探検家、36歳の憂鬱

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163754703

感想・レビュー・書評

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  • 冒険記として本を読み始めると肩透かしをくらう。孤高の人を読んだあとだったからかもしれない。
    冒険者として、死の考え方についてはおもしろかった。死の直前、自分と向き合うとかでなく、日常のささいなことを思い出すとか、死と隣り合わせになった人しかわからないのだろう。身近な者をガンで亡くした自分にとっては、病気の人の死への考え方は、楽になりたいだと思う。どうやっても諦めつかない時には、人はあきらめ楽になりたいのだと。それは、それで正解なきがする。

    冒険者は、冒険が終わると新たな挑戦をつくり、自分自身を越えるため死により近づく冒険を企画していくのだろう。最後のグッバイバルーンの冒険者としての生き様は納得した。

    同じ世代でも、片や冒険家、片やサラリーマンに家庭持ち生き方が相反するためか、共感ができない部分が多く、非常に批判的な見方で読んでしまった。

    あと10年後に感想がどのように変わるか楽しみな本ではある。

著者プロフィール

角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)
 1976(昭和51)年北海道生まれ。早稲田大学卒業。同大探検部OB。新聞記者を経て探検家・作家に。
 チベット奥地にあるツアンポー峡谷を探検した記録『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞。その後、北極で全滅した英国フランクリン探検隊の足跡を追った『アグルーカの行方』や、行方不明になった沖縄のマグロ漁船を追った『漂流』など、自身の冒険旅行と取材調査を融合した作品を発表する。2018年には、太陽が昇らない北極の極夜を探検した『極夜行』でYahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞、大佛次郎賞を受賞し話題となった。翌年、『極夜行』の準備活動をつづった『極夜行前』を刊行。2019年1月からグリーンランド最北の村シオラパルクで犬橇を開始し、毎年二カ月近くの長期旅行を継続している。

「2021年 『狩りの思考法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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