妻と娘の国へ行った特派員

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163403700

感想・レビュー・書評

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  • 娘と妻シリーズかと思いきや、色々な所で著者が書いたものをまとめた者だった。後書き自体が病床で口頭で言われたものを文章化したらしく、本当の意味での最後の作品のようだ。他の本と同様、所々に著者の鋭い東南アジア感、東南アジア人感が書かれている。またいつか読み直す事もありそうだ。

  • 「そしてその東南アジアの魅力を生み出すものは、多少重複するが、この地域のそれぞれの国で見られる人間らしさである。新聞記者というむしろ「現象」を追う身でありながら、そこで見る私の興味は、実際にこの地域で生きる人々の生き方やその喜怒哀楽といったようなものに注がれ続けた。」(あとがきより)

    27の随筆であり、紀行文であり、ルポルタージュ。近藤さんの遺作です(あとがきは死の3日前、病床で録音されたもの)。バンコク特派員(当時)という仕事柄、ベトナムに限らず、タイ、ミャンマー、カンボジア、フィリピン、ブルネイ、シンガポール、インドと舞台は多岐に渡り、同じくアジアを愛する自分にとっては教科書のような本です。

  • 「女帝ガンジーの悲劇」章のみ2022.09読了。他の章も時間が出来たら読みたい。
    タイトルから、どこの国だろう?と思い、あとがきから読む。
    インディラ・ガンジーの最期の話にシーク教の青年?の二面性(著者が感じたもの)、そして「第三世界」という言葉…現代が抱える、そして先進国と呼ばれる国の多くの人々が目を向けていないこの世界の現実をしみじみと思った。
    最近スリランカ帰りの方から世界初の女性首相の波瀾万丈で悲劇的な人生の話、そして彼女自身の圧の強さを聞いたばかりなので、余計に重く感じた。スリランカもまた宗教対立と内戦が深く絡んでいる。

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