なんでも「床」ってのが隠微を連想させるそうな。「床の間」「ヌカ床」「床みがき」…色々と放送できそうにない単語が連想されるが、行き過ぎた「なんたら禁止用語」ってのは「差別反対」を錦の御旗に掲げて「文化」を破壊するもんやという事。

  • この人の書く世界観はファンタジックで柔らかくて
    そこに出てくる町もなんだかいいなぁと思わされる。

    この本は短編小説で、もう少し洗練されてたら良かったかな。
    短編では雰囲気だけで押し切ってるように感じてしまいやや退屈だった。オチもうーん、と。
    ローストチキン・ダイアリーは唯一いいかな。
    彼女の冬の読書は終わり方が残念。
    放浪する理容師の男が軸ということで期待し過ぎたなぁ。

  • 空を観るのは昔から好きです。雲が流れていくのだとか鳥が飛ぶのだとか色がだんだんに変わっていくのだとか。そんなわけで名前で買った。この著者のこじんまりした感じも好き。冬におこもり読書する女の子に親近感。

  • 流浪の床屋の短編集。
    いろんな人たちの日常に床屋がふと入り込むような話で床屋は主人公ではない、と思う。
    2番目の「彼女の冬の読書」がいちばん好きだった。

  • 文章で描かれた光景が自然にうかんでくる本。青い海、女優、ホテル、ホクトさん。

  • ホクトという理髪師がでてくる。短編集。

  • タイトルの中二くささはなんとかならんものか。

全71件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉田篤弘の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×