少年少女飛行倶楽部

著者 :
  • 文藝春秋
3.85
  • (112)
  • (177)
  • (143)
  • (16)
  • (2)
本棚登録 : 886
感想 : 208
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163281605

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大好きです、加納朋子さん。
    ミステリ要素の薄い意欲作は、「コッペリア」「沙羅は和子の名をよぶ」等々ありましたが。これは別格に面白かった。



    ごくごく普通の中学生たちが、「飛ぶ」という目標へ向かい・・・・。
    身の丈にあった上で、出来る限りのことをして、切実に夢を叶える青春小説。



    主人公が女子中学生なんで、目が滑るというか、クラクラするというか、な文章構成になってはいますが。
    そこはそれ、終盤辺りになってくると主役も脇役も可愛くてしょうがなく思えてるもんなんですね。

    掘り下げすぎない心理描写は、主人公が・・・・いや、周りの人もそれぞれの「察し」と「おもいやり」を持って生きてるんだと考えさせられます。

    そういう意味ではリアルです。

    続きは書かないでほしい。ような書いてほしいような。

    しかし、部長とのデートは楽しくないだろうな(笑)

  • 空を飛びたいと願う中学生。
    いろいろな背景を抱えた個性的な登場人物が、
    一つの目標に向け徐々にまとまっていく。
    よくある青春小説ですが、問題はラスト。
    どうやって最終目標を達成するのかなと思いきや、
    なるほどねってかんじ。
    確かに飛んだねぇ。

  • 中学生が主人公の爽やか青春小説。少し児童文学っぽさがある気がします、個人的には。
    名前にコンプレックスは分かるなぁ。私は平凡すぎるって逆パターンだったけど。それにしても「るなるな」は無いw

    がっつり読みたい時より、息抜きしたい時に読む方が向いていると思う。

  • 主人公の少女は青春系の物語にありがちなことなかれ主義、まわりとの距離のとりかたがうまい、そんな女の子(読んでいて感情移入しやすいタイプかもしれない)。

    その少女を取り囲むのは割りとクセの強い変わった人たち。

    どの章でも主人公の少女目線で物語が進んでいくのに、全ての登場人物の良さだったり内面を伝える文章があるのが嬉しい。

    特に最初は変人のイメージしかなかった部長が最後にはだいぶ性格が丸くなったり、自分のことを主人公に話したりして、(主人公視点から見ると)かなりコミュニケーションのとりやすい人物に変わっているのが読んでいてちょっと嬉しくなった。

    あとは、後半から多く登場するようになったイライザのせいで幼馴染の樹絵理の良さが食われてるような気がしたり、天使の描写もっとあればいいのに!と思うところなどもあった。
    基本的に女性の登場人物は主人公の母も含めてとても魅力的な人ばかりだったので、もっともっと長くても絶対読みたい本だな、と思いました。

    本当にわくわくして、一気に読んでしまった。

  • 苦手なタイプがてんこ盛りの状態に、読了できるかちょっと心配したが、中盤から登場人物たちの「困った」性格がうまく絡み合い、また変化していくにつれ、俄然面白くなった。正式なクラブ発足から問題は続出だったが、それぞれ抱えている心の重みを解き放ちながら、決して諦めずに進んでいく彼らの姿に、いつしかこちらも「飛びたい」と思うようになっていた。クライマックスでは爽快な風を感じることができ、満足の1冊。

  • 気球でルナルナを助けに行くあたりがちょっと都合良すぎるだろうと思わなくもないのですが、おんなのこ同士特有のなんともいえない関係とか ひたすらかわいいくーちゃんとカミサマとか凄く楽しかった!加納さんの本の中でダントツで好き!

  • そう言えば、空を飛びたかった。
    長い間ずっと忘れてたんだけど、空を飛びたかったんだ。

    この物語の少年少女は己や他者との関係の模索、あるいは比較をしていくのだけど、へっぴり腰ながら真っ直ぐ飛べる熱がある。
    なんかそこからふと、私ではない他者の自分について考えたくなった。
    支配とかって子供だけではなく大人の世界にもある。
    そして世の中ってだいぶ傲慢に形成されていると思う。

    空は跳ぶんではなくて、飛ぶ為にある気がする。
    そういうしがらみとか支配とか傲慢さとか、全て無視して飛びたいんだ。
    膜は破られなかったけれど甘酸っぱい関係性の青春小説で、笑ったけど少し涙。

  • おもしろかった。思わず大爆笑。個性の強い人たちの中巻き込まれつつも楽しそうなくーちゃん大好き!高校生になった後、とか 続きがぜひ読みたい

  • 意味のわからない奇天烈なクラブに足を踏み入れてしまった海月。
    神サマ変人部長の変人っぷりに私も海月とキレそうでした。(笑)
    http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-541.html

  • ちょっと楽しい感じの明るい小説が読みたい、と思って手に取りました。
    加納朋子の小説は初めて読んだ。

    すいすい読めて、ライトノベルっぽい感じもあり。
    気軽にさくっと読めてしまう本だと思う。

    明るくて、元気で、青春、という小説だった。
    出てくる子どもたちはみんな一癖二癖あって、
    でもちゃんとまっすぐできらきらしてる。

    名付けは祝福と同時に呪いだよなぁ、ってしみじみ思う。
    願いはときに人を傷つけたりもする。
    そういうことに気づくと変えていくこともできるんだなって思ったり。

全208件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

加納朋子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×