- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163261102
感想・レビュー・書評
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シェアオフィスでライター(もどき)として働く青年
結婚間近の今 「青春の終わり方」の模索
決まっていた就職先が倒産し、長くバイトしていた
喫茶店の店主におさまった青年
彼女は忙しい職場に就職し、心を病んでいく
中編2作
どちらも、何故か読んでいてものすごくイライラする。
ある意味リアルだからか詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表題作は苦しくなりました。
なんだか生きるって辛いねって。
私は『長い名前』の方が好き。
ジョナスは隣にちゃんといる。
本当の存在として。
それに気付くことができたら大丈夫。 -
第101回文學界新人賞受賞作。嫌いだった。こういうのがかっこいいんだよ、とオジサンにドヤ顔で言われてる気分になる小説。
「いまどき、まっとうな、といえば、きっとこんな生き方だろう。だろう?」
シニカルでメロウな、という帯の文句もどうかと思う。きっとこの作者は村上春樹が大好きだろうな、と予想される文体も嫌だった。
でも文學界新人賞取ってるし、ただひたすらわたしの趣味に合わないだけで、きっといい作品なんだろう。と思う。
青春の終わり、人生の節目、人間のどうしようもない部分、男性特有の(というと差別的だけど、実際女性には少ない)しょうもない性欲やプライド、が描かれていた。 -
表題作のつくりが面白かった、っていう以外はとりたてて騒ぐところはない、内容的にはすごく地味な話が二つ。
半SFか半ファンタジーみたいな、一箇所でも読み手を裏切るような要素があったら化けそうな気がする。じわじわっと不穏な予感がよぎるけど結局は何も起こらないっていう、平山さん系の。或いは、想像力の文学系の。 -
海外のニュースサイトからネタを拾ってきてはWEB上に扇情的な見出しをつけて紹介する業務を仕事にしている男の、自身の仕事のようにセンスのある言葉やエピソードを切り張りしたような感覚の表題作と、内定していた証券会社の倒産により、アルバイト先の喫茶店の雇われ店長に収まった<社会に出て行くことができなかった男>の物語、ふたつの短編が収められている。
どちらも、ストーリー自体はどうということのない、地味な内容だ。
ただ、この人の言葉の選び方とか、暗喩、比喩のセンスがすごく好みだった。皮肉さと誠実さの加減が絶妙なんだよなぁ。 -
表題作のみ読了。主人公は結婚をひかえた男性。広尾にある貸しオフィスで働く仲間(ただし同僚ではない)との日常生活や、夏の旅行などが描かれる。
ベストセラーにつけられたコピー「いまどき、まっとうな青春小説」に惹かれ、「青春の終わり」について考える主人公。 -
【文學界新人賞(第101回)】「いまどき、まっとうな青春小説」がベスト
セラーになった頃、29歳の僕らは「青春の終焉記念」1泊合コンに
出かけた−。表題作を含む全2編を収録。『文學界』掲載を単行本化。
「来るべき作家たち」シリーズ第3弾。 -
なんだろう、このリアリティは。就職氷河期世代と思われる作者の紡ぎ出す言葉は、とても新鮮だ。表題の作品が2005年。その他1編の「長い名前」が2007年。遅筆なのかなぁ。
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表題作は文學界新人賞を受賞作。
ネットにニュースをピックアップして掲載する仕事をしている僕。ライターと称しているが、自分がどういう方向へ進んでいこうとしているのかがまだつかめていない。痴漢のえん罪で教員をやめた男の自殺をレポートするのか。
『長い名前』も収録。内定の会社の倒産でアルバイト先の喫茶店の雇われ店主になるサトル。一方、銀行に就職したミツは職場にとけ込めず……。
地味だが、読ませる筆力を持っている。応援したい。