冒険記として本を読み始めると肩透かしをくらう。孤高の人を読んだあとだったからかもしれない。
冒険者として、死の考え方についてはおもしろかった。死の直前、自分と向き合うとかでなく、日常のささいなことを思い出すとか、死と隣り合わせになった人しかわからないのだろう。身近な者をガンで亡くした自分にとっては、病気の人の死への考え方は、楽になりたいだと思う。どうやっても諦めつかない時には、人はあきらめ楽になりたいのだと。それは、それで正解なきがする。
冒険者は、冒険が終わると新たな挑戦をつくり、自分自身を越えるため死により近づく冒険を企画していくのだろう。最後のグッバイバルーンの冒険者としての生き様は納得した。
同じ世代でも、片や冒険家、片やサラリーマンに家庭持ち生き方が相反するためか、共感ができない部分が多く、非常に批判的な見方で読んでしまった。
あと10年後に感想がどのように変わるか楽しみな本ではある。