- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163818108
感想・レビュー・書評
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これは なかなかのイヤミス!
廃墟探索サークルの男女(男3人、女2人)が
廃墟のラブホテルに行くのだけど、
そこで 妙なループに巻き込まれる。
雨が降って 地すべりを起こしそうだから
避難するため その廃墟から出たはずが
また 全員 元に戻っている。
27年前に地すべりが起こり、
そのために廃墟になったラブホテル。
どうやら 異次元に入ってしまった。
時計も狂い、戻る度に2分づつ 短縮されている。
ひとりひとりの短編になっていて、
視点が変わる。
そして、だんだん このループの謎も
明らかになってくる。
ずーーーっと 面白くて、グングン
読み進みましたが、ラストが!!
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クローズド・サークル作品を挙げていく書評サイトで発見。
サークルがクローズドになった理由は超自然的なものであり、その謎が論理的に解かれるわけではない。したがって、厳密には「クローズド・サークルもの」と呼べないのかもしれないが、私としてはそう言いたい。クローズド・サークルの醍醐味を、十二分に堪能させてくれる作品だと思うからだ。
「次は自分が殺されるのかも…」 この恐怖を、「次は」の部分をなくしてなお成立せしめたのが本書の眼目である。言われてみればそのとおりで、たとえ何人が助かろうとも、他ならぬ自分が死んでしまっては意味がないのだ。そうして剥き出しになった人間のエゴと、それによるギスギスしたいがみ合いを、なまじの「クローズド・サークルもの」以上にこれでもかと描き尽くしてくれる。
前述したように「論理的」なトリック&ロジックはなく、登場人物たちの造型は戯画的に過ぎる。それが許せないという向きは避けるのが吉なのだろうが、もとより本書はミステリではない。「クローズド・サークルもの」でしばしば描かれる人間の極限の醜さを味わう娯楽小説としてなら、自信を持ってお薦めできる。
2017/8/27読了 -
■ 1589.
〈読破期間〉
2015/6/8~2015/6/9 -
読み終えてから装画を見直すと怖くなる。どいつもこいつも表面ばかり取り繕っている駄目な奴ばっかり。日吉君が唯一の良心。秋穂ちゃんの豹変振りが実は一番のホラー。結局誰も幸せになれないバッドエンドですな。2013/147
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後味の悪い、薄ら寒い感じ嫌いじゃないですな。
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パラドックスなどタイムループそのものについて主題にするのではなく、繰り返されることによって次々に掘り下げられていく登場人物の個性を主題にしたところが非常に良く、多角的な視点で個々の内面を立体的に描き分けているところに感心しました。 以前、乾くるみの「リピート」の感想に乾ルカのことを書き添えたことがありましたが、本書を読み、偶然とはいえ、少々感じるものがありました。