- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163281605
感想・レビュー・書評
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大好きです、加納朋子さん。
ミステリ要素の薄い意欲作は、「コッペリア」「沙羅は和子の名をよぶ」等々ありましたが。これは別格に面白かった。
ごくごく普通の中学生たちが、「飛ぶ」という目標へ向かい・・・・。
身の丈にあった上で、出来る限りのことをして、切実に夢を叶える青春小説。
主人公が女子中学生なんで、目が滑るというか、クラクラするというか、な文章構成になってはいますが。
そこはそれ、終盤辺りになってくると主役も脇役も可愛くてしょうがなく思えてるもんなんですね。
掘り下げすぎない心理描写は、主人公が・・・・いや、周りの人もそれぞれの「察し」と「おもいやり」を持って生きてるんだと考えさせられます。
そういう意味ではリアルです。
続きは書かないでほしい。ような書いてほしいような。
しかし、部長とのデートは楽しくないだろうな(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
空を飛びたいと願う中学生。
いろいろな背景を抱えた個性的な登場人物が、
一つの目標に向け徐々にまとまっていく。
よくある青春小説ですが、問題はラスト。
どうやって最終目標を達成するのかなと思いきや、
なるほどねってかんじ。
確かに飛んだねぇ。 -
中学生が主人公の爽やか青春小説。少し児童文学っぽさがある気がします、個人的には。
名前にコンプレックスは分かるなぁ。私は平凡すぎるって逆パターンだったけど。それにしても「るなるな」は無いw
がっつり読みたい時より、息抜きしたい時に読む方が向いていると思う。 -
苦手なタイプがてんこ盛りの状態に、読了できるかちょっと心配したが、中盤から登場人物たちの「困った」性格がうまく絡み合い、また変化していくにつれ、俄然面白くなった。正式なクラブ発足から問題は続出だったが、それぞれ抱えている心の重みを解き放ちながら、決して諦めずに進んでいく彼らの姿に、いつしかこちらも「飛びたい」と思うようになっていた。クライマックスでは爽快な風を感じることができ、満足の1冊。
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そう言えば、空を飛びたかった。
長い間ずっと忘れてたんだけど、空を飛びたかったんだ。
この物語の少年少女は己や他者との関係の模索、あるいは比較をしていくのだけど、へっぴり腰ながら真っ直ぐ飛べる熱がある。
なんかそこからふと、私ではない他者の自分について考えたくなった。
支配とかって子供だけではなく大人の世界にもある。
そして世の中ってだいぶ傲慢に形成されていると思う。
空は跳ぶんではなくて、飛ぶ為にある気がする。
そういうしがらみとか支配とか傲慢さとか、全て無視して飛びたいんだ。
膜は破られなかったけれど甘酸っぱい関係性の青春小説で、笑ったけど少し涙。 -
おもしろかった。思わず大爆笑。個性の強い人たちの中巻き込まれつつも楽しそうなくーちゃん大好き!高校生になった後、とか 続きがぜひ読みたい
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意味のわからない奇天烈なクラブに足を踏み入れてしまった海月。
神サマ変人部長の変人っぷりに私も海月とキレそうでした。(笑)
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ちょっと楽しい感じの明るい小説が読みたい、と思って手に取りました。
加納朋子の小説は初めて読んだ。
すいすい読めて、ライトノベルっぽい感じもあり。
気軽にさくっと読めてしまう本だと思う。
明るくて、元気で、青春、という小説だった。
出てくる子どもたちはみんな一癖二癖あって、
でもちゃんとまっすぐできらきらしてる。
名付けは祝福と同時に呪いだよなぁ、ってしみじみ思う。
願いはときに人を傷つけたりもする。
そういうことに気づくと変えていくこともできるんだなって思ったり。