絶滅も進化も酸素濃度が決めた 恐竜はなぜ鳥に進化したのか

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163699608

作品紹介・あらすじ

私たちは、現在の酸素濃度が不変であると思いなしがちだ。しかし、地球が誕生して以来、酸素濃度が一定であったことはなかった。高酸素の時代に爆発的に繁栄した動物も、低酸素の時代に一匹残らず消えていく。こうして生物は進化と絶滅をくりかえしながら、いまの人類へつながっていく-。くりかえされた生物の進化爆発と絶滅を一望にする6億年の酸素濃度グラフ-ゲオカーブサーフですべてが解き明かされる。

感想・レビュー・書評

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  • 体節、鳥の気嚢、内温性、二足歩行などが酸素濃度への適応というのは面白かったです。ちょっと古いので最近の動向を知りたい

  • 地球の大気・海洋中の酸素濃度の変化が生物進化の方向を決めた。酸素濃度が低い時期には、生物が絶滅し、新たな進化が起こり、酸素濃度が高まると、生物は増える。

  • 2016/09/11 追記
    ピーター・ウォード 
    最新作も読みたい! → http://amzn.to/2cg4i1e 〜 生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学

    本書の要「ゲオカーブサーフ・モデル」とは、
     酸素と二酸化炭素レベルの地質年代的変化を推定するために導かれたコンピュータモデル。
    「ゲオカーブサーフ・モデル」を縦糸にして、酸素濃度が生物進化に与えた大きな影響について壮大な仮説で語る。

    こちらも興味があります。 → https://www.ted.com/talks/peter_ward_on_mass_extinctions?language=ja 〜 ピーター・ウォード が語る大量絶滅 | TED Talk | TED.com

    本書も、もう一度あらためて読みたい。

    2011/1/2 読み始める 1/18 読んでいる <!-- 2014/5/21 記、2016/09/11 追記  -->

    恐竜はなぜ鳥に進化したのか ― 絶滅も進化も酸素濃度が決めた

    詳細はこちら → https://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-932.html

  • 副題の通り、本書の趣旨は「酸素濃度が、生物の絶命や、進化を決定した」というものである。そのメカニズムは、簡単に言うとステップ1.適当な酸素濃度で生物が繁栄ステップ2.何らかの原因により酸素濃度が低下(通常その時は二酸化炭素濃度高上)したため、繁栄している生物が大絶滅ステップ3.酸素低下を生き延びた生物のなかには、新たな機能を持つものが現れる。と共に、前世代の大絶滅により、ニッチがいっぱいになるステップ4.何らかの原因により酸素濃度が回復。ステップ3の生物がニッチに一気に広がるというものである。 この説のもっともドラマチックな例は恐竜の興隆。三畳紀の酸素濃度の急落により、多くの生物が絶滅する中、恐竜の祖先は呼吸器系に気嚢を付加する事でこの危機を乗り切った(気嚢は化石には残らないため、恐竜が気嚢を持っていたかどうかは議論の余地が残る)。その後、酸素濃度が低いまま安定。他の動物は非効率な呼吸のため動作が緩慢で、恐竜は圧倒的な捕食者として君臨した。ジュラ紀に入り酸素濃度が上昇を始めると一気に恐竜の多様化が始まり、6500万年前の隕石激突まで続く。 なかなか興味深い説である。専門用語の説明が少ない、図、絵が少ない、文章もしくは訳が悪いという三重苦の本であるため読むのに忍耐を強いられるが、読む価値はあると思う。ただし、あくまでもこれは有力な一説に過ぎない。この本を読む方には、カンブリア紀に起こった、他に類を見ないほどの生物の多様化を、目の進化に求めた、「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794214782/ichiromarin09-22/ref=nosim" target="_blank">眼の誕生</a>」もあわせて読むことをお勧めします。

  • 原題は"Out of Thin Air"。恐竜や鳥がどうというよりも、バーナーの酸素濃度モデルをベースに生命史を通したボディ・プランの進化について一つの仮説を提案したもの。面白いのだが若干モデルに拘泥しすぎの感もあり。

  • 図書館で。読み終えるまでエライ時間がかかりましたがすごく面白かったです。何せ古生代のことについてあまり詳しいとは言えない自分なので(姉は好きで詳しいんですが)頭足類?腕足類って何?節足動物ってなんだっけ?今海に居る?とか友人に聞いてカニとエビじゃないと即答されああ、そうだったとかそういうレベルなんですがそんな人間が読んでも面白かった。
    なんとなくですが昔の地球の酸素レベルも今とさほど変わらなかったのではと漠然と思っていましたが気の遠くなるような歴史の積み重ねで酸素・二酸化炭素のレベルが変動するってのは当たり前のようにありえたんだろうなあとしみじみ思いました。そして石炭も石油も古生物(植物や動物)の遺骸なんだなあと思うと色々と面白い。ご先祖様の恩恵にあずかって生きてるんだなあ、人間だってとかそんなことを思いました。

    とりあえず私は三畳紀とジュラ紀と白亜紀の違いをきちんと覚えようと思います。今度もう少し初心者向けの本借りてこようっと。面白かったです。

  • 読みたい

  • 「酸素濃度が生物の進化を決めた」という著者の主張を元に、推理小説のように生物史を巡る出来事を読み解いていく。地球上でどんな生物が盛衰を繰り返してきたのか、なぜ大絶滅は何度も起きたのか、あらゆる情報を盛り込んだ何度も読み返したくなる一冊。地球の壮大さを感じるために、ぜひ読んだ方がいい。ここ数年の私のバイブル的一冊です。

  • 生命の形態的進化が起こった主な原因は酸素濃度の低下によるものという説を基に、五大絶滅が発生した時に見られる新しい形態の出現と、それがいかに酸素を利用するために優れたシステムであるのかを述べていく。
    原題が「Out of Thin Air -Dinosaurs, Birds, and Earth's Ancient Atmosphere-」直訳すれば「薄い空気から現る〜恐竜、鳥、そして古代地球の大気について〜」という感じなので、邦題はちょっと恣意的だなあという気もする。タイトルだけで決めると拍子抜けするかもしれない。
    食卓に上るエビや二枚貝の形態はなぜああなのか?という謎や、爬虫類の種類が多かった時代においてなぜ恐竜が抜きん出て発展を遂げたのかなど、読んだ後は鳥さんや海鮮を見る目が変わる一冊。

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