たったひとり

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163818108

感想・レビュー・書評

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  • なぜ俺たちは戻ってきてしまうんだ!?半壊したラブホテル。
    廃墟探索サークルの男女5人を襲うタイムループ。
    極限状況で剥きだしになるエゴ、渦巻く愛憎。
    悪夢を脱するため、たったひとりの犠牲の山羊となるのは誰か?
    (アマゾンより引用)

    地味な女の子のほう、良い子なのかと思ってたのに怖い人だった(笑)

  • これは なかなかのイヤミス!


    廃墟探索サークルの男女(男3人、女2人)が
    廃墟のラブホテルに行くのだけど、
    そこで 妙なループに巻き込まれる。

    雨が降って 地すべりを起こしそうだから
    避難するため その廃墟から出たはずが
    また 全員 元に戻っている。

    27年前に地すべりが起こり、
    そのために廃墟になったラブホテル。

    どうやら 異次元に入ってしまった。
    時計も狂い、戻る度に2分づつ 短縮されている。


    ひとりひとりの短編になっていて、
    視点が変わる。
    そして、だんだん このループの謎も
    明らかになってくる。

    ずーーーっと 面白くて、グングン
    読み進みましたが、ラストが!!




  • クローズド・サークル作品を挙げていく書評サイトで発見。
    サークルがクローズドになった理由は超自然的なものであり、その謎が論理的に解かれるわけではない。したがって、厳密には「クローズド・サークルもの」と呼べないのかもしれないが、私としてはそう言いたい。クローズド・サークルの醍醐味を、十二分に堪能させてくれる作品だと思うからだ。
    「次は自分が殺されるのかも…」 この恐怖を、「次は」の部分をなくしてなお成立せしめたのが本書の眼目である。言われてみればそのとおりで、たとえ何人が助かろうとも、他ならぬ自分が死んでしまっては意味がないのだ。そうして剥き出しになった人間のエゴと、それによるギスギスしたいがみ合いを、なまじの「クローズド・サークルもの」以上にこれでもかと描き尽くしてくれる。
    前述したように「論理的」なトリック&ロジックはなく、登場人物たちの造型は戯画的に過ぎる。それが許せないという向きは避けるのが吉なのだろうが、もとより本書はミステリではない。「クローズド・サークルもの」でしばしば描かれる人間の極限の醜さを味わう娯楽小説としてなら、自信を持ってお薦めできる。

    2017/8/27読了

  • 大学の廃墟探索サークルの所属する男女の運命。

    27年前、廃墟のラブホが土砂崩れに巻き込まれ、犠牲になった性別不明の遺体。

    いわく付きのラブホに探索に来た大学生たち、
    土砂崩れ当時にタイムスリップしてしまい、時間が巻き戻るたびに2分ごとに進んでしまう。

    この現状から脱出するためには
    大学生5人のうち、当時犠牲になった1人を当てるんだという答えになり、
    一人一人廃墟に残ることになった。

    リーダー気取りで責任をおいたくなかった葦原。
    葦原の子分でいながら冷静に分析をしたけれど思い違いだった日吉。

    自分が一番の美人だと確信するまどか。
    頭の良さを鼻にかける間野坂。
    存在感の薄く日吉に想いを寄せる秋穂。

    みんな考えていたことはバラバラで
    解決に近いと思っていたことすらもはずれ、まどかが死んだ。

    なんとも、救い用のない話w
    じゃあなんでタイムスリップしちゃったのか。

  • ■ 1589.
    〈読破期間〉
    2015/6/8~2015/6/9

  • 読み終えてから装画を見直すと怖くなる。どいつもこいつも表面ばかり取り繕っている駄目な奴ばっかり。日吉君が唯一の良心。秋穂ちゃんの豹変振りが実は一番のホラー。結局誰も幸せになれないバッドエンドですな。2013/147

  • 後味の悪い、薄ら寒い感じ嫌いじゃないですな。

  • 全員不幸 呪われた地へ興味本位で行くなという戒め的小説

  • 久々に後味が悪い本を読んだ。
    えずくような。結構予想を裏切られたなぁ。

    キャラがテンプレ通りで凡庸だったけど、秋穂だけはぞっとした。よい意味で。

  • パラドックスなどタイムループそのものについて主題にするのではなく、繰り返されることによって次々に掘り下げられていく登場人物の個性を主題にしたところが非常に良く、多角的な視点で個々の内面を立体的に描き分けているところに感心しました。 以前、乾くるみの「リピート」の感想に乾ルカのことを書き添えたことがありましたが、本書を読み、偶然とはいえ、少々感じるものがありました。

著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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